最終節までもつれ込んだ今シーズンのラ・リーガは、首位アトレティコ・マドリードの優勝で幕を閉じた。最後に涙を呑んだ王者レ…

 最終節までもつれ込んだ今シーズンのラ・リーガは、首位アトレティコ・マドリードの優勝で幕を閉じた。最後に涙を呑んだ王者レアル・マドリードでは、ジネディーヌ・ジダン監督がフロレンティーノ・ペレス会長と会談を設け、今シーズン限りでの退任が決定。2期にわたってチャンピオンズリーグ3連覇を含めた計11ものタイトルに導いたひとつの黄金期に、終止符を打つこととなった。

 メディアでは早くもジダンの後任監督候補が話題となっており、ユベントスの次期監督候補にも挙がっているイタリア人マッシミリアーノ・アッレグリのほかに、現在レアル・マドリード・カスティージャ(レアル・マドリーBチーム)の指揮を執るラウル・ゴンサレスの名前も挙がっている。



昨年のUEFAユースリーグで監督として優勝した時のラウル

 仮にジダンの後任がラウルとなれば、マドリディスタにとっては感慨深いものがあるはず。そう、ふたりはともに2000年代初期に「銀河系軍団」を形成した、レジェンド中のレジェンド。あの華やかな時代を思い起こさずにはいられないからだ。

 そこで気になるのが、あの時代を彩ったレジェンドたちが今、何をしているのか、である。ここでは、「銀河系軍団」の中心選手たちの現在を追ってみた。

 まずは、当時不動の守護神としてゴールマウスを守り続けた名GKイケル・カシージャス。

 2015年にレアル・マドリードを退団したカシージャスは、その後、ポルトガルの名門ポルトでプレーした。しかし2019年5月、急性心筋梗塞により現役続行が不可能となってしまい、昨シーズンはスタッフとしてチームに帯同。昨年7月に契約満了で退団が決まると、翌月に現役引退を表明した。

 そして昨年12月、レアル・マドリード・ファンデーションのゼネラル・ダイレクターの補佐役として古巣のフロント入りを果たし、第2の人生を歩み始めている。

 次は、2000年から5シーズンにわたって銀河系軍団の中心となったルイス・フィーゴ。

 2009年にインテル(イタリア)で現役を退くと、ポルトガル語、英語、スペイン語、イタリア語、フランス語を操るマルチリンガルぶりを生かし、様々な方面で活躍。母国ポルトガルでバーを経営するほか、インテルのアンバサダーやUEFAのアドバイザーを務めるなど、監督業に興味を示すことなく、違った立場でサッカー界に貢献している。

 ちなみに、2015年にはFIFA会長選挙に出馬を表明し、W杯の出場枠を48に拡大するという公約を掲げた。しかし結局、選挙前に出馬を取り下げ、話題になったこともあった。

 実業家と成功しているのが、ブラジルの怪物ロナウドと、イングランドの貴公子デイビッド・ベッカムだ。

 2011年にコリンチャンス(ブラジル)で引退を発表したロナウドは、すぐにビジネスマンとしての才能を開花させた。スポーツおよびエンタテインメント分野のマネジメント会社を設立し、それを皮切りにチャリティーや投資ビジネスにも積極的に乗り出す。

 2018年には、スペインのレアル・バジャドリードの筆頭株主としてクラブのオーナーに就任。そのほかにもブラジルのレーシングチームの共同オーナーを務めるなど、世界を股にかける実業家として大きな成功を収めている。

 2003年から2007年までレアル・マドリードでプレーしたベッカムは、現役時代にロサンゼルス・ギャラクシー(MLS)でプレーした経験を生かし、引退後は自身が中心となってマイアミを本拠地とする新クラブの立ち上げに着手した。

 2018年にはインテル・マイアミCFを創立。ソフトバンク・グループの孫正義氏らとともにクラブの共同オーナーを務め、昨年からチームをMSLに参戦させることに成功している。ちなみに現監督は元チームメイトのフィリップ・ネヴィルで、元アルゼンチン代表FWゴンサロ・イグアインや元フランス代表MFブレーズ・マテュイディらがプレーするなど、注目度の高いチームになっている。

 ベッカムはインテル・マイアミCF以外に、ピーター・リム氏(現バレンシア会長)を中心として組織された「Project 92 Limited」がオーナーのサルフォード・シティFC(イングランド4部)にも出資。マンチェスターをホームタウンとしているクラブだけに、ほかの出資者にはライアン・ギグス、ポール・スコールズ、ニッキー・バット、ギャリー・ネヴィル、フィリップ・ネヴィルといった、元マンチェスター・ユナイテッドのチームメイトたちが名を連ねている。

 一方、引退後に指導者を経験したレジェンドもいる。

 1996−97シーズンから11年にわたり、レアル・マドリード不動の左サイドバックを務めた元ブラジル代表のロベルト・カルロス。

 2012年にプレイングマネジャーを務めたアンジ・マハチカラ(ロシア)で現役引退すると、その後は指導者に転身。トルコのスィヴァススポルやアクヒサル・ベレディイェスポルを指揮し、2015年にはインド・スーパーリーグのデリー・ディナモスFC(現オディシャFC)で再びプレイングマネジャーを務めた。

 その後、2016年にレアル・マドリードに帰還し、クラブのイメージ・アンバサダーを務める傍ら、育成年代の指導をサポートする役職を兼任。現在は企業のイメージキャラクターを務めるほか、先日にはロシアのガスプロム社が毎年主催している国際子供交流プログラム「フットボール・フォー・フレンドシップ」の2021年度のグローバルアンバサダーに就任したことが発表されるなど、多方面で活躍中だ。

 2011年にパリ・サンジェルマンで引退したクロード・マケレレは、そのままクラブに残ってカルロ・アンチェロッティ監督のアシスタントに就任。名将から指導を学び、その後は独り立ちしてバスティア(フランス)の監督、スウォンジー(ウェールズ)のアシスタントコーチ、オイペン(ベルギー)の監督を経験した。

 ただ、いずれも成功したとは言えず、2019年からは現役時代を過ごしたチェルシーのスタッフ、アカデミーのテクニカルコーチとして活躍している。

 2010年にマルセイユで現役を引退(2015年に所属する息子の縁でスペイン6部のデポルティボ・サンタ・アナに一時的に復帰)したフェルナンド・モリエンテスは、2012年にウラカン・バレンシア(スペイン3部)の育成年代を指導した後、2015年に当時3部のフエンラブラダの監督に就任。残念ながらシーズン途中で解任となった以降はフリーの状態で、現在は「melbet」のブランドアンバサダーを務めるほか、メディアでも活躍中だ。

 同じく現在フリーとなっているグティも、2013年から2017年にかけてレアル・マドリードの育成年代の指導で経験を積んだ。2018年にベシクタシュ(トルコ)のアシスタントコーチを務め、2019年にはアルメリア(スペイン2部)の監督に就任。昨年6月に退任となるまで、トップチームの監督を経験した。

 その他、当時の銀河系軍団のメンバーでは、エステバン・カンビアッソが2018年ロシアW杯に出場したコロンビア代表ホセ・ペケルマン監督のアシスタントとして活躍。ミチェル・サルガドは現在パフォスFC(キプロス)のスポーツ・ダイレクターを務めており、イバン・エルゲラは去年11月にラス・ロサス(スペイン3部)の監督を解任されてからはフリーの状態。そして、レアル・マドリードでは1シーズンのプレーに終わった元イングランド代表FWのマイケル・オーウェンは、母国イングランドで馬主として活躍する傍ら、コメンテーターとしても人気を博している。

 果たして、ラウルはジダンの後任としてレアル・マドリードの新監督としてバトンを受けるのか。仮にそうなれば、ジダン同様、レアル・マドリード・カスティージャ監督からトップチームの監督に昇格した銀河系OBとして、注目の的となることは間違いない。