日本代表は11日、セルビア代表との親善試合に臨む。セルビア代表を率いる「ピクシー」ことドラガン・ストイコビッチ監督は、…

 日本代表は11日、セルビア代表との親善試合に臨む。セルビア代表を率いる「ピクシー」ことドラガン・ストイコビッチ監督は、対戦する前日の会見だというのに、「私にとって大事な国」という日本へのあふれる愛情を語った。

 練習前の会見は、キャプテンのステファン・ミトロビッチから始まった。日本の報道陣からの質問に、当たり障りのない返答を返していく。セルビア代表で長らく活躍したアレクサンドル・コラロフを思わせる強面で、一度も表情を崩すことなく会見を終えた。

 自分の順番が来るのが待ち切れなかったようにカメラの前に座ったのが、日本でもおなじみのストイコビッチ監督だった。少しふっくらとした体で、「日本に久しぶりに来て、気分は非常に良い。日本は私にとって大事な国。日本の皆さんは私を愛しているし、私も日本を愛している」と、明らかに上機嫌に話し始めた。

 チームが3バックと4バックを併用する理由、セルビア代表の現状などを話していく。今回の来日チームについては、負傷などの理由でベストメンバーではないことを認める。「ミトロビッチ、タディッチ、ミリンコビッチといった攻撃の主力が来ていないのは事実」。そう名前を挙げていったが、若手のFWにチャンスを与えるつもりだと話し、「彼らが力を発揮すれば、セルビア代表として力が落ちることはないと考えている」と断言した。

■「日本代表の4バックは…」

 それ以上にすらすらと選手の名前を挙げる場面があった。日本代表の印象について聞かれた際のことである。

 最初は「日本代表というチーム全体を注意しなければいけない」とはぐらかしたが、再度質問を受けると、話は止まらなかった。

「植田、谷口、室屋、長友の4バックだよね? 橋本を真ん中にして、守田が常に彼のそばにいて、伊東や鎌田、南野もいる。浅野、または原口といった選手たちもいる。このチームは非常にスピードもテクニックもあって、ドリブルが得意な選手もいる。特に右サイドかな? 鎌田も良い選手。南野が左なのか真ん中なのか、始まってみないと分からないが、攻撃的な選手は走るスピードだけじゃなく、パスのスピードにも皆が気をつけないといけないと考えている」

 情報は完璧に頭に入っており、相手選手を背番号ではなく名前で呼ぶのは、さすがは日本での暮らしが長かったストイコビッチ監督というところだろう。

■「戦術的にはアジアも変わりはない」

 さらに、日本、中国で指導者としてのキャリアを積み、本場のヨーロッパで監督をする違いを聞かれた際のことだ。ストイコビッチ監督の日本愛が隠せなくなっていく。

 体のサイズやスピードといったフィジカル面の違いがあることは認めつつ、「戦術的にはアジアも変わりはないと考えている」と、見下すことはない。

「欧州と他の大陸の選手を比べると、フィジカルが一番大きな違いではないかと思う。しかし、日本人はそのハンディキャップを補って余りあるものを持っている。フィジカルのハンディキャップがあるからといって、サッカーができないわけではない。アジアのチームがそういうハンディキャップを乗り越えて、強いチームや大きな選手がいるチームに勝つのが不可能なわけではない」

 もはや、日本に向けてのエールになっていた。

 日本のサッカーについては、結果や順位をチェックするくらいしかできていないと話したが、「全体としては日本のサッカーはやはり進歩している。日本人のメンタリティとして努力するというものがあるからね。年々日本のサッカーは良くなっていると信じている」と語った。「ハイ、ドウモ」「マタネ」。日本語と一緒に笑顔を残して、ストイコビッチ監督は会見を切り上げた。

 キャプテンのミトロビッチなど、セルビア代表には巨躯を誇る選手たちが多い。その強豪チームを相手に何ができるのか、11日は日本代表がストイコビッチ監督にその実力を披露する場でもある。

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