■5月22日/J1第15節 浦和レッズ―ヴィッセル神戸 (埼スタ) 浦和レッズとヴィッセル神戸の対戦は、2-0で浦和が完…

■5月22日/J1第15節 浦和レッズヴィッセル神戸 (埼スタ)

 浦和レッズとヴィッセル神戸の対戦は、2-0で浦和が完封勝利を飾った。

 5月19日に行われたJリーグカップの最終節から中2日という日程の中、浦和はターンオーバーを図り、4-4-2のフォーメーションを採用。

 GKは18歳の鈴木彩艶がリーグ戦3戦連続の先発。最終ラインは右から、古巣対決となったDF西大伍、DF岩波拓也、DF槙野智章、DF明本考浩の4バック。MF伊藤敦樹、MF阿部勇樹がダブルボランチ、右SHにMF田中達也、左SHにMF汰木康也が入った。そして、FW武藤雄樹とFWキャスパー・ユンカーが2トップを務めた。

 試合開始直後から神戸に押し込まれる時間帯が続き、浦和は自陣での守備を強いられる。中盤でボールを奪われ、MFアンドレス・イニエスタのテクニックに苦戦する場面も。また、競り合ったあとのセカンドボールはほとんど相手に拾われていた。

 プレスを仕掛けてボールを奪っても、ビルドアップができず、相手のペナルティーエリアまで攻め上がれない。ユンカーが前線で孤立するシーンも目立った。

 前半はほとんどの時間帯で浦和は後手にまわった印象だ。飲水タイム後には少しずつ持ち直したが、前半のチャンスといえば前半34分に明本がシュートを放ったシーンくらいである。しかし、守備は集中して、相手に隙を与えなかった。相手も決定機やセットプレーの場面では精度を欠き、浦和はなんとか凌ぎ切り、0-0で前半を終えた。

■リカルド流“交代カードの切り方”

 浦和は、後半開始と同時に武藤に代わってMF小泉佳穂を、阿部に代わってMF柴戸海を送り出す。システムも4-2-3-1に変更した。リカルド・ロドリゲス監督は比較的、交代が早い。今シーズンの浦和の公式戦はここまで21試合だが、リカルド監督が後半開始と同時に交代カードを切ったのは、カップ戦も含めてこれが12試合目となる。修正を図るためなら、早い段階で大胆にテコを入れることも厭わない。

 すると、この交代策が功を奏し、ボールの動きも人の動きも一気に活性化した。

 浦和は後半2分、左サイドで汰木が明本からパスを受けると、相手陣内の深くからゴール前へクロスを送る。待ち構えていた田中が叩きつけるようにして頭で合わせると、相手GKの手に当たりながらも、ゴールに吸い込まれた。田中は前節のG大阪戦に続いて、2試合連続ゴールとなった。

 前半は相手に攻め込まれていただけに、後半の立ち上がりでチャンスを確実に決めて先制点を奪えたことは、精神的にも優位に立てたにちがいない。その後の浦和は落ち着きを取り戻し、ボールを握る時間が増えた。小泉や柴戸が起点となって中盤でボールをさばけるようになり、前半とは見違えるほどチャンスを立て続けに作っていく。

 浦和に追加点が生まれたのは、後半40分。左CKからの二次攻撃で、右サイドで西が相手のクリアボールを拾うと、ゴール前へクロスを送る。これを岩波が競ると、こぼれたところにユンカーが左足で押し込んで、2-0と浦和がリードを広げた。ユンカーは、これでリーグ戦3試合連続ゴール。カップ戦も含めてすでに5得点と、早くもチーム最多得点となった。

 試合終了間際には相手も追いつこうと猛攻を仕掛けるが、結局、相手には得点を許さず、試合はこのまま2-0で終了。浦和は公式戦としては4試合連続での完封勝利となった。勝ち点を26に伸ばし、順位は6位へと躍り出た。

◼田中「どんな試合でも勝ち切れるチームが上位に行くはず」

 リカルド監督は、試合後の会見で、「前半は相手に支配され、相手のセットプレーやコンビネーションプレーから危ない場面があった。後ろに引いて守ることはあまり好きではないが、我慢を強いられる時でもしっかりと対応できている。最近は無失点で抑えられている試合が多くあり、守備も安定していると思う。前半の最後のあたりから次第に落ち着いてきてボール動かせるようになったが、ハーフタイムで修正を図り、後半は攻撃も改善された。今回の相手は強敵だと思っていたので、後半の早い時間帯に点を取れて良かった。選手たちは難しい試合でよくやってくれた」と語った。

 連続ゴールを打ち立てているユンカーの活躍については、「彼は得点も取るだけではなく、適切なタイミングで顔を出してフィニッシュまで持っていける。今日は後半も良いディフェンスをしてくれた。新加入選手がチームに順応していくのは重要なこと。彼のゴールはチームを救ってくれている。これからもっと良くなっていくはず」と、太鼓判を押した。

 また、2試合連続ゴールを決めた田中は、試合後の会見で得点シーンでの狙いを振り返り、「クロスの場面では狙って合わせようという意識を持っていたし、あの形は練習どおりだった。個人的にはヘディングシュートはあまりない形なので、自分でもびっくりするようなゴールでした」と、笑みをこぼした。

 最近の個人やチームとしての手応えを問われると、「個人的には走ることもできているし、チャンスを決め切り、ゴールやアシストができているのは良いこと。チームとしては、G大阪戦や今日の試合のように、押し込まれても自分たちのスタイルを発揮できていて、チーム力が上がっていると思います。自分たちはボールを持ちたいので、今日の前半は嫌な時間が続いたが、“こういう状況でも守り切ろう”と選手同士で声を掛け合い、失点しないようにできている。シーズンを戦う中ではこういう試合もあるのと思うので、我慢しながら自分たちのチャンスになった時には得点するということが大切。そういうチームは上位にいけると思う」と話した。

 埼スタからの帰り道、サポーターたちはこんな言葉をしきりに話していた。

 「良い試合ができるようになったね」――

 実際、去年のシーズンでは、試合終了のホイッスルが鳴る前から席を立って帰路に就く人の姿が多く見られた。

 だが、今日の試合後はほとんどのサポーターがスタジアムに残り、挨拶にやってきた選手たちの姿が見えなくなるまで、健闘を称えていた。

 田中の言葉どおり、長いシーズンを戦う上では、相手にコントロールされる厳しい試合もある。しかし、どんな展開になっても勝ち点をしっかり拾えるというのは、最近の浦和の大きな強みだ。今日の試合内容をまたひとつの経験値として、チームの力にしていきたい。サポーターにとっては、“強いレッズが帰ってきた”という予感を感じずにはいられないだろう。

■試合結果

浦和レッズ 2-0 ヴィッセル神戸

■得点

47分 田中達也(浦和レッズ)

85分 キャスパー・ユンカー(浦和レッズ)

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