■5月26日/J1第16節 湘南ベルマーレー川崎フロンターレ(レモンガス) 川崎が湘南を相手に引き分けた試合は、2つの記…

■5月26日/J1第16節 湘南ベルマーレ川崎フロンターレ(レモンガス)

 川崎が湘南を相手に引き分けた試合は、2つの記録がかかった試合だった。

 一つは、鬼木達監督の指揮官としての100勝がなるかというもの。ちなみに、監督として史上最速の3ケタ勝利は次節に持ち越しとなった。そしてもう一つが、開幕からの無敗記録だ。2015年に浦和レッズが記録した「19」に、川崎は並ぶことに成功。引き分けたために笑顔はなかったものの、間違いなく偉業に達した。

 そんな試合で、“珍事”があった。試合前のピッチ内ウォーミングアップの際、カメラマン席に珍しい姿があった。Jリーグの村井満チェアマンだ。しかもしっかりとカメラを持って、川崎の練習を見守っていた。カメラマン席に向かうまでサポーターの前を通り、ボールボーイやチームスタッフ、報道陣の前を通っているのだが、ほとんどの人が気づかない。マスクが顔を大きく覆っていることもあるが、“まさかチェアマンがこんな場所に”という思いがあったからだろう。

■手にしたカメラはカモフラージュ?

 村井チェアマンは説明するまでもなくJリーグのトップである。新型コロナで難しい運営を迫られているJリーグを、素早い判断でけん引している人物だ。

 昨年、コロナが拡大するやいち早く中断を決め、その後、プロ野球との「新型コロナウイルス対策連絡会議」を設立するなど、Jリーグは混乱なく運営されている。政治でトップに批判が集まるのとは対照的な行動力を示している。

 その行動力が、現場を実際に見たいと思わせたのかもしれない。カメラを持ってはいたが、シャッターを切る回数は少なく、選手、サポーター、運営スタッフなどさまざまな場所に視線は向かっていた。現場がどう動いているのかを、実際に間近で見ているように感じられた。カメラを手にしていたのは、周囲に気を使わせないための。気づかれないためのカモフラージュだったのかもしれない。

 思わずカメラを向けると、笑顔でレンズに向かったその姿は、気さくという言葉そのものだ。現在まで、スタジアムで大規模感染は発生していない。

 その裏には、現場を間近で見るトップの行動力があることを感じた瞬間だった。

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