2021年5月28日から6月15日にかけて、サッカー日本代表は男女A代表、U-24合わせ「ドドドド怒涛の9連戦」と題され…
―目立ったのは山根視来ですか?
大住「うーん、山根もミスが多かったしね。やっぱりチームとして悪いと、個人的によかったな、という選手もいないよね」
大住「古橋は、途中からどんどんプレーが雑になったような気がする。思いきりはいいんだけど、そこかよっていう感じのパスが多かった」
後藤「森保一監督自身も、“あちこちのポジションをさせて申し訳ない”、って言っていたよね」
大住「いや……そんなことはありません。だって、試合に出してもらっているんだから。出さなくて申し訳ないなら分かるけどさ」
後藤「そこで、申し訳ない、っていう言葉を使うところが、あの監督の面白いところでもあるんですよ。ヴァヒド・ハリルホジッチじゃあ想像もつかないもん」
大住「だって、記者会見の初めに、勝ったけどミスが多い試合だった、って言ったら、全部私のせいです、って。そこから森保監督は始まったもんね?」
―その最初の一言は、誰が聞いたんですか?
大住「僕です」
■「川辺のよさが出てなかったね」「遠藤と組ませたらいいかも」
―なんと。
後藤「口火を切るのは大住さん、って決まってるんですよ」
大住「あまり個人攻撃はしたくないんだけど、僕の中では橋本拳人は、もっとちゃんとしたプレーヤーだと思っていたのに、プレーは雑だし判断は遅いし、ボールを受けてパッと前につけられないし。そのくせ自分で点を取ろうと、ガンガンと前に出ちゃう。それで川辺が後ろでバランスを取っているんだよね。
川辺というのは、どちらかと言うとパスを出す人ではなくて、動き回ってボールを拾って、そしてペナルティーエリアに入って、っていうタイプの選手で、そこに持ち味がある。けど、今日の組み合わせで、俺はここにいるしかねえよ、っていう感じでバランスを取っていたからさ」
後藤「自分のチームなら、そこは青山敏弘がやってくれる」
大住「そうなんだよね。川辺はものすごく運動量がある選手なんだけど、その良さが出なかった」
後藤「だから、川辺・橋本ではなくて、遠藤航がいる時にあの2人を遠藤と組んで出したら、持ち味をすごく発揮できるかもしれない。この間の札幌の試合(※A代表対U24代表)で、田中碧が後半に出てきて、なんか上手くいかないなという感じだったけど、途中から遠藤が入ってきたとたんに、イキイキとプレーを始めたじゃないですか。
だから、ちゃんとでき上がったチームの中に、今日はこの3人、みたいな感じで新しい人を入れていくと、チームも上手く機能するんだよ。全部を新しい選手にしちゃって、上手くやれっていうのは無理だよ。会見で橋本が出てきて喋っているのを聞いていたら、“川辺と試合前に話してました、今日初めて一緒にプレーするんで”、って言っていましたよ」
■「今回の問題点はボランチだったね」
大住「初めましてって名刺交換するようなものだよね」
後藤「そういうチームにしちゃうと、結局なにもかもね……」
大住「今日はボランチのところが問題で、そこがうまく機能しないから、チームや周りもイライラして、本当にバラバラで寄せ集めのような試合になっちゃったよね」
後藤「たとえば今日、大迫が元気で前にいたとしよう。大迫は前でパスを引き出してくれるから、そしたら、あの2人のボランチも大迫をターゲットに良いパスを出せたかもしれない」
大住「うーん、それはどうかな? たとえば、いまアンダー24には田中碧がいて、ボランチとしては板倉滉もすごくいいと思うんだよね。その2人に及ばない、そんな感じがしたよね、今日のボランチは」
後藤「ボランチから後ろはみんな向こうに行っちゃったから。この間、博多でやった試合(※ガーナ戦)を見たら、後ろのほうは完璧に近かったじゃない。吉田麻也と富安健洋、遠藤と田中碧の4人は、そのままカタールまでやれそうなくらい」
大住「そうなんだよな」
後藤「その中で今日は誰が使えませんよ、誰かがケガしましたよ、っていう時に、1人をはめていくんだよ」
大住「だから守田は良いよね?そういう意味では。守田は良くなった。ただ、それ以上がいないかな、っていう感じ」