6月13日に東京ドームで行われる「Yogibo presents RIZIN.28」。那須川天心vs3人スペシャルマッチや、全16名のRIZINファイターがトーナメント形式でバンタム級王者を争う「RIZIN JAPAN GRAND-PRI…

 6月13日に東京ドームで行われる「Yogibo presents RIZIN.28」。那須川天心vs3人スペシャルマッチや、全16名のRIZINファイターがトーナメント形式でバンタム級王者を争う「RIZIN JAPAN GRAND-PRIX 2021」の1回戦などが行われる。

PRIDEなどで活躍した元総合格闘家の大山峻護さんは、「RIZINはおもしろい組み方をして、いろいろな側面から楽しませてくれますね。格闘技ファンとして純粋に楽しみです」と、2003年の『PRIDE GP 2003』以来となる東京ドームでの総合格闘技の祭典に期待。今大会の見所を聞いた。

・今すぐ読みたい→
「勇気と感動を与えられることがアスリートの最高の特権」、ピーター・アーツに勝った元総合格闘家がRIZIN.28に注目 https://cocokara-next.com/athlete_celeb/shungooyama-rizin28-focus-01/

第10試合 スペシャルワンマッチ/朝倉未来vs.クレベル・コイケ


「クレベル・コイケ選手は紆余曲折いろいろなものを乗り越えてきて掴んだ大舞台のチャンス。東京ドームの大トリで、時代の寵児と戦えるというのは、格闘技の神様に愛された選手じゃないと見られない景色です。クレベル選手は打撃を積極的に出していって、隙をついてグラウンドに持ち込み、しっかり削って仕留めるというパターンだと思います。クレベル選手の寝技はトップレベル。ワンチャンスを逃さず、一回倒したらそこから仕留める力のある選手です」。

「クレベル選手とはタイプが全く違うので、朝倉選手にとって対策は立てやすいはずです。ただ、クレベル選手は寝技のレベルがとても高いので、倒された後にどう対処できるのか。格闘家としての引き出しをどれだけ増やせているのか、注目ですね。今までは持っている才能、センスで勝ってきたところもありましたが、魔裟斗さんとの対談を経て、格闘技に対するマインドが変わったそうです。練習に対するモチベーションが変わったという話を聞いて、僕はすごく嬉しかったですね。格闘技に対して真摯に向き合ってくれて。今でも十分強いですが、もっともっと強くなるんだろうなと感じました。本気になった朝倉選手は楽しみです」。

第9試合 那須川天心vs.3人 スペシャルマッチ/那須川天心vs.大﨑孔稀、HIROYA、X

当初はK-1王者・武尊との世紀の一戦が予定されていたが、武尊選手のケガで延期。3人の選手と1人1回3分ずつ戦う、前代未聞のスペシャルマッチが行われることになった。

「すごい発想だなって思いますし、天心選手も格闘技界のことを考えて盛り上げてくれていて、ありがたいですね。普通に考えたらリスクですよ。想像以上にキツイはずです。相手の選手は1ラウンド1ラウンド、フルに自分の持ち味を出してきますから。ただやはり、天心選手が3人のファイターとどれだけ違ったファイトを見せてくれるのか、楽しみですね。大﨑選手は若くして実績のある選手ですし、HIROYA選手も実績十分で階級も上ですからね。体重差というのは大きいですから、百戦錬磨の天心選手でもそんな簡単じゃないと思います」。

第7試合 バンタム級トーナメント 1回戦/朝倉海vs.渡部修斗

「海選手にとってはリスクが大きいのに、よく受けてくれましたね。格闘技界を盛り上げたいっていう気持ちと、自分を成長させたいという思いがあるのではないでしょうか。昨年大晦日の堀口恭司選手との試合は衝撃的でしたが、挫折から這い上がってくる力があります。乗りに乗っている時に負けると、そこで挫けて落ち込んでしまうパターンも多いですが、海選手には持って生まれたハングリー精神がある。これは意外と持っている選手と持っていない選手がいるんですよ。負けの恐怖に打ち勝つ力は、誰しもが持っているものではないです。海選手には格闘技のセンスとこのハングリー精神の両方を持ち合わせているので、さらに進化した姿を見せてくれんじゃないかなと思います」。

「渡部選手も素晴らしい選手です。お父さんも修斗の初代チャンピオンで素晴らしい血を持っていますからね。渡部選手はバックをとった時に、フィニッシュに持っていくまでの心のスタミナがすごいです。バックチョークから狙うって、自分の体力も心も削られるんですよ。バックチョークってフィニッシュ率も高いけど、それだけディフェンスの技術もみんな知っているから、なかなかすぐ取れるものではない。それを粘りに粘って、渡部選手は最後仕留められる。今回も狙ってくると思いますが、それが朝倉選手に対してどれだけ通用するのか、注目ですね」。

第6試合 バンタム級トーナメント 1回戦/石渡伸太郎vs.井上直樹

「一番注目してるカードです。井上選手はあの若さでUFC、世界を経験していますから。僕らの時代は違う、最新の技術が詰まった進化したMMAを体現できる選手だと思います。一方の石渡選手は怪我からの復帰戦になりますが、数々の激戦を制してきた経験があります。日本の格闘技界を引っ張ってきた、タイミングさえ合えば世界に行っていたであろう、実力のある選手。バンタム級は実力派揃いで、個性的な選手が多く、とても楽しみな階級。今回のトーナメントはおもしろい取り組みですし、みんな注目しています。東京ドームで、テレビ放送される中で戦えるなんて、本当にすごいこと。人生が変わるチャンス、その舞台が目の前にあるわけですから、両者とも相当な覚悟でリングに上がってくると思います」。

ライト級タイトルマッチやスダリオ剛など、好カードひしめく

そのほかにも、注目の試合が並ぶ。第1試合はMMA初参戦の“ブラックパンサー”ベイノアと、大晦日大会で朝倉未来にKO負けを喫した弥益ドミネーター聡志との一戦。第2試合は大山さんも注目するスダリオ剛が登場する。第3試合はRIZINフェザー級王者・斎藤裕がヴガール・ケラモフを迎え撃つ。第4試合から第7試合までは、RIZINバンタム級グランプリトーナメント1回戦が行われ、第8試合のトフィック・ムサエフvs.ホベルト・サトシ・ソウザ戦でライト級王者が決まる。

大山峻護さん

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

・今すぐ読みたい→
RISE・伊藤会長が語る那須川天心VSメイウェザー戦の全貌 https://cocokara-next.com/athlete_celeb/takashiito-interview-03/

大山峻護(おおやま・しゅんご)

5歳で柔道を始め、全日本学生体重別選手権準優勝、世界学生選手権出場、全日本実業団個人選手権優勝という実績を持つ。2001年、プロの総合格闘家としてデビュー。同年、PRIDEに、2004年にはK-1・HERO‘Sにも参戦。2012年ロードFC初代ミドル級王座獲得。現在は、企業や学校を訪問し、トレーニング指導や講演活動を行なっている。著書に「科学的に証明された心が強くなる ストレッチ」(アスコム)。ビジネスマンのメンタルタフネスを高めていくための本「ビジネスエリートがやっているファイトネス~体と心を一気に整える方法~」(あさ出版)を出版。