14位、畑岡奈紗(22歳)。 22位、稲見萌寧(21歳)。 26位、古江彩佳(21歳)。 そして、29位に渋野日向子(22歳)。 これは、5月25日付けの世界ランキング上位に名を連ねる日本人女子ゴルファーであり、およそ1カ月後の6月28日…

 14位、畑岡奈紗(22歳)。
 22位、稲見萌寧(21歳)。
 26位、古江彩佳(21歳)。
 そして、29位に渋野日向子(22歳)。

 これは、5月25日付けの世界ランキング上位に名を連ねる日本人女子ゴルファーであり、およそ1カ月後の6月28日付けの世界ランキング上位2名が東京五輪の代表枠「2」をつかみ取ることになる(※15位以内に複数の日本人選手が入れば、出場人数は最大4名には増す)。

 畑岡は「当確」として、熾烈なのは2枠目の代表争いだ。ここに来て急浮上してきたのが、先の中京テレビ・ブリヂストンレディスで今年5勝目(2020-2021シーズン6勝目)を挙げた稲見である。



中京テレビ・ブリヂストンレディスを制し、ツアー通算7勝目を飾った稲見萌寧

 1998年度生まれの黄金世代と、2000年度に生まれたミレニアム世代の"谷間"となる1999年に生まれた稲見は、中京テレビ・ブリヂストンレディスの優勝で、世界ランキングが前週の31位から22位にジャンプアップした。かねてから「目標」と公言していた東京五輪出場が手に届く位置にまでたどり着いた心境をこう明かした。

「出場したい気持ちはありますけど、そこがゴールというわけではなく、目の前の一試合一試合を大切にして、その結果、ランキングを上げて出場できたら『ラッキーだな』と思ってプレーしたい。

 五輪に出るということは、日の丸を背負って、戦うということ。数少ない人しか出られない試合だと思っていますし、出場できたら自分にとっていい名誉だと思う。

 私にとって金メダリストというと、吉田沙保里さん。ここ一番でしっかり結果を出せる人が本当に強い人だと思う。(ゴルフでたとえるなら)ここ一番で決められる選手のことだと思います」

 稲見は今年に入ってから12戦中5勝という驚異の勝率を誇る。

「自分では(強さの秘訣は)わからないですけど、負けたくない気持ちが強いことと、去年に比べてパターが少し入ってくれることが増えたかな、というのはあります。だけど、ショットは納得していない。もう少し安定させたいなと思いますし、完璧主義者なので、全部向上させたい」

 一方、5月25日付けのランキングで稲見に逆転を許したのが、昨年3勝を挙げた古江だ。今年に入ってからも、高次安定した成績を残し、中京テレビ・ブリヂストンレディスでも3位に食い込んだ。稲見を再逆転する可能性は十分にある。

「稲見さんはすごくいい状態だと思う。自分自身のプレーに集中して、自分自身の成績だけを考えていきたい」(古江)

 下の世代の2選手の後塵を拝することとなった渋野は、昨年末の段階で、東京五輪以上に米ツアーへの本格参戦を重視していることを明かしていた。

「今はオリンピックというより、アメリカツアーへの気持ちが強い。アメリカツアーに出るためのことを考えていたら、自然とゴルフもレベルアップしてくると思いますし。結果が伴ってくれたら、世界ランキングも上がるだろうし、アメリカツアーに参戦する目標の過程にオリンピックがある、という感じで今は考えています」

 ぜひ東京五輪に出場したい――コロナ禍にあって、開催を不安視する声が大きい現況では、そうしたアスリートの願いを直接的に訴えることは難しい状況だ。無事に開催されたのなら、長いゴルフ人生の糧としたい。そうした思いは三者に共通する。