【明治安田J1リーグ 第17節 横浜F・マリノスvs清水エスパルス 2021年5月30日 13:03キックオフ】 1-1…
【明治安田J1リーグ 第17節 横浜F・マリノスvs清水エスパルス 2021年5月30日 13:03キックオフ】
1-1のまま終盤戦に突入した77分、両チームは同時に選手交代を行った。
清水がセンターバックのヴァウドを立田悠悟に代え、西澤健太とディサロ・燦シルヴァーノがプレーすることなく試合を終えることになったのに対し、マリノスは前田大然以外の前線3人を一気にリフレッシュ。エウベル、オナイウ阿道、マルコス・ジュニオールを仲川輝人、天野純、レオ・セアラとし、最後の猛攻に備えた。
結果的にこの試合は、自分たち本来の姿を保って相手を上回ろうとし続けたアンジェ・ポステコグルー監督が勝利を手にすることになった。
85分に前田を水沼宏太に代えると、89分に水沼のクロスからセアラが勝ち越しゴールを決めて勝負あり。「ただ慌てず、気を抜かず、やるべきことができた」と語る指揮官の言葉通り、終盤戦でも選手たちがいつも通りの振る舞いを続けることができたことが、勝ち点3をもたらした。
■清水と異なる試合スタイル
77分の交代の光景そのものも、1人と3人、センターバックとアタッカー、と対照的なものだったが、アタッカーを入れ替えた72分の清水の交代と比べてもそうだった。
ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督は72分、カルリーニョス・ジュニオとチアゴ・サンタナを下げて中山克広と鈴木唯人を投入。マリノスにボールを支配されている中で、彼らにはサイドに流れながら単独で活路を見出していくことが期待された。試合状況に合わせてリスクマネジメントを考慮しつつ突破口を見つける位置を変化させようとした清水と、相手に関係なく自分たち本来のやり方を貫き通したマリノス。
これはどちらがベターかということではなく、両監督の性質の違いによるものだ。
ただし、マリノスが最終盤でもいつも通りに振る舞えるのはなぜか、ということをこの交代後のプレーから読み取ることはできる。
それまでとは狙いを変えて打開を図った清水だったが、畠中槙之輔を筆頭にマリノス守備陣が個の部分でしっかりと対応してみせたことで、プランBは失敗に終わった。
良い攻撃は良い守備から、ということはよく言われるが、これもまさにそういうことだ。
変化してきた相手にも、個でしっかり対応できる守備陣がいるからこそ、マリノスは最後の最後で焦らずに結果を手にすることができた。
■清水は相手にとって非常な脅威に……
劇的な結末をもたらしたポステコグルー監督の采配や、途中投入された選手たちを支えているものは明確だ。セアラが戦術理解について「どのような相手であれ同じサッカーをするので分かりやすい」とコメントしているように、チームの姿勢を常に保つこと自体を可能にしている根本は、後方にある上質な個の力だ、ということを改めて示した試合だった。
最後の最後でマリノスの圧に屈してしまった清水だが、5月19日のルヴァンカップで5-1という大敗を喫したことで戦い方を変え「最後の20分以外は全ての局面で、トランジションだけでなく、攻撃、守備も、自分たちが思っているようなプレーができた」とロティーナ監督は語った。
終わってみれば、これぞポステコグルー・マリノス、という印象が強く残る結末ではあったものの、試合の中で狙いを変えていくだけでなく、リターンマッチに際して4バックを5バックにしたりプレスの強さを変えたりと、大きく変化して最後までマリノスを苦しめた。
中断期間を挟んで2巡目の対戦となっていくことを考えると、臨機応変の清水は相手にとって非常に厄介なチームになることは間違いない。
■試合結果
横浜F・マリノス 2-1 清水エスパルス
■得点
4分 エウベル(横浜F・マリノス)
41分 チアゴ・サンタナ(清水エスパルス)
89分 レオ・セアラ(横浜F・マリノス)