池江璃花子 東京五輪の開催を控え、各競技で次々と五輪代表内定選手が決まっている。その選手たちの中でも特にドラマティックな復活で内定を掴み、注目を集めたのが競泳の池江璃花子だろう。レースの度に調子を上げているだけに、6…


池江璃花子

東京五輪の開催を控え、各競技で次々と五輪代表内定選手が決まっている。その選手たちの中でも特にドラマティックな復活で内定を掴み、注目を集めたのが競泳の池江璃花子だろう。レースの度に調子を上げているだけに、6月3日(木)〜6日(日)にテレ朝チャンネルで生中継&当日録画放送される「競泳ジャパンオープン2021」での泳ぎにも期待が集まっている。


各選手のハイレベルな戦いに期待が高まる「競泳ジャパンオープン2021」写真:日刊スポーツ/アフロ、スポーツニッポン/アフロ、YUTAKA/アフロスポーツ

中学時代から日本記録を3つ保持するなど早くから才能を開花させていた池江だが、その才能が大きく注目されるようになったのが高校1年生で挑んだリオデジャネイロ五輪だ。日本競泳史上最多となる7種目に出場し、メダル獲得こそなかったが100mバタフライで自身の持つ日本記録を三度にわたり更新。5位入賞を果たすなど健闘を見せた。

その後も2017年に日本選手権で女子初となる5冠を達成し、2018年のアジア選手権では6冠を達成。世界の壁が厚いとされる自由形、バタフライの種目で世界と対等に戦える選手として東京五輪での活躍も大きく期待された。そんな伸び盛りの最中だったが、2019年にオーストラリアでの合宿で体調を崩すと白血病が発覚。将来有望な選手に訪れた悲劇は、日本のみならず海外でもニュースとして取り上げられるなど衝撃を与えた。

「思ってたより、数十倍、数百倍、数千倍しんどいです」とSNSで明かすほどの辛く長い闘病生活を乗り越えると、昨年8月に「東京都特別水泳大会」で594日ぶりに競技会に復帰。最初の目標としていた「インカレ水泳2020」では50m自由形で4位に入賞すると、今年の2月に行われた「ジャパンオープン2020」では、50m自由形で学生新となる記録で2位に入り、復帰後初の表彰台に上った。さらに同月の「東京都OPEN水泳競技大会2021」では、最も筋力が必要とされるバタフライにも復帰。50m、100mのレースに出場すると50mでは学生新記録で復帰後初優勝、100mでも3位と着実に前進していることを結果で示してきた。

そして4月に行われた「日本選手権水泳競技大会」では自由形、バタフライともに50m、100mに出場。大会2日目の100mバタフライ決勝では「ただいま」とつぶやいてプールに向かったという。スタートで出遅れ、50m時点では2位で折り返したものの、後半トップに躍り出てそのまま1位でゴール。タイムは女子400mメドレーリレーの派遣標準記録突破となる57秒77。レース後は感涙し、しばらくプールから上がることができない姿も印象的だった

「日本選手権水泳競技大会」では100m自由形も制し、女子400mリレーでも五輪代表の切符を掴んだほか、50mバタフライ、50自由形の両種目も優勝するという4冠を達成。奇跡の復活劇を笑顔で締めくくった。


瀬戸大也写真:YUTAKA/アフロスポーツ

萩野公介写真:YUTAKA/アフロスポーツ

「伸びしろしかない」と自身でも言うようにさらなるタイムの更新も期待できる池江が4種目にエントリーされている「競泳ジャパンオープン2021」には、五輪直前ということもあり多くの五輪内定選手が参戦予定だ。2019年の「世界水泳」で200mと400mの個人メドレー2冠と日本選手権の200mバタフライの結果により、3種目での五輪内定が決まっている日本のエース・瀬戸大也をはじめ、その瀬戸に日本選手権の200m個人メドレーで0.02秒及ばなかったものの五輪内定を決めたライバル・萩野公介、女子選手では2019年「世界水泳」の400m個人メドレーで銅メダルを獲得している大橋悠依といった注目選手が続々登場する。


大橋悠依写真:YUTAKA/アフロスポーツ

各選手、東京五輪に向けた仕上げの段階に入っているだけに今大会でもハイレベルな戦いが見られるはずだ。池江をはじめとする世界トップクラスの選手たちの渾身の泳ぎに期待したい。

文=HOMINIS編集部

放送情報

競泳ジャパンオープン2021
放送日時:2021年6月3日(木)16:30~
※4日間連続生中継(最終日のみテレ朝チャンネル1生中継、テレ朝チャンネル2で当日録画放送)
チャンネル:テレ朝チャンネル2、テレ朝チャンネル1
※放送スケジュールは変更になる場合があります