2001年から始まった21世紀枠は今年で早くも17年目を迎える。困難を克服した学校、模範校などにその特別枠が与えられ、前回大会までで42校が選出された。出場した学校の最高成績はどうだったのか。■開幕まで1か月を切ったセンバツ、「21世紀枠」…

2001年から始まった21世紀枠は今年で早くも17年目を迎える。困難を克服した学校、模範校などにその特別枠が与えられ、前回大会までで42校が選出された。出場した学校の最高成績はどうだったのか。

■開幕まで1か月を切ったセンバツ、「21世紀枠」の最高成績を振り返る

 今春のセンバツ(3月19日開幕・甲子園)の21世紀枠は中村(高知)、不来方(岩手)、多治見(岐阜)の3校が選出された。40年ぶり2度目の甲子園出場になる中村は秋季高知県大会を制した県立校。決勝では強豪の明徳義塾を破った。不来方は岩手県2位で東北大会に出場。部員10人での甲子園に挑む。多治見は岐阜大会を制して、東海大会ベスト8に進出。不来方、多治見ともに初出場で、聖地での1勝を目指す。

 2001年から始まった21世紀枠は今年で早くも17年目を迎える。困難を克服した学校、模範校などにその特別枠が与えられ、前回大会までで42校が選出された。出場した学校の最高成績はどうだったのか。

 21世紀枠がスタートした2001年。福島の安積とともに沖縄の宜野座が選出された。初戦(2回戦)の岐阜第一戦では強力打線が火を噴き、11安打7得点。7-2で快勝した。3回戦では強豪の神奈川・桐光学園に4-3で勝利。準々決勝では現在ヤクルトでプレーする大引啓次内野手(当時2年)のいた地元・大阪の浪速を延長11回の末に4-2で破った。準決勝で仙台育英に1-7で敗れるも、宜野座旋風が春の甲子園に吹き荒れた。

 主役となったのが、167センチの小柄なエース・比嘉裕投手。岐阜第一は2失点完投、桐光学園は3失点完投。浪速戦も11回、148球を一人で投げ抜いた。九州大会8強ながら“特別枠”とは思えない躍進。力をつけたナインは同年の夏も甲子園に出場。初戦でセンバツに敗れた仙台育英に勝利し、リベンジを果たした。しかし、2回戦で現在、中日の八木智哉投手を擁した日本航空に1-4で敗れた。

■同じく4強に進んだ利府、準決勝では雄星擁する花巻東と東北対決に

 同じく4強に進出したのは、2009年の利府(宮城)だ。現西武の菊池雄星を擁して準優勝した花巻東(岩手)とともに東北からの出場で、同地区からベスト4に2校残るという快挙を成し遂げた。初戦の掛川西(静岡)戦で5回まで毎回得点を挙げ、17安打10得点で快勝。2回戦では習志野(千葉)に9回サヨナラで1-2で勝利。準々決勝では強豪の早稲田実と対戦。5回に一挙5得点を奪い、相手先発を攻略。5-4で勝利した。

 準決勝では東北対決となり、花巻東・菊池雄星の前に5安打2得点。2-5で惜しくも敗れた。エース左腕の塚本峻大の変化球のキレ、菊池から本塁打を放った1番・遠藤聖拓らの活躍が光った。夏は宮城大会準決勝で東北に敗れ、春夏連続出場はならなかった。

 ベスト4という最高成績を残した宜野座、利府ともに共通していたのは、エースと主軸がしっかりと成績を残し、チーム力でも甲子園に出場していてもおかしくなかったということ。最近の21世紀枠出場校は1回戦、2回戦止まりが多い。今回の中村らには利府以来の快進撃を期待したい。

 以下はこれまでの21世紀枠出場高校。

■これまでの「21世紀枠」出場校は…

○2016年
釜石(岩手)、長田(兵庫)、小豆島(香川)

○2015年
豊橋工(愛知)、桐蔭(和歌山)、松山東(愛媛)

○2014年
小山台(東京)、海南(和歌山)、大島(鹿児島)

○2013年
遠軽(北海道)、いわき海星(福島)、益田翔陽(島根)、土佐(高知)

○2012年
女満別(北海道)、石巻工(宮城)、洲本(兵庫)

○2011年
大館鳳鳴(秋田)、佐渡(新潟)、城南(徳島)

○2010年
山形中央(山形)、向陽(和歌山)、川島(徳島)

○2009年
利府(宮城)、彦根東(滋賀)、大分上野丘(大分)

○2008年
安房(千葉)、成章(愛知)、華陵(山口)

○2007年
都留(山梨)、都城泉ヶ丘(宮崎)

○2006年
真岡工(栃木)、金沢桜丘(石川)

○2005年
一追商(宮城)、高松(香川)

○2004年
一関一(岩手)、八幡浜(愛媛)

○2003年
柏崎(新潟)、隠岐(島根)

○2002年
鵡川(北海道)、松江北(島根)

○2001年
安積(福島)、宜野座(沖縄)