2日、日本代表の森保一監督が、翌3日に迫ったU-24日本代表との一戦に向けた前日会見に臨んだ。 日本代表は、キリンチャレ…

2日、日本代表の森保一監督が、翌3日に迫ったU-24日本代表との一戦に向けた前日会見に臨んだ。

日本代表は、キリンチャレンジカップ2021でジャマイカ代表と3日に対戦予定だったが、新型コロナウイルス(COVID-19)のPCR検査に関してジャマイカ代表の選手の陰性証明書に不備が見つかり来日できず。その結果、中止の判断が下された。

その代替試合として、日本サッカー協会(JFA)は日本代表とU-24日本代表のチャリティーマッチを行うことに決定。U-24日本代表としては急遽の試合となったが、ジャマイカ戦以上の注目を集める対決となった。

森保監督は、今回の一戦に向けて会見に出席。日本代表の指揮官として、ジャマイカとの対戦がなくなったことを残念がりながらも、札幌の地で試合を行うことができたことをポジティブに捉えていると語った。

「ジャマイカ戦を楽しみにしていた部分はありますし、選手も相手を想定して試合の準備をしていたと思いますので、その試合ができなくなったことにおいては残念なところはありますが、U-24と試合ができることについては、活動がなくなってしまうことにならず、テレビの中継も継続してやってもらいますし、チームの強化という部分では対戦相手は変わりましたけど、試合はできるということを非常にポジティブにしています」

今回の試合だが、森保監督の初陣は2018年9月7日のチリ代表戦。会場は同じ札幌ドームだった。しかし、前日6日の未明に北海道胆振東部地震が発生。最大震度は7となり、停電やライフラインが確保できないことから、試合が中止に追い込まれていた。

森保監督は当時のことを振り返り、今回再び試合が中止になる可能性があった中、チャリティーマッチとして実施できることで、3年前の恩返しをしたいと語った。

「今回北海道で札幌ドームで試合をさせていただきますが、実は過去を振り返ると、2018年の9月に私の代表監督としての初戦となるチリとの試合がここ札幌で行われる予定でしたけど、地震で試合ができなくなりました。胆振東部地震だったと思います」

「試合がなくなりましたが、地震当日から停電や生活がストップした中で、ホテルの中で何不自由なく生活させていただきました」

「我々が泊まったホテルは自家発電で問題なかったですが、その中でご飯も食べさせてもらいましたし、生活に我々が不自由することはなくサポートしてもらいました」

「練習もさせてもらいましたし、地震後のホテルの従業員さんや北海道サッカー協会のみなさん、北海道民の皆さんに手厚くサポートしていただいたことが心に残っています」

「また改めて試合をする機会が札幌にあれば、そこに戻ってきて感謝を伝えたいと思っていましたし、サッカーを通して恩返しができればなと思っていました」

「当時は地震があって、従業員の皆さんも協会の皆さんも、自分の家のことや家族のこと、大切な人のことを心配しなければいけない状況だったと思いますが、不安な顔を一切見せることなく、我々をサポートしていただいたことは心に残っています」

「改めて北海道の地でご冥福をお祈りして、被災された方の傷は癒えていないと思いますし、札幌で祈りを捧げたいと思います」

今までに例を見ない日本代表同士の対決。さらにトレーニングマッチなどではなく、地上波でも中継される大きなイベントとなった。

この試合について森保監督はいつも通り勝利にこだわるとコメント。U-24日本代表にもそれを求めると語った。

「勝つために戦ってもらいます。負けるということは考えていないですし、勝つために戦って欲しい。勝つために自分の力を100%発揮するためにチームが団結して、100%を出すということを伝えたいと思います」

「試合だから勝ちに行くということだけでは日々過ごしていないです。練習から1つ1つの局面で選手たちはバトルを繰り広げて、激しく、厳しく、対面する選手に勝って行こうと思っていますし、ゲームやミニゲームでもみんな勝ちにこだわってプレーしています」

「そこは僕も練習の中から強調して言っていますし、トレーニングから勝つことにこだわって、お互いが激しく厳しくプレーする。そこでクオリティを上げて、試合に良いエネルギーを作って向かっていくことを選手は日々やっていますので、試合に勝ちに行くことは伝えていますが、普段からの延長上で明日も戦って欲しいなと思っています」

「勝ち負けはA代表とU-24の戦いで出てきますし、両方とも勝ちにこだわってプレーして欲しいと思いますけど、A代表の方にプレッシャーはあると思います。いつも感じているところだと思いますが、直近の試合も勝って当たり前の試合では勝つためにやっているんだと思ってくれているので、その思いを明日もぶつけて欲しいです」

「U-24の選手たちも目の前の大きな大会としてオリンピックで結果を残すことを目指していますが、目標の先にはA代表でポジションを掴む、結果を出すと言うことがあると思うので、U-24の選手たちにはギラギラしたものをぶつけて欲しいと思いますし、A代表の選手たちは受け止めるのではなく、自分たちが持っているものを出すこと、チームと自分の価値を高めることを出して欲しいと思います」

「すごく良い試合ができると思いますし、1チーム2カテゴリーの戦いなので、激しく、厳しく、同じコンセプトの中で戦っていると思いますし、チームとしての方向性が同じ中、切磋琢磨しているところを試合で感じてもらえればと思います」

「見たくないことは同じチームと日本人同士の対決で、傷つけ合うことはないと思います。激しく、厳しくと境界線は難しいですが、クリーンに、選手たちにはいつも言っていることをやって欲しいと思います」

今回の対戦を決めた中で、U-24日本代表は5日に福岡でのU-24ガーナ代表選が控えるが、中1日で移動を伴う超過密日程となった。

森保監督はデメリットもあることを認めながら、メリットの方が大きいと語った。

「デメリットという点では、U-24は元々は明日移動だったと思うんですけど、試合に向けたトレーニングをして、オーバーエイジ(OA)とオリンピック世代の融合を図って試合に向けたエネルギーを作っていくと思うので、そこは横内監督には申し訳ないなと」

「ただ、この試合をやることのメリットは大きいのではないかということを話しましたし、何よりもこの試合というか、ジャマイカ戦がなくなって、日本のサッカーとしてはピンチな状況になったと思います。ジャマイカ戦もそうですし、普段の我々の試合や活動の環境づくりをしてくださる多くの関係者がいますが、ジャマイカ戦も多くの方の尽力や努力で試合ができるようになりましたが、コロナ禍で試合をすることでアクシデントに見舞われたと思っています」

「普段我々が活動できるのは、試合ができないことで難しい状況になっていることを、我々がA代表とオリンピック代表で試合をすることで我々の強化にもつながりますし、試合の環境を作ってくれた方々に恩返しができる機会になるのではないかということで、U-24の選手たちやスタッフに申し訳ない部分はありますが、今日本のサッカーチームとして環境づくりをしてくださっている方と我々でピンチを乗り越える。このピンチが次のチャンスになるというような捉え方でやっていければと横内さんと話しました」

日本代表としては、DF吉田麻也(サンプドリア)、DF酒井宏樹(マルセイユ)、MF遠藤航(シュツットガルト)の3名がOAとしてU-24日本代表に参加。さらに、DF冨安健洋(ボローニャ)などA代表に定着しているメンバーも抜けたことで、簡単な戦いにはならない。

「いわゆるミャンマー戦からチームが2つに分かれて、新たな選手が入ってきて、A代表の活動、U-24の活動ができるという部分は、チームの底上げにできる活動ができると思っています」

「実はA代表とオリンピック代表と活動が違う中での対戦となりますが、1チーム2カテゴリということでは、違うチームの対戦ですが、同じチームで対戦しているとも思っています」

「我々が普段から幅広く選手たちを見ながら、可能性のある、力のある選手たちはたくさんいるので、そういった選手たちを招集させてもらいながら、チームの底上げをする。ベースをより広く強固にしながら、頂点の最強のチームを作っていくというところで、今回は非常に良い活動ができると思っています」

「OAがいなくなったりとか、U-24の選手もA代表に定着している常連組になっている選手は何人もいますので、その選手がいなくなることはもちろんチームにとっても痛いことですけど、やれる選手、力を持った選手はたくさんいると思いますし、今後の活動を見据えた上でも、これまでを振り返っても、計算できる選手が計算通り、プラン通り試合に出られることにはならないと思います」

「これまでレギュラークラスとして戦ってくれた選手たちがいなくなった時に、他の選手たちが良い経験を積んでくれて、力を上げてくれる。チームとしてのレベルアップにつながるということで、全てポジティブに考えて活動していきたいと思っています」

今回はチャリティーマッチとなり、投げ銭システムが導入されることに。集まった募金は、医療従事者に向けて寄付されることとなる。森保監督は最後に試合を観るファン・サポーターに向けてメッセージを送った。

「我々は札幌に拠点を置かせてもらい、札幌ドームで試合を行わせてもらいますが、緊急事態宣言かであるということで、東京で活動していても、これから大阪や兵庫に移動して試合をさせていただくことになりますが、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置など、コロナの制限が全国的にある中で特別に試合をさせていただけると認識していますし、それを理解して活動しています」

「なんで活動させてもらえるかというと、サッカーを通じて社会に貢献できる、やらなければいけないということで活動させてもらっていると思います。コロナ禍で医療従事者を含めて、たくさんの方々がコロナと戦い、日々大変な生活を送っていると思います」

「チャリティーを通して、多くの方々に寄付をいただくことによって、集められたお金が大変な生活をされている方、コロナと戦っている方々に届くようになれば嬉しいなと思っています。コロナ禍で大変な生活を送られている方々はいると思いますし、コロナだけでなく近年は自然災害等々でも色々な困難に国民の皆さん、各地方地域の皆さんは苦しんでおられると思っています」

「全国的に日本代表として想いを馳せていかなければいけないと思いますが、色々な地方都市でプレーさせてもらう、試合をさせてもらう中で、全国的なことを考えながらも、試合をさせてもらえる土地で何ができるかを考える機会とさせてもらい、その土地土地で励ましのメッセージを受け取ってもらえるようにサッカーをしたいと思います」

「私が記憶している中、手厚くサポートしていただいた2018年の北海道胆振東部地震で亡くなられた方々に北海道の地でご冥福のお祈りを捧げたいと思いますし、心が傷ついている方々、暮らしが元に戻っていない方々が早く戻っていただけるように、祈りを捧げる機会にしたいと思います」

「復興に頑張っている方々にもメッセージを届けられたらと思います。地域に行った時に、地域の皆さんに少しでも元気や勇気を届けられるように、励ましのメッセージを送れる試合をしたいと思います」

日本代表vsU-24日本代表の“兄弟対決”は3日の19時30分より札幌ドームで無観客にて行われる。