メジャー17年目のシーズンへ向けて、フロリダ州ジュピターでキャンプインしたイチロー外野手。所属3年目となるマーリンズでは、伸び盛りの若手選手に大きな影響を与え続けているが、メジャーデビューを目指すマイナーリーガーの選手にとっては、まさに「伝…

メジャー17年目のシーズンへ向けて、フロリダ州ジュピターでキャンプインしたイチロー外野手。所属3年目となるマーリンズでは、伸び盛りの若手選手に大きな影響を与え続けているが、メジャーデビューを目指すマイナーリーガーの選手にとっては、まさに「伝説」の存在となっているようだ。

■メジャーキャンプ参加の23歳アンダーソン、「自分の荷物が出ないように…」

 メジャー17年目のシーズンへ向けて、フロリダ州ジュピターでキャンプインしたイチロー外野手。所属3年目となるマーリンズでは、伸び盛りの若手選手に大きな影響を与え続けているが、メジャーデビューを目指すマイナーリーガーの選手にとっては、まさに「伝説」の存在となっているようだ。

 地元紙「サン・センチネル」は、傘下2Aからメジャーのキャンプに参加し、イチローと隣のロッカーが割り当てられたブライアン・アンダーソン内野手について取り上げている。記事によると、アンダーソンはマーリンズのトッププロスペクト(若手有望株)の野手で、球団全体でも4番目の評価を与えられている逸材。「2017年のどこかで(メジャーに)昇格してくることも考えられる」という。

 アンダーソンは記事の中で、イチローについて「彼は生きる伝説だよ」と明かしている。日米通算26年目のシーズンに突入する43歳のことを「彼はとてもきちんとした人間なんだ」と表現。「自分の荷物が彼のロッカー前に出ないように気をつけているよ」と、クラブハウスでは“細心の注意”を払っているようだ。

 メジャーリーガーと時間をともにするキャンプについては、「みんな親切に僕のことを受け入れてくれている。ここでの知見は何事にも変えがたい。出来るだけそれを吸収していこうと思っている」という。当然、隣のロッカーを使うイチローとも日々、会話が生まれることになる。

■イチローの「最高のチームメート」としてメジャーでプレーできるか

「イチローとの世間話もアンダーソンにとってはこの春に起こる出来事の一つだ。そして、これから先も同様でありたいと願っている」。記事では、このように伝えている。マイナー契約の招待選手が次々と降格となり、日を追うごとにクラブハウスが閑散としていくメジャーキャンプ。厳しい世界で23歳の有望株がどこまで生き残れるのか、注目が集まる。

 もっとも、ドン・マッティングリー監督が「彼に色々と異なることを行わせて、成長を妨げることだけはしないように気をつけている。彼のサードでのプレーを気に入っているし、彼には三塁手として成長していってほしい」と話すように、球団内でアンダーソンに対する期待は大きい。アンダーソン自身は「取り組む姿勢であったり毎日の努力に関しては自分次第だ。もし、チームが僕に外野手としてのプレーを希望するなら、出来る限り頑張るよ。内野の他のポジションに移ることになっても、望むところだ」とも話しているが、レジェンドの“隣”で学ぶ日々は、大きな財産になるはずだ。

 昨年6月15日、敵地パドレス戦でピート・ローズの歴代最多安打記録(4256安打)を超える日米通算4257本目のヒットを放ったイチローは、試合後の会見で「去年このチームに来て、1年一緒にやって、今年メンバーが少し変わったんですけど、チームメートとしては最高のチームメートとハッキリ言える、まぁ“子”たちですよね、もう、年齢差から言えば。本当に感謝してます。彼らには」と話していた。アンダーソンも今季、イチローが絶大な信頼を置く「最高のチームメート」としてメジャーでプレーできるだろうか。