有終トライ決めた福岡、記者会見で語った言葉とは ラグビーの日本選手権を兼ねたトップリーグ(TL)のプレーオフトーナメント…
有終トライ決めた福岡、記者会見で語った言葉とは
ラグビーの日本選手権を兼ねたトップリーグ(TL)のプレーオフトーナメント決勝が23日、東京・秩父宮ラグビー場で行われ、パナソニックが31-26でサントリーを下し、5季ぶり5度目の優勝(三洋電機時代含む)を飾った。現行システムでは最後となるトップリーグで優勝5度はサントリーに並ぶ最多。今季限りで引退する2019年ラグビーW杯日本代表WTB福岡堅樹は、前半30分にトライを決めるなど有終の美を飾った。
現役ラストマッチで持ち味を発揮した。前半30分、福岡は左サイドで松田からの飛ばしパスを受けると、狭いスペースに突進。最後はボーデン・バレットを振り切って左隅にトライを決めた。これがラグビー人生最後のトライ。チームもサントリーの反撃をしのぎ切った。
試合後の記者会見での一問一答は以下の通り。
――スタンドには横断幕もたくさんあった。ファンに伝えたいことは?
「とにかくずっと僕自身、パナソニック、日本代表を応援してくださったことに感謝を伝えたい。応援があったからこそ努力を続けてこられた。これからはサポートしてもらったことに恩返しできたらいいなと思っています」
――試合終了の瞬間感じたことは?
「本当に良かったなと。そのためにこれまでやってきた。大学に入学してからはハードなスケジュールでやってきた。努力が実ったので本当に嬉しかった。ラグビー人生に関しては……自分自身まだ実感がない。離れてみて感じる部分はあると思います。確実に言えるのは、自分がやりたいことはやり切ることができた。後悔はない」
――本当にやらない?
「基本的にはその予定です(笑)」
――優勝して終われるようにと以前から話していた。受験や授業もあって大変だったと思うがどういうことを意識しながらやってきたのか?
「やっぱり今までラグビーに全てを費やす生活とは大きく変わって、今までやってきたままではコンディションの調整も難しかった。限られた時間をいかに有効に使えるか。移動だったり、怪我をしないようにとか。しっかりコントロールしてパフォーマンスを上げられるように試行錯誤してここまでやり抜くことが出来たと思います」
異例の転身、後輩たちへ「1つの可能性として捉えてもらえれば」
――試合後に日本代表でプレーした流大選手と言葉を交わすシーンもあった。
「試合の時点では間違いなく敵。100%勝つ気でやります。終わった後は、大(ゆたか)からも『お疲れさま』と言ってもらった。小学校から切磋琢磨してやってきた仲間なので。僕もありがとうという気持ちでした」
――今後選手としてではなく、ラグビーに携わることはあるか?
「はっきりと言い切ることはできないが、ラグビーにはずっとお世話になってきましたし、何かしら貢献できるものがあれば、少しでも貢献できればと思います。プレーヤーとしてではないと思いますが、何か少しでもラグビー界の発展に貢献できればとは思います」
――医師としての目標に向けて、人間としてどう磨いていきたいか?
「色々と学んでいく中で、怪我や病気を治すことだけにフォーカスするのではなくて、その後の人生を考えてどういう選択ができるか。技術は発展していくと思いますが、心の部分だったり、診断の精度ということに関しては人間が基本になる。そういうところは高めていきたい。自分自身、怪我人だった経験もありますし、そういう部分では共感できるところもある。そういうところを強みにして伸ばしていきたい」
――トライシーンを振り返って。終了の瞬間はすぐに周りに駆け寄るわけではなかった。1人の時間を楽しんでいたのか?
「あのシーンは(松田)力也とコミュニケーションが取れていた。目が合った。外のスペースを有効に使えました。自分の中では、いつもの形だった。あの形はとりきれる形だったので、いつも通り自分らしく走り切りました。終わった瞬間は、ホッとしたというのがある。後半は競った展開で、何か一歩違えば逆転されていた。だから、ああ良かったという気持ちがこみ上げました。自分自身、これでラグビーすることはないんだなと……じわじわ感じる部分はありました」
――トップアスリートから医師の道は珍しい。改めて後輩アスリートにはどんな思いを伝えたいか?
「今ラグビー界もプロ化が進んでいる。セカンドキャリアがネックになって踏み出せない選手もいる。色々な道を示すのは、前例がないからと諦めていた選手に対して、こういう挑戦の道もあるんだと。そうした1つの可能性として捉えてもらえれば嬉しいなと思います」(THE ANSWER編集部)