サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~Question武藤雄樹はファーの田中達也を見て、どう動いたか? 浦和レッズ…

サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~

Question
武藤雄樹はファーの田中達也を見て、どう動いたか?

 浦和レッズが直近の公式戦で3連勝と好調だ。それを牽引しているのは、今季途中から加入したデンマーク人FWのキャスパー・ユンカーである。

 昨季ノルウェーリーグの得点王となり、MVPを獲得したユンカー。4月26日にチーム練習に合流し、ルヴァンカップ第5節柏レイソル戦で先発した。すると、前半9分に巧みなランニングで抜け出して早速ゴールを決め、鮮烈なデビューとなった。

 つづくJ1第13節ベガルタ仙台戦で1ゴール、第14節ガンバ大阪戦でも2ゴールと、その勢いは止まらず、得点力が不足していた浦和に勢いをもたらしている。



左からのクロスに合わせようと、ゴール前へあがっていくシーン。中央の武藤はどう動いただろうか

 そのG大阪戦の前半20分のシーンだ。ユンカーが右サイドから大きくサイドチェンジのパスを明本考浩へと展開した。その瞬間に中央の武藤雄樹がゴール前へと走り出すが、この時、右サイドから田中達也がトップスピードであがってくるのを確認した。

 その田中の動きを見て、武藤はこのあとどうしただろうか?

Answer
一度ファーサイドへ膨らみ、CBを引きつけた

 崩しの形としては、非常にシンプルなゴールである。ただ、その一つ手前の武藤の駆け引きが巧みなシーンだった。



武藤はファーからニアへの動きで相手を引きつけ、スペースを空けた

 ユンカーが、右サイドから逆サイドの明本へ大きくサイドチェンジのパスを出すところから、このチャンスは始まる。スペースに出されたパスに明本が猛然と駆けあがり、それに合わせて浦和はG大阪ゴールへと迫っていく。

 そのなかで中央の武藤は、ゴールに向かって走ろうというタイミングで、逆サイドの田中がトップスピードであがってくるのを確認すると、右斜め前の三浦弦太の方向へランニングコースを転換した。

 そしてペナルティーエリアに入るタイミングでニアサイドへ方向転換。この動きに三浦は釣り出された。これが武藤の狙いだ。

 次の瞬間、明本が左足で鋭いグラウンダーのクロスを、武藤が空けたファーサイドのスペースに入れる。そのボールを走り込んだ田中がダイレクトで押し込んで、追加点を決めた。

 ユンカーのサイドチェンジのパスから明本の質の高いクロスと、G大阪の昌子源を振り切った田中のランニングはすばらしかった。だが、それらをつなげた武藤の、スペースを空ける駆け引きのランニングが見事なシーンだった。