自らコンタクトを取り米国プロレス団体AEWに参戦した竹下幸之介。帰国後、16年ぶりの開催となったタッグリーグ戦「Ultimate Tag League 2021」にThe37KAMIINAの勝俣瞬馬と組んで出場。最終戦5.27新宿FACE大…

自らコンタクトを取り米国プロレス団体AEWに参戦した竹下幸之介。帰国後、16年ぶりの開催となったタッグリーグ戦「Ultimate Tag League 2021」にThe37KAMIINAの勝俣瞬馬と組んで出場。最終戦5.27新宿FACE大会では、現KO-D無差別級王者・秋山準と半年ぶりに向かい合う。(後編)

<前編はこちらから>

--今年3月、DDTサウナ部がThe37KAMIINAに名前を変えてスタートしました。
竹下幸之介(以下 竹下):名前が変わっても僕は変化ないですけどね(苦笑)。同世代の4人が集まったチームですが、僕以外の勝俣・MAO・上野勇希の3人は「今どき」の若者で、「楽しんでプロレスをして勝つ」感覚の持ち主。
でも物事を楽しんで取り組む人は強いですよね。以前、陸上していた時、「シンドいな、緊張するな」と考えているトップ選手と「陸上が楽しくて仕方がない」というトップ選手がいました。同じトップ選手でも後者の考えの方が強いんですよ。
僕みたいな理論的な人間よりも、「我が道を行く」ナチュラルなアスリートの方が強い。ただ他人からのアドバイスも聞き流すこともあるのでリスクも伴います。でも自分のやりたいことも持っているのは強いことです。

--竹下選手は自由に戦うThe37KAMIINAの他のメンバーを、後ろから温かく見ている兄貴的存在のように感じます。
竹下:兄貴ですか(笑)。僕も脳のシナプスを活性化させたいわけですよ。例えば他のユニットと戦うとき、上野やMAO、勝俣一人一人の作戦が違います。ALL OUTの時は、他のメンバーのアイデアがあっても最終的に僕が判断しました。
しかしThe37KAMIINAでは凝り固まらないように、逆に「作戦を練らないよう」にしています。他のメンバーの作戦を聞いて「それ違うな」と感じてもまずは試してみる。それで、僕の考えをブレンドします。
今回のタッグリーグ戦「Ultimate Tag League 2021」は勝俣とチームを組んでいますが、頼もしいですね。以前は、僕がコーナーにいる時もリング内の勝俣をケアすることが多かったですが、今は任せられます。

一緒に作戦を練っていても勝俣の出すアイデアに「いいね」と思うことが多くなりました。良いタッグチームは、1+1が3や4になると言いますが、今は2になっている。最初の頃は1にならなかったし0の時もあった。

--5月10日Eruption(坂口征夫・樋口和貞)とのタッグリーグ戦は、リング上だけでなくリング下の攻防もあり、「会場で見ていたらメチャクチャ面白いんだろうな」と感じました。
竹下:たしかに会場で観てもらうのが1番ですが、あの試合は配信のみの大会なので、残念ながら映像で見てもらうしかない。
The37KAMIINAはDDTの中でも映像での魅せ方・見え方を特に意識しているチームです。やっぱり「プロ」レスラーなので、勝ち負けも大切ですが、いかに観客の皆さんに見てもらえるか気をつけています。
無観客試合はお客さんを入れられないので、会社(DDT)としてはチケットの収益が無くて痛手ですし、お客さんも会場でプロレスを観られず残念だと思います。
無観客がやりにくいとかテンションが上がらないという選手もいますが、僕はネガティブに捉えていないんですよ。地方の会場でもさいたまスーパーアリーナでも、やることに変わりはないので、モチベーションは影響されないですね。
「自分が納得のいくレスリングをリング上で見せたい」という気持ちが強いので、お客さんの数に左右されないです。それこそAEWに行った時も向こうは収録試合が多くて、トップ中のトップ選手が無観客で試合をしています。観客がいない中、選手は大観衆がいるかの如く振る舞う。
大観衆が目の前にいるようにクリス・ジェリコさんやケニー・オメガさんは試合を行う。試合も凄いですけど、そういう所作も学びました。

--AEWには、どのくらいの期間行ってましたか?
竹下:1週間です。日本に戻ってきて隔離期間が2週間あります。1週間滞在するのであれば3週間必要になりますね。

--日本に戻ってきて、すぐにタッグリーグ戦があり、最終戦5.27新宿で準烈(秋山準・大石真翔)と対戦します。秋山選手と戦うのは久しぶりですか?
竹下:昨年のD王GP以来になります。秋山さんは6.6さいたまでKO-D無差別級タイトル戦を控えていますが、僕は遠慮なく行こうと思います。
タッグリーグに関しては竹下・勝俣組で魅せたいという気持ちが強い。タッグとして全く機能しなかったALL OUT時代から考えると、今の状態は1番ベストです。ALL OUTでは対戦相手の「凱旋試合の相手」として戦うことが多かった時期があった。地元で対戦相手も気合いが入っているので、竹下・勝俣組は負けることが多かったんですよ(苦笑)。
ただ今回出場しているタッグチームの中で僕たちは1番タッグを組んでいる2人だし、ここはどうしても優勝という結果を残したいですね。

<インフォメーション>

5.27新宿FACEにて「Ultimate Tag League 2021 the FINAL!!」が行われます。16年ぶりの開催、果たして優勝するのは、どのチームなのか!

詳細はDDTプロレスリング公式サイトをご覧ください。→https://www.ddtpro.com/schedules/15526
また試合は動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEで生配信されます。→https://www.ddtpro.com/universe

竹下幸之介 Twitter→https://twitter.com/Takesoup
The37KAMIINA Twitter→https://twitter.com/DDT_SaunaClub

取材・文/大楽 聡詞
写真提供/DDTプロレスリング