ミャンマー戦、タジキスタン、キルギス戦(以上、W杯アジア2次予選)及びジャマイカ戦、セルビア戦(以上、キリンチャレンジ…

 ミャンマー戦、タジキスタン、キルギス戦(以上、W杯アジア2次予選)及びジャマイカ戦、セルビア戦(以上、キリンチャレンジ杯)を戦う日本代表、そしてガーナ、ジャマイカと親善試合を行なうU-24日本代表チームのメンバーが発表された。

 また、日程の都合上、Jリーグ勢を招集することができないミャンマー戦(5月28日)のフル代表は、ガーナ戦、ジャマイカ戦を戦うU-24代表の海外組から、9人がそこに加わることになった。

 中山雄太(ズウォレ)、冨安健洋(ボローニャ)、橋岡大樹(シント・トロイデン)、菅原由勢(AZ)、板倉滉(フローニンゲン)、三好康児(ロイヤル・アントワープ)、遠藤渓太(ウニオン・ベルリン)、堂安律(ビーレフェルト)、久保建英(ヘタフェ)。

 五輪の代表チームは、ご承知のように18人編成だ。そのうち2人がGKなので、フィールドプレーヤーの枠は16人。そこにオーバーエイジが3人加わるので、24歳以下のフィールドプレーヤー枠はわずか13人となる。



オーバーエイジ枠で東京五輪に出場すると見られる吉田麻也(サンプドリア)

 ミャンマー戦の日本代表メンバーに選出されたこの9人のフィールドプレーヤーは、国内組を呼べないという事情があるとはいえ、選考レースで優位に立っていると見るのが常識的だ。

 五輪チームは本番直前にも強化試合が2試合ほど予定されているようだが、選考レース自体は、今回の2試合でほぼ終了となる。そこでプライオリティの高さが鮮明になっているのが、この9人というわけだ。

 すでに日本代表の守備の柱に成長した冨安を筆頭に、久保、堂安、中山、三好、板倉、そして菅原あたりまでは、これまでの経緯を踏まえれば、妥当な選考のように見えるが、それ以外の2人(遠藤渓太、橋岡)は、今回、一気に格を上げた印象である。

 遠藤渓太が所属するウニオン・ベルリンは現在、ブンデスリーガ7位。そこで絶対的なレギュラーとまでは言えないが、コンスタントに出場を果たしている。終盤の大一番、バイエルン戦、ドルトムント戦では4-2-3-1の3の左として先発を飾り、及第点以上のプレーを披露。昨年までの五輪代表レースでは、好位置につけていたとは言い難い存在だったが、最後の直線を迎えて脚色よくグッと伸びてきた感じだ。

 橋岡が浦和レッスを離れ、日本人選手が多数プレーするシント・トロイデンに移籍したのは今年の初め。シーズン途中の移籍だったが、3月6日のシャルルロワ戦から、右サイドバック、あるいは右ウイングバックとして、スタメンフル出場を続けた。シント・トロイデンはベルギーリーグ15位。三好が所属するアントワープ、伊東純也が所属するゲンクに比べると、チームのレベルは大きく落ちる。そこをどう評価するかだが、森保一監督は、今回U―24 のみならず、日本代表にまで抜擢。まさに2階級特進の勢いで、遠藤渓太ともども、海外移籍を成功させた。

◆サッカー東京五輪代表メンバーを識者が大予想。18人はこうなる!

 話は前後するが、注目されたオーバーエイジ枠に選ばれた3人は、吉田麻也(サンプドリア)、酒井宏樹(マルセイユ)、遠藤航(シュツットガルト)の3人だった。いずれも低い位置で構える守備的な選手である。この決定をしたのは、森保監督なのか。U-24の横内昭展監督のか。「金メダルを狙う」(森保監督)なら、この選考こそ最重要ポイントになる。誰を選ぶかでサッカーが大きく変わることは言うまでもない。議論は尽くされるべきだし、選者には結果に対する責任も発生する。

 今回の五輪チームの、一番と言いたい問題は、監督の姿が鮮明でないことだ。森保監督なのか、横内監督なのか。今回、U-24日本代表と日本代表は日程が重なるため、U-24は横内氏が監督として采配を振るう。兼任監督としてスタートした森保監督だが、U-24の監督を満足に務める機会は、時間とともに激減。そうした流れの中で、オーバーエイジ枠という決断を下す時を迎えた。

 自国開催の五輪だ。開催に否定的な国民が多数を占め、さして盛り上がっているようには見えないものの、今回は一大事である。不成績を収めることは許されない。

 その覚悟が、今回のメンバー発表の会見から窺えたかといえば、ノーだ。3人を選んだ理由について、丁寧な説明はなかった。

 今季、ブンデスリーガで大した活躍ができていないとはいえ、大迫勇也(ブレーメン)は、3人の中に加えるべきか否か、悩まなくてはならない選手になる。林大地(サガン鳥栖)、前田大然(横浜F・マリノス)、上田綺世(鹿島アントラーズ)、田川亨介(FC東京)という、今回選ばれたU-24の前線の顔ぶれを見渡せば、ボールを収めることを得意にする選手はいない。

 大迫に加え、鎌田大地(フランクフルト)を要する日本代表に比べ、単調な攻撃に陥りがちだと見る。後方の選手は2人で十分ではないのかとは筆者の見解だが、こうした話をすることが、サッカー人気を維持するうえで大切なポイントでもあるのだ。大袈裟に言えば、究極の選択になる。この重い判断を下すに至った経緯に加え、その責任についても詳らかにする必要がある。

 自国開催の五輪でうまくいかず、不成績に終わったら、その責任は誰がとるのか。兼任監督である森保監督だとすれば、辞任、解任は必至だ。反町康治技術委員長の立場も怪しくなる。このオーバーエイジ3人の選択は、日本の浮沈のカギを握る最大のポイントといっても過言ではない。首脳陣にその覚悟はあるのか。

 オーバーエイジ枠の3人が後方に固まったことで、従来、そのポジションで選ばれてきた選手は今回、軒並みメンバーから外れることになった。

 渡辺剛(FC東京)、原輝綺(清水エスパルス)、瀬古歩夢(セレッソ大阪)、田中駿汰(北海道コンサドーレ札幌)、中野伸哉(鳥栖)。先日、U-24アルゼンチン代表と戦ったメンバーの中からだけでも、計5人が外れることになった。

 今回選出されたU-24のメンバーは計27人で、オーバーエイジの3人を除けば24人だ。さらに、先に述べた日本代表にも選出された9人は当確が見えていると考えると、15人の中から這い上がれるのはわずか6人。そのうちGK枠が2なので、フィールドプレーヤーは、次の中から4人または5人しか選ばれない可能性が強い。

 町田浩樹(鹿島)、旗手怜央、三笘薫、田中碧(以上川崎フロンターレ)、古賀太陽(柏レイソル)、相馬勇紀(名古屋グランパス)、食野亮太郎(リオ・アベ)、林、前田、上田、田川。

 森保監督、横内監督の選手を選択する眼力に、とくと目を凝らしたい。