ドミニク・ティーム(オーストリア)にとって、今回の「全仏オープン」は大きなキャリアの分岐点だったのかもしれない。スウェー…
ドミニク・ティーム(オーストリア)にとって、今回の「全仏オープン」は大きなキャリアの分岐点だったのかもしれない。スウェーデン出身のテニスレジェンド、マッツ・ビランデルは大会前にそう語りながらも、ティームは現状を切り抜けられるはずと期待を込めていた。テニス関連ニュースサイトTennis Headが報じている。【スーパープレー動画】ティームの一瞬でバックハンドウィナーを炸裂【ドロー表】錦織圭出場!「全仏オープン」男子シングルス【ドロー表】セレナ、シフィオンテクら出場!「全仏オープン」女子シングルス
ティームは昨年の「全米オープン」で優勝して初のグランドスラムタイトルを獲得し、キャリアにおける大きな目標を達成した。しかしその後、物事は彼にとって良い方向に進んでおらず、キャリアを前進させるどころか、コート上での悪戦苦闘が始まった。
彼自身はこのことを様々な理由を挙げて説明してた。たとえば足や膝の怪我、新型コロナウイルス感染症の流行下での精神的な苦悩、そしてグランドスラム優勝という夢を追うことに注がれた純粋な精神力などだ。
ヨーロッパのスポーツ専門局Eurosportで、ビランデルは自身のキャリアでも同じことが起きたため、彼に何が起こっているかはよく理解できると言いながらも、ティームが苦戦し続ける場合に怒り得る危険について警告した。
ビランデルが語った内容はこうだ。「初めての四大大会優勝を彼の年齢で達成したことの影響だと思うね。間違いなく、何年もの間グランドスラムで優勝することが彼のテニス選手としてのキャリア全体の目標になっていた。彼は史上最高の選手3人と対峙しなければいけないわけだけど、どうにかしてね。アンディ・マレー(イギリス)は3回しか優勝していないけど、彼も入れたら史上最高の選手4人かな」
「そんな中、ドミニク・ティームは急に優勝を果たし、モチベーションを見出しづらくなってしまった。2回目は最初の時ほど魅力的にはなり得ないからね。だから、彼が少しモチベーションを失ってしまうのは普通の状況だと思う」
「“全仏オープン”は完璧なタイミングだ。クレーコートは得意のサーフェスだからね。彼はモチベーションを失ったけど、試合に出て選手として生き続けるためにトレーニングを続けているかどうかだけが問題だ。さもなければ、スポーツ選手として死を迎えることになる」
「彼は正しいモチベーションを持ってトレーニングをしてきたかな?これは僕自身が1988年以降になんとかそうすることに成功したという経験から語っているだけだけどね。僕は同じようにトレーニングを続けていたけど、来る日も来る日も試合で勝つためのモチベーションはもう持っていなかった。でも、彼は今これと格闘しているんだと思う」
「我々は彼をノバク・ジョコビッチ(セルビア)、ロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)たちと比べている気がする。彼らのモチベーションは天井知らずだ。彼らは互いを助け合っている。幸運なことに彼らにはお互いの存在がある」
「ドミニクは自然な前進の過程にあると思う。もし“全仏オープン”で結果を出せなければ、あらゆる面で少しずつ状況が悪くなり始めるのかどうか、注目したい。今こそ恐れずにまた挑戦する時だ。まだ遅くはない」
だがビランデルの期待をよそに、ティームは過去2回準優勝を遂げた「全仏オープン」で、世界68位のパブロ・アンドゥハル(スペイン)から最初の2セットを奪ってリードしながらフルセットの末に逆転を許し、初めての初戦敗退を喫してしまった。全米王者ティームの苦悩はどこまで続くのだろうか。
(テニスデイリー編集部)
※写真は「全米オープン」でのティーム
(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)