4年生2人のメンバー入りを監督に懇願、快進撃のきっかけを作る 首都大学野球の春季1部リーグ戦が23日、神奈川・等々力球場…

4年生2人のメンバー入りを監督に懇願、快進撃のきっかけを作る

 首都大学野球の春季1部リーグ戦が23日、神奈川・等々力球場で行われ、東海大が桜美林大に1-0で競り勝った。前日の22日から2連勝で、帝京大と桜美林大に並んで6勝4敗に。三つ巴での優勝決定戦に望みを繋いだ。土壇場で見せた執念を支えたのは、主将・門馬大(もんま ひろ)内野手だった。

「ナイスボール!」

 投手を鼓舞する声が、グラウンドに響く。門馬は「8番・三塁」で今季初スタメン。前夜に井尻陽久監督から言い渡され、全力を尽くした。自身の結果こそ2打数無安打だったが、勝利こそが何よりうれしかった。

「自分が活躍するのが1番ですけど、それよりはチームが勝つことに貢献したいという気持ちが強いですね」

 負けたら桜美林大の優勝が決まる中、暴投で6回に得た1点を守り抜いた。29日から神奈川・サーティーフォー相模原球場で開催される優勝決定戦へ。この春は、東海大ナインにとって特別な思いを抱えた戦いでもある。

昨年10月に部員の大麻使用が発覚、3か月の対外試合禁止処分

 昨年10月、部員の大麻使用が発覚。秋季リーグ戦を辞退し、3か月間の対外試合禁止処分を受けた。野球ができない中で、門馬は「絶対野球ができる日が来るから、それまで頑張ろう」と部員に連絡。私生活を見直した。迎えた今季は、日体大に2連勝の後、武蔵大に2連敗、帝京大との初戦も落として3連敗を喫した。「何かを変えなければいけない」。そう感じた門馬は、井尻監督に直訴した。

「河野、黒澤をベンチに入れてください」

 4年生でベンチ外だった河野大朗内野手と黒澤昂希外野手のベンチ入りを提案。「チームの雰囲気を変えたかった。2人はチームでも本当に練習熱心で、声も出ている。ベンチ入りしている4年生で話し合って、2人を呼ぼうということになりました」。ベンチ外になる後輩がいることも分かっていた。それでも、チームの士気を高めるためには2人の存在が必要だった。

 井尻監督も選手の要望に応え、帝京大との2戦目からメンバーが入れ替わった。以降の5試合で負けたのは1試合のみ。黒澤は15日の筑波大戦で代打で出場し、左安打も放った。「優勝の可能性があるうちは諦めないようにしようという気持ちが結果につながった」と、門馬も変化を実感した。

 3月、東海大相模高(神奈川)を率いる父・門馬敬治監督が、弟・功さんとともに春の選抜で優勝。家族の奮闘を、自身のモチベーションにつなげた。昨年の秋季リーグ戦順位によって暫定3位で臨む優勝決定戦は、暫定2位の桜美林大と再び相まみえるが、やることは変わらない。「日本一に向け、勝つだけです」。再出発の春に、栄冠を添えてみせる。(川村虎大 / Kodai Kawamura)