スウェーデン代表監督のヨルゲン・パーソン氏への独占インタビュー、後編である。マティアス・ファルク選手はじめ、いま輝きを取り戻しつつあるスウェーデン卓球の現在地について、オンラインで話を聞いた。写真:ヨルゲン・パーソン監督/提供:ラリーズ編集…
スウェーデン代表監督のヨルゲン・パーソン氏への独占インタビュー、後編である。
マティアス・ファルク選手はじめ、いま輝きを取り戻しつつあるスウェーデン卓球の現在地について、オンラインで話を聞いた。
写真:ヨルゲン・パーソン監督/提供:ラリーズ編集部
「大事なことはその人自身のスタイルであること」
――スウェーデンの有力選手について、監督がどう見ているか教えて下さい。ファルク選手はどうですか?![](https://img.sportsbull.jp/raw/2021060218282838169500.jpg)
写真:マティアス・ファルク(スウェーデン)/提供:ittfworldパーソン監督:いいよね、他と違うスタイルで。今、ほとんどの選手は似ているから。
彼は、フォアに表ソフトを貼ってスマッシュする。多くの人は言うかもしれない、あれは時代遅れのスタイルだと。80〜90年代、いや60〜70年代のスタイルだと。
でも、彼は自分の試合にだけ集中し、そして強い。彼の卓球は、他と違うスタイルでも勝てるんだと教えてくれる。最も大事なことは、その人自身のスタイルであるということなんだ。
――そのとおりですね(おお、スウェーデン卓球の系譜…)。パーソン監督:いま、私たちは同じ街に住んで、オリンピックやヨーロッパ選手権などの大きな大会に向けて準備している。今後も良い結果を出すために彼は燃えているよ。
――アントン・ケルベリ選手はどうですか?
写真:アントン・ケルベリ(スウェーデン)/提供:ittfworld
オリンピック代表に入る可能性があるうちの一人だ。
(※編集部注:言葉通り、その後ケルベリは団体・シングルスともに東京五輪スウェーデン代表に選出された)
写真:トルルス・モーレゴード(スウェーデン)/撮影:保田敬介
ただ、彼はまだ19歳。大事なことは彼の膝が100%の状態になることだから、あまり急がせないようにしている。これまでずっと、膝の痛みと共にプレーしていたから。
WTTについては「今後を注視する」
写真:WTTコンテンダードーハの模様/提供:新華社/アフロ
もちろん、君の言うように、私たちスウェーデンも多くの疑問は持っている。これまで以上に、大会に参加して世界ランキングを上げることに資金が必要になってしまうしね。
今回は少し急すぎて、2022年にスタートすべきだったかもしれないというのが、私の考えだ。
ただ、WTTのアイデアそのものは良いと思う。スポーツの賞金はもっと高くあるべきだから。
写真:WTTマカオの様子/提供:ittfworld
この後どうなるか、私たちは注視していかなければいけない。
写真:スウェーデン代表選手団公式ウエアを着たヨルゲン・パーソン監督/提供:SOC
ポジティブでいることの大切さ
写真:ヨルゲン・パーソン監督/撮影:ラリーズ編集部
それは大事なことだと思う。世界中が、この災害に悩まされながらもなんとかチームワークを維持すること。私自身にとっては、ポジティブであり続けることが大切なんだ。
もちろん、先は読めないし、まだしばらく家の中で過ごす必要があるかもしれないけどね。
――スウェーデン卓球のこの先が楽しみですね。パーソン監督:今年は、ステラン・ベンクソンが1971年世界選手権名古屋大会で、スウェーデン人初の世界チャンピオンになって、50年目の記念の年なんだ。もちろん、スウェーデンにもたくさんスポーツはあるけど、卓球は私たちにとって伝統があるスポーツ。もっと発展させていきたいと思っている。
――ありがとうございました!
写真:ヨルゲン・パーソン監督/提供:ラリーズ編集部
取材・文:槌谷昭人(ラリーズ編集長)