福田正博 フットボール原論 これから先は相手のマークがさらに厳しくなっていくはずだが、彼の決定力が完全に封じ込まれること…

福田正博 フットボール原論

 これから先は相手のマークがさらに厳しくなっていくはずだが、彼の決定力が完全に封じ込まれることはないと予測している。それはユンカーがゴール前での仕事に専念できるだけの攻撃の形が、いまの浦和にはあるからだ。

 昨季までの浦和は興梠慎三以外に多くの得点が期待できる選手が現れず、攻撃の形も行きあたりばったりの感が否めなかった。戦い方のコンセプトが、目先の勝敗によっていろいろと変わってしまったように見えた。

 それが今季の浦和は、リカルド・ロドリゲス新監督の下、DFラインからボールをつなぐスタイルを徹底。シーズン開幕前はコロナ禍で十分な時間が取れたわけではなく、何事もはじめからうまくいくことはない。大敗を喫することもあった。

 それでも戦い方のコンセプトはブレず、トライアル&エラーを重ねて、試合を経るごとに攻撃の形ができてきた。勝ち点を伸ばせなかった原因は明白で、ゴール前で決定力を発揮できる人材がいなかったからだ。

 そこで、チームが勝つために不足している最後のピースを、フロントがしっかり補強した。強いチームをつくっていくには、とても当たり前のことだが、これがなかなか難しい。だが、今季の浦和はそれができているということだ。

 ユンカーのゴール量産で注目度が久しぶりに高まった浦和には、GKにも18歳の鈴木彩艶という新たな力が出てきた。勝負を分ける重要なポジションのFWとGKに新戦力が頭角を現している浦和が、ここ数シーズンつづいた迷走状態から抜け出して生まれ変われるのか。シーズンの最後までしっかり見届けていきたい。