スウェーデンの絶対的エース、マティアス・ファルク。独占インタビュー後編は、彼が世界のトップレベルに躍り出る前、伸び悩んだ時期についての質問から始めた。写真:マティアス・ファルク/提供:ittfworldナショナルチームを外れていた時期――と…

スウェーデンの絶対的エース、マティアス・ファルク。

独占インタビュー後編は、彼が世界のトップレベルに躍り出る前、伸び悩んだ時期についての質問から始めた。




写真:マティアス・ファルク/提供:ittfworld

ナショナルチームを外れていた時期

――とても充実しているファルク選手ですが、逆に伸び悩んだ時期はいつでしたか?ファルク:19歳で学校を卒業した後、現在住んでいるハルムスタッドに引っ越したのですが、その頃はタフな時期を過ごしました。

自分の練習方法を大きく変え、もっと良くなろうと一生懸命練習した時期でした。

当時ナショナルチームにいたんですが、その後2〜3年は外れてしまいました。




写真:マティアス・ファルク/提供:ittfworld

――その時期をどうやって乗り越えたんですか?ファルク:4年後くらいに目標を設定し、試合に出られないときもなんとか集中できるように練習しました。

ずっと先に目標を置くことで、試合に負けたりうまくいかないことも乗り越えられました。




写真:マティアス・ファルク/提供:ittfworld

――飛躍のための準備期間もあったんですね。これまでのキャリアの中でベストマッチはどれでしょうか?ファルク:難しい質問ですね(笑)。

でも、最近では、許昕(シュシン・中国)になんとか勝利した、去年のWTTマカオの一戦かな。
あれが今までで最高の勝利でした。
許昕(シュシン・中国)、張本智和、林高遠(リンガオユエン・中国)ら、世界のトッププレーヤーたちと戦って勝った試合は、それぞれ私の中で特別な試合です。

――(張本、やっぱりすごいな…)




写真:張本智和(木下グループ)/提供:ittfworld

なぜ中国は強いのか、ファルクの視点

――中国はなぜあんなに強いと思いますか?ファルク:まず、選手がたくさんいることです。
そして、その大きな母集団の中で、本当にハードな練習を積み、その中からさらにトップ選手を選ぶことができるという強みがあります。中国で、卓球が国技だということもあるかもしれません。

ただ、スウェーデンも、中国と同じように卓球の伝統を持ち、同じようにたくさんの素晴らしいコーチがいます。

なので、いつも中国には新たな挑戦だと思って挑んでいます。




写真:2020年11月WTTマカオで許昕(シュシン・中国)に勝利したファルク/提供:ittfworld

日本選手の印象は

――日本選手の印象はどうでしょう?ファルク:強いです。6、7年くらい前から本当にたくさんの素晴らしい選手が出てきました。いま、世界トップ100人のうち10人は日本選手が入るだろうと思います。

日本のトップ選手も本当に強いですし。




写真:マティアス・ファルク/提供:ittfworld

――日本選手との対戦はハードですか(笑)?ファルク:もちろんです(笑)。

日本は良い強化・育成システムも持っていますよね。

私は幸運なことに、日本に滞在してナショナルトレーニングセンターで練習させてもらった経験があるので、少しわかります。

日本の選手と対戦するのは、いつもタフです。




写真:マティアス・ファルク/提供:ラリーズ編集部

――スウェーデン代表チームが着用するユニフォームは、日本のユニクロとのパートナーシップ契約で提供されているんですよね。ファルク:そうです。とてもユニクロのユニフォームは気に入っています。

快適で、身体にフィットしてくれるので、スポーツに向いていると思います。

汗をかいてもベタつかないで肌触りが良いのもとても好きですね、どうしても卓球してるときはたくさん汗をかくので。

日本で生まれたユニクロのユニフォームを着て東京五輪に出場するっていうのは、私たちにはとても幸せなことです。




写真:ユニクロのウェアを纏うマティアス・ファルク(写真左・スウェーデン)、ヨルゲン・パーソン氏/提供:SOC

――これからのスウェーデン卓球に期待しています。ファルク:ありがとうございます。

2019年の世界選手権で私が銀メダルを獲ってから、少しずつスウェーデンでもプレーヤーが増えてきているのを感じています。

90年代の全盛期にはまだ及びませんが、もっと卓球人気を高められるよう挑戦を続けます。

――ありがとうございました!




とても丁寧にインタビューに答えてくれたファルク

取材・文:槌谷昭人(ラリーズ編集長)