もしラファエル・ナダル(スペイン)が一度でもプレッシャーに飲まれることがあるとすれば、それは2021年の「全仏オープン」…

もしラファエル・ナダル(スペイン)が一度でもプレッシャーに飲まれることがあるとすれば、それは2021年の「全仏オープン」(フランス・パリ/5月30日~6月13日/クレーコート)かもしれない。だが幸いなことに、彼はプレッシャーの中で力を発揮する。米スポーツメディアBleacher Reportが、ナダルが独占インタビューで語った内容を報じた。【動画】ナダル今シーズンのハイライト集

「プレッシャーを感じなくなったら、お別れの時だ」とナダル。「そういう感情やプレッシャーなしでは、自分の最高のレベルでプレーするのは難しい。こういう感覚を肌身で感じている必要があると思うんだ。いつだってそれは個人的なプレッシャーだ。いいプレーがしたいっていうね。何をするべきかはわかっているし、自分の最高レベルでプレーができたら、いいテニスができて、誰とでも戦えると思う」

開催が迫る今年の「全仏オープン」で、ナダルは歴史を作ろうとしている。ナダルとロジャー・フェデラー(スイス)は、共に男子シングルス最多のグランドスラム20度優勝記録を保持しているが、今の段階では、クレーの王者ナダルが「全仏オープン」で21度目のグランドスラム優勝を果たし、単独の最多記録保持者として頂点に立つことにならなければ、驚きだとも言える。

そもそもナダルの20回の優勝のうち13回は「全仏オープン」でのものであり、彼は同大会でまばゆいばかりの100勝2敗という戦績を誇る。ナダルが最後に「全仏オープン」優勝を果たしたのは昨年10月で、決勝では世界王者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)をストレートで下している。この時は新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会は4ヶ月遅れで実施された。この優勝により、ナダルは男女を通じて初めて同一大会で13度の優勝を果たした選手となった。

6月に35歳を迎えるナダルにとって、今回の大会はグランドスラム最多優勝記録でフェデラーを超える絶好のチャンスだ。しかし本人は、大局的なことよりも大会そのものに集中している。

「21度目のグランドスラム優勝を達成する素晴らしい機会だという意識で臨むわけではないよ。“全仏オープン”には、おそらく僕のテニス選手としてのキャリアで最も重要な大会に出場するんだという気持ちで臨んでいる。もちろん21度目を達成したい気持ちはあるけれど、僕にとっては“全仏オープン”こそが大事なんだ」

ナダルは「ATP1000 ローマ」で、自身の持つ大会最多記録を更新する10度目の優勝を果たした。決勝ではジョコビッチを7-5、1-6、6-3で破っている。ジョコビッチは、クレーコートでの決勝でナダルと対戦することについて、「それよりも厳しい挑戦はない」とコメントした。世界ランキング1位の選手の発言としてはなかなかのものだ。

それについて問われたナダルは、こう答えている。「ロジャーとノバクとは、本当に長い間戦ってきた。僕たちはお互いに対して大いに敬意を抱いているし、お互いと対戦して大会で優勝することがどれほど難しいか知っている。ノバクが言ったような誉め言葉をもらえるのはいつだって素晴らしいよ」

これまで57度対戦したナダルとジョコビッチは、オープン化以降のどの二選手よりも数多くお互いと相対している。通算ではジョコビッチが29勝28敗とわずかに優位に立っているが、「ATP1000 ローマ」ではナダルが6勝3敗、そのうち決勝での対戦成績は4勝2敗と優勢を築いている。

ナダルにとって、2005年に18歳で初めて優勝した「ATP1000 ローマ」よりも大きな意味を持つ大会は多くない。そして今回の優勝により、彼の「全仏オープン」に向けての自信は深まるばかりだ。

「とても重要な大会だよ。最も歴史ある大会の1つだしね。僕個人としても、これまでに9度優勝していて、今年10度目の優勝を果たすことができた、とても特別な大会。僕にとってすごく特別な場所だよ。ここ1ヶ月でいい方向に進化できたし、最後に出場した大会は自分にとって最高だった。僕に自信をくれたんだ。ある意味、こういう1週間を必要としていたように思う」とナダルは語った。

クレーコートで行われる「ATP1000 ローマ」での優勝は、現在の年齢にも関わらず、ナダルの「全仏オープン」での絶対的な優勝候補としての立場を強化するものとなった。全仏への準備に関して、ナダルはこうコメントしている。「似たようなものだけれど、年齢が違うからアプローチも少し違う。何年か前よりも少し情熱が増している。でもそれも全部、経験から来るものだ」

強さに情熱が伴うのは自然なことだ。特に男子のグランドスラム優勝史上最多記録がかかっているとなれば、なおさらだろう。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全仏オープン」でのナダル

(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)