歴史ある国内リーグJBCFシリーズの中で、最上位に位置するリーグ戦である「Jプロツアー」の第3戦が、広島中央森林公園において3月27日に開催された。翌日、同会場で第4戦も開催される2連戦の形式だ。「広島さくらロードレース」の大会名通り、美し…

歴史ある国内リーグJBCFシリーズの中で、最上位に位置するリーグ戦である「Jプロツアー」の第3戦が、広島中央森林公園において3月27日に開催された。翌日、同会場で第4戦も開催される2連戦の形式だ。「広島さくらロードレース」の大会名通り、美しい桜の下で展開されるレースとなった。
初日のDay-1は、広島中央森林公園の1周12.3kmのコースを6周する73.8km。ロードレースとしては距離が短いので、ペースの速い展開が予想された。



スタートラインにつく選手たち。岡田吉弘三原市長とともに

スタートラインでリーグ戦の首位であることを示すプロリーダージャージを着るのはホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)。U23のリーダージャージを着るのは川野碧己(弱虫ペダルサイクリングチーム)だ。



レーススタート。序盤から激しい展開になった

スタート直後からアタック合戦が始まる。



フェンストンネルでアタックがかかる

2周目に11名の集団が先行。ここには、初戦で勝利しているフランシスコ・マンセボ(マトリックス・パワータグ)が入っており、鈴木譲、渡邉歩(以上、愛三工業レーシングチーム)、徳田優(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、中井唯晶(シマノレーシング)と、強豪チームは選手を送り込み、さらには、昨年U23のリーダージャージを守り抜いた弱虫ペダルサイクリングチームから井上文成が入るほか、大町健斗(eNShare レーシングチーム)、冨尾大地(CIEL BLEU KANOYA)、さらに若手育成チームから、平井光介(EQADS)、山田拓海、留目夕陽(JCF強化指定選抜チーム)らも滑りこみ、一通りのメンバーが揃う形になった。ここでレースはいったん落ち着き、メイン集団との差は30秒以上まで開く。



11名の先頭集団。一通りの主要チームはメンバーを送り込んでいた

動きが生まれたのは3周目。一昨年の全日本チャンピオンであり、昨年は世界の最高峰チームNTTプロサイクリングに所属していた入部正太朗(弱虫ペダルサイクリングチーム)、リーダージャージを着るトリビオを含む9名の追走集団が形成されたのだ。ここにはシマノレーシング、愛三工業、ブリヂストン、マトリックス、JCF強化指定選抜の選手らも入っていた。



9名の追走集団。ここにも一通りの主要チームのメンバーが入っていた



積極的に集団を牽引するJCF強化指定選抜チーム

11名の先頭集団はJCF強化指定選抜チームの留目と山田らが中心となって牽引し、1周17分台という速いペースでコースを回る。追走集団も追うが、差は縮まらない。



追走集団は先頭との差を思うように縮められなかった

そのあとも差は縮まらず、最終周回にはメイン集団が追走のメンバーを吸収した。先頭集団は、後続に2分以上の差をキープしており、この集団の中での優勝争いとなることが決定的となった。



最終周回、上りで加速するフランシスコ・マンセボ

ラスト4km。上りの中でマンセボがアタック。一気に加速すると、集団内のメンバーを全て引き離し、独走のままゴールに飛び込び、第3戦にして、今季2勝目を上げたのだった。



独走に入り、そのまま単独でフィニッシュラインを越えたマンセボ

マンセボは、世界最高峰のレース、ツール・ド・フランスでも、個人総合で4位という成績を収めた経歴を持つ。この3月に45歳になった大ベテランだが、レース勘だけでなく、パワーも衰えることがない。この日もまた、圧倒的な存在感を示したのだった。



早くも今季2回目の勝利を収めたマンセボ

2位争いは井上文成(弱虫ペダルサイクリングチーム)が制している。

この日先頭集団に入り、すばらしいペースで集団を牽引したJCF強化指定選抜チームの留目と山田に敢闘賞が贈られた。
プロリーダージャージはマトリックス・パワー・タグチーム内でトリビオからマンセボに移動し、U23リーダージャージは4位に入った平井光介(EQADS)の手に移った。



敢闘賞を獲得した留目夕陽、山田拓海(JCF強化指定選抜チーム)



プロリーダージャージを着るマンセボとU23リーダージャージの平井光介(EQADS)



先頭集団の前方でペースを作る平井、留目、山田選手。育成チームで経験を積む若手選手の健闘が目立った

翌日には、同じ会場で周回数を変え広島さくらロードレースDay-2が開催される。

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【結果】広島さくらロードレースDay-1 73.8km
1位/フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)1時間45分50秒
2位/井上文成(弱虫ペダルサイクリングチーム)+9秒
3位/平井光介(EQADS)+9秒
4位/留目夕陽(JCF強化指定選抜チーム)+9秒
5位/徳田優(TEAM BRIDGESTONE Cycling )+11秒
6位/大町健斗(eNShare Racing Team)+16秒

【中間スプリント賞】
平井光介(EQADS)

【山岳賞】
留目夕陽(JCF強化指定選抜チーム)

【敢闘賞】
留目夕陽(JCF強化指定選抜チーム)、山田拓海(JCF強化指定選抜チーム)

【Jプロツアーリーダー】
フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)

【U23リーダー】
平井光介(EQADS)

画像提供:一般社団法人 全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)