春のマイル王を決めるGI安田記念(東京・芝1600m)が6月6日に行なわれる。 前評判からすると、昨年の最優秀短距離馬…

 春のマイル王を決めるGI安田記念(東京・芝1600m)が6月6日に行なわれる。

 前評判からすると、昨年の最優秀短距離馬で、前走のGIヴィクトリアマイル(5月16日/東京・芝1600m)を圧勝したグランアレグリア(牝5歳)が断然の人気を集めそうだ。だが、過去のレースを振り返ってみると、ひと筋縄ではいかないレースであることがよくわかる。

 JRA史上最多のGI通算9勝を誇るアーモンドアイですら、圧倒的な人気を集めた一昨年、昨年ともに3着、2着と苦杯を舐めている。さらに、過去10年の結果を見てみると、3連単では10万円超えの高配当が6回もあり、8番人気以下の伏兵がしばしば馬券圏内(3着以内)に絡んでいるのだ。

 だとすれば、今年も伏兵馬の台頭に期待して、オイシイ馬券を狙ってみるのも悪くない。そこで、過去10年の結果を参考にして、今回の安田記念で躍動しそうな"穴馬"をあぶり出してみたい。

 まず目につくのは、"人気落ちGI馬"の激走だ。

 2012年に13番人気で、2014年には16番人気で2着に入ったグランプリボスをはじめ、2016年に8番人気で1着、2017年にも8番人気で2着となったロゴタイプ、2018年に5番人気で、2019年には3番人気で2着となったアエロリットらがいい例となる。

 ということで、今年も人気落ちが予想されるGI馬は狙い目。そして、1番人気と目させるグランアレグリアの単勝オッズが1倍台になると考えると、同馬以外の出走予定のGI馬はそのほとんどが候補となり得る。

 インディチャンプ(牡6歳)、サリオス(牡4歳)、シュネルマイスター(牡3歳)、ダノンプレミアム(牡6歳)、ラウダシオン(牡4歳)がそうだ。いずれも魅力的な存在ではあるが、ここからもう少し候補馬を絞り込みたい。



「打倒グランアレグリア」の期待がかかるインディチャンプ

 改めて過去の結果を見てみると、いわゆる"リピーター"の活躍が際立っていることに気づく。そうなると、一昨年のレースで勝利を飾って、昨年も3着と奮闘したインディチャンプは外せない。

 一昨年は秋のGIマイルCS(京都・芝1600m)も制して、マイルGIの春秋連覇を遂げた同馬。マイル実績はずば抜けており、前走のGI高松宮記念(3月28日/中京・芝1200m)では初のスプリント戦にもかかわらず3着と好走して、いまだその実力に衰えがないことを証明して見せた。一発の可能性は大いにある。

 また、過去の例に挙げた3頭のうち、グランプリボスとロゴタイプはGI朝日杯フューチュリティS(中山・芝1600m。※現在は阪神・芝1600m)の勝ち馬だった。今回、このタイプに当てはまるのは、サリオスとダノンプレミアムである。

 当然、この2頭も有力な激走候補となるが、より好配当を狙うのであれば、上位人気が予想されるサリオスよりも、ダノンプレミアムのほうに食指が動く。グランプリボスやロゴタイプもかなりの人気薄で捲土重来を果たしていることを考えれば、なおさらだ。

 さて、安田記念では"上がり馬"の健闘も目立っている。

 2011年に5番人気で2着となったストロングリターンは、1600万下(現3勝クラス)の難波S(阪神・芝1800m)、GII京王杯スプリングC(東京・芝1400m)と連勝しての参戦で、2015年に1番人気で勝ったモーリスも、1000万下(現2勝クラス)の若潮賞(中山・芝1600m)、1600万下のスピカS(中山・芝1800m)、GIIIダービー卿チャレンジトロフィー(中山・芝1600m)と3連勝中だった。さらに、同年の2着馬ヴァンセンヌ(3番人気)も、500万下(現1勝クラス)から重賞まで4連勝を飾って、前走の京王杯スプリングCでも2着と好走していた。

 加えて、2018年に9番人気で金星を挙げたモズアスコットは、前年に未勝利から4連勝でオープン入り。その後、重賞やオープン特別で善戦を重ねたあと、GI制覇。先に触れたインディチャンプも、2019年の安田記念を勝つ前は、1000万下からGIIIまで3連勝。前走のGIIマイラーズC(京都・芝1600m)で4着となったあとの戴冠だった。

 こうした例から、今年も下級クラスからの上がり馬は無視できない。このタイプとして浮上するのは、カラテ(牡5歳)だ。

 同馬は、昨年12月に2勝クラスを勝ち上がり、年が明けて3勝クラスの若潮S(1月10日/中山・芝1600m)を完勝。前走のGIII東京新聞杯(2月7日/東京・芝1600m)で重賞初制覇を決めた。

 今回はそれ以来の一戦となるが、勢いは十分で、過去の上がり馬たちとかぶる。初のGIの舞台となるが、大駆けがあっても不思議ではない。

 東京マイルと言えば、かつては「実力がモノをいう舞台」とされて人気馬が安定した結果を残してきたが、ここ10年の安田記念は波乱の連続である。ならば今年も、大本命グランアレグリアにひと泡ふかせる存在が登場しておかしくない。それが、ここに挙げた面々の中にいるかもしれない。