テニスの世界ランキング5位、22歳のステファノス・チチパス(ギリシャ)がパリで絶対に避けたいのは、先走りし過ぎることだ。…

テニスの世界ランキング5位、22歳のステファノス・チチパス(ギリシャ)がパリで絶対に避けたいのは、先走りし過ぎることだ。シーズン末の「Nitto ATPファイナルズ」に出場する8人の選手を決める「レース・トゥ・トリノ」で現在1位につけるチチパスは、今季の試合勝利数でも33勝でトップに立っている。そのチチパスは「全仏オープン」(フランス・パリ/5月30日~6月13日/クレーコート)の男子シングルスで、ドロー表の下半分を勝ち抜いて決勝に進出する有力候補と目されているが、彼自身は必ずしもそうは見ていない。「全仏オープン」公式ウェブサイトが報じている。【ドロー表】錦織、チチパスら出場!「全仏オープン」男子シングルス【スーパープレー動画】チチパスの超絶スピン ドロップショット【関連記事】チチパスが日本の11歳少女に優勝を捧げる

優勝を果たしたリヨンで、チチパスは「全仏では自分が優勝候補ではないつもりでプレーしたい」と語り、他の選手にとって脅威といえるほどの好調のままグランドスラムに臨むことに避けられず付いてくるプレッシャーを和らげたい意思を明確に示した。

パリでこの発言について質問されたチチパスは、自分はサプライズが大好きなのだと認めた。「第一に、プレーする時はいつだって、その大会のサプライズになりたい。僕が一番好きなのはそのことなんだ」とチチパス。

今年の「全仏オープン」ではドロー表の下半分に入り、「クレーの王者」ラファエル・ナダル(スペイン)や、2016年の覇者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)とは違う側になったため、大会が始まってもいない段階で、チチパスが初のグランドスラム決勝進出を果たす可能性は劇的に高まった。

ジョコビッチやナダル、そしてロジャー・フェデラー(スイス)が皆ドロー表の上半分に押し込まれたことは、チチパスにとって嬉しい知らせであるが、そのことについてはあまり考えたくないようだ。今回の奇異なドローについて、チチパスは笑顔で「ようやくだね。たまにはいいだろう」と語った。

決勝までナダルやジョコビッチとの対戦について心配する必要はないものの、どちらの選手にも恐れを感じてはいないとチチパスは明言。「僕は彼らのうちの誰とでも対戦する用意があるし、対戦を楽しみにしている。恐れるべき理由は一つも見当たらない。彼らは素晴らしいプレーをするかもしれないけど、僕も素晴らしいプレーをするかもしれない。彼らとの試合1つ1つが、僕にとっては自分を最高レベルに引き上げる機会になる。だから、最高の試合をする準備はできているよ」

恐れもなく、プレッシャーもない。多くの選手が口先では言うべきことを言うが、チチパスは自分の実行力に自信を持った選手だという印象を与える。

チチパスは今シーズン、クレーでの前哨戦で19試合に出場し16勝を挙げ、2つのタイトルを獲得しており、「全仏オープン」での腕試しには完璧に準備が整った状態にある。「ATP500 バルセロナ」決勝でナダルに対してマッチポイントを握った後に敗れるという手痛い敗戦でさえ、彼には好材料だろう。

「自分のゲームの感覚がよく得られているし、自分のパターンをとてもうまく使えている。それに、サーブでかなりのプレッシャーをかけることができている。コート上で安定したプレーをすること、パワーや攻撃の仕方、リスクのとり方において、安定したプレーをするだけさ」

大会を前に「全米オープン」覇者で2度の「全仏オープン」準優勝に輝いているドミニク・ティーム(オーストリア)と練習したチチパスはこう語った。「グランドスラム前の準備としては過去最高と言っていいと思う。今は本番に全ての注意を向けて、集中しているよ」(残念ながらティームは1回戦敗退となってしまったが。)

2週間の大会期間中に会場を訪れるファンにとっては、チチパスが勝ち上がることは驚きではないかもしれない。だが、本当に重要なのは彼自身がどのように受け止めているかだ。昨年は準決勝まで進出し、フルセットの末にジョコビッチに敗れたチチパスは、観衆を驚かせる確かな方法があることを心得ている。「準決勝より上まで勝ち残れば、サプライズになるんじゃないかな。そうだろう?」

1回戦で元世界25位のジェレミー・シャルディ(フランス)に7-6(6)、6-3、6-1で勝利したチチパスは2回戦で、1回戦で世界50位のセバスチャン・コルダ(アメリカ)を破った世界103位のペドロ・マルティネス(スペイン)と対戦する。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全仏オープン」でのチチパス

(Photo by Adam Pretty/Getty Images)