東京五輪が予定どおりに開催されれば、野球競技は7月28日にオープニングラウンドが始まる。そこでスポルティーバでは、鋭い…
東京五輪が予定どおりに開催されれば、野球競技は7月28日にオープニングラウンドが始まる。そこでスポルティーバでは、鋭い視点を持つ野球評論家に「最強の侍ジャパン」を選んでもらった。今回登場するのは50歳まで現役投手として投げ続け、通算219勝を挙げたレジェンド・山本昌氏(元中日)。
山本昌氏は「この選手も入れたいなぁ」「彼は本当にいい選手なんだけどなぁ」と、悩みに悩んだ末に24名のメンバーを選出した。レジェンドが認める24人の精鋭を紹介していこう。

現在、セ・リーグ防御率トップの中日・柳裕也
【先発投手】
柳裕也(中日/右投右打)
田中将大(楽天/右投右打)
大野雄大(中日/左投左打)
森下暢仁(広島/右投右打)
宮城大弥(オリックス/左投左打)
【中継ぎ】
平良海馬(西武/右投左打)
又吉克樹(中日/右投右打)
中川皓太(巨人/左投左打)
岩崎優(阪神/左投左打)
【抑え】
松井裕樹(楽天/左投左打)
山本由伸(オリックス/右投右打)
MLB組が来られず、大物投手が故障している現状では、柳が1番手かなと感じます。今季の安定感は目を見張るものがあり、とくにチェンジアップの抜けがよくなっています。カットボールのキレもいいし、空振りを多く取れるようになっていますね。
田中将はまだ本調子とは言えませんが、投手陣の精神的支柱になってもらいたい期待を込めて入れました。若い投手陣になるので、調整法や精神面などアドバイスを送ってほしいなと。
大野雄は今季やや出遅れたものの、再調整して戻ってきてからの状態は問題ありません。森下は2年目ながら安定感のある投球をしているので、入れたいと考えました。
宮城は19歳ですが、今の投球を見ていると日本代表にふさわしいと感じます。パ・リーグ防御率2位(6月4日現在)と勢いに乗っていますし、スピードガンの表示以上に速く見える球質があります。外国人の強力な左打者を抑えるためにも、彼のような左腕は必要です。
リリーフでは松井に、山本を加えて左右のダブルストッパーを形成してもらいたい。山本はオリックスでは先発ですが、抑えの適性もあります。はまった時のボールは、世界でも十分に通用するでしょう。
中継ぎ右腕は、ストレートで空振りを取れる平良、安定感の出てきた又吉を。又吉は今まで力んで投げていたのが、リラックスしてリリースにつなげられるようになっています。コントロールがよくなっていますし、貴重なサイドスローという個性を生かしてもらいたいですね。
中継ぎ左腕は中川と岩崎を選ばせてもらいました。とくに中川はブルペン陣に必要だと感じます。左の強打者に対して、外に逃げていくスライダーを高い精度で投げられる。左腕が少し変則的な角度から出てきて、岩瀬仁紀(元中日)に近いところもあります。
【野手スタメン】
1番 ④ 菊池涼介(広島/右投右打)
2番 ⑧ 柳田悠岐(ソフトバンク/右投左打)
3番 ⑦ 吉田正尚(オリックス/右投左打)
4番 ⑨ 鈴木誠也(広島/右投右打)
5番 ③ 村上宗隆(ヤクルト/右投左打)
6番 ⑤ 大山悠輔(阪神/右投右打)
7番 DH 浅村栄斗(楽天/右投右打)
8番 ② 森友哉(西武/右投左打)
9番 ⑥ 源田壮亮(西武/右投左打)
【控え野手】
捕手 梅野隆太郎(阪神/右投右打)
内野手 周東佑京(ソフトバンク/右投左打)
内野手 今宮健太(ソフトバンク/右投右打)
外野手 栗原陵矢(ソフトバンク/右投左打)
国際大会では、今まで日本で見たことがないような投手が出てきます。とくに左投手にそんな印象があり、同じ人間とは思えないほど体の大きな投手や、奇妙な曲がりの変化球をもっている投手も出てきます。
日本代表に選ばれるだけの左打者なら、本来は左投手を苦にしない打者ばかりです。でも、初見では打ち崩すのが難しい投手も登場してくるだけに、なるべく左打者を並べずに右打者とジグザグに打線を組めるのが理想です。
捕手は打力の高い森を正捕手、守備力が高くて勝負強い梅野をバックアップに。守備力を考えると、甲斐拓也(ソフトバンク)や木下拓哉(中日)も捨てがたい人材です。
内野陣では、坂本勇人(巨人)の右手親指骨折による離脱が非常に痛いです。日本の野手陣は左の強打者が多いなか、貴重な右打者で守備力も高い。本来であれば、2番・遊撃に入れたい選手でした。
一塁手には経験があって貴重な右打者の浅村か、若くてさらなる成長が見込める村上。今季状態がよく、守備面で欠かせない菊池を二塁に。守備力と走力、侍ジャパンでの経験を買って源田を遊撃に。バックアップの遊撃手として、守備力の高い今宮を入れました。
三塁手は岡本和真(巨人)と迷った末に、大山を選ばせてもらいました。彼の長所は打率を残せる上に、長打も打てる点。三塁守備も安定していますし、侍ジャパンにとって大きな戦力になるはずです。
外野陣は吉田正、柳田、鈴木誠、栗原の4人は「絶対に外せない」と真っ先に入れました。吉田正、柳田、鈴木誠は打線の中軸として、欠かせない戦力です。
栗原は私がとくに買っている選手です。非常時に「第三の捕手」としての役割をこなせる上に、打者としての能力も急激に上がっている。ボール球に手を出さない選球眼のよさがあり、難しいボールをカットできますから。
代走要員として周東のような走れる選手もほしいですね。外国人投手はクイック動作が大きいので、盗塁しやすいですから。無死一塁のチャンスを無死二塁に、うまくいけば無死三塁まで広げられるランナーがいるのは大きいです。
12球団から最低1名は選びたかったのですが、迷った末に今回の24名を選出させてもらいました。DeNAなら代打の切り札になりうる佐野恵太、ロッテなら今季調子がよくパンチ力のある打撃が魅力の中村奨吾、日本ハムなら打撃技術が高い近藤健介も本当なら入れたかった選手たちです。
いずれにしても、侍ジャパンに選ばれる24名はすばらしい選手になることは間違いありません。日本を代表する精鋭たちの活躍を楽しみにしています。