今季も各球団に新たな外国人選手が加入した。9年のメジャー経験で実績を残したヤクルトのロス・オーレンドルフのような選手もいれば、巨人入りしたケーシー・マギーのようにNPB再挑戦となる選手もいる。その中でも注目したいのが、ロッテの新外国人ジミー…

今季も各球団に新たな外国人選手が加入した。9年のメジャー経験で実績を残したヤクルトのロス・オーレンドルフのような選手もいれば、巨人入りしたケーシー・マギーのようにNPB再挑戦となる選手もいる。その中でも注目したいのが、ロッテの新外国人ジミー・パラデス内野手だ。

■練習熱心な新助っ人は3Aで通算打率3割の新DH候補

 今季も各球団に新たな外国人選手が加入した。9年のメジャー経験で実績を残したヤクルトのロス・オーレンドルフのような選手もいれば、巨人入りしたケーシー・マギーのようにNPB再挑戦となる選手もいる。その中でも注目したいのが、ロッテの新外国人ジミー・パラデス内野手だ。

 昨季まで3年間主砲として打線を牽引したアルフレド・デスパイネが退団し、ソフトバンクへ移籍。その抜けた穴を埋めるべく契約したのがパラデスだった。ドミニカ共和国出身の28歳。2011年にアストロズでメジャーデビュー後、メジャーとマイナーを行き来しながら、6シーズンで通算332試合に出場し、打率.251、20本塁打、100打点を記録した。メジャーでは目立った打撃成績を残せなかったが、通算4季を過ごした3Aでは通算打率.301をマークしている。

 デスパイネほどの本塁打は期待できないが、マイナー通算10シーズンで190盗塁を決めた足は魅力だ。そもそも本拠地ZOZOマリンスタジアムは投手有利の球場。一発は出なくても、二塁打、三塁打、あるいは盗塁という形で進塁し、打線の起爆剤となる可能性は高い。パラデスの後ろに昨季首位打者の角中勝也や新外国人マット・ダフィーが続けば、新たな得点パターンが生まれてくるだろう。二塁、三塁、外野の守備にも定評はあるが、伊東勤監督によれば、パラデスは主にDHを任される方向。それでも熱心に二塁や三塁でノックを受ける真面目な姿勢は、首脳陣に好印象を与えているようだ。

■メジャー球団からオファーも「可能性の高さに賭けてみたかった」

 石垣島でのキャンプに臨むパラデスは、初体験の日本式キャンプに「すごく毎日が新鮮。(メジャーよりも)長くて濃い練習だけど」と、愛くるしい笑みを浮かべる。メジャー球団からも複数オファーはあったというが「新しい挑戦に魅力を感じたし、1年を通じて1軍でプレーし続けられる可能性の高さに賭けてみたかった」とロッテ入りを決断。「好成績を残して、長く日本でプレーしたい」と、決して腰掛けの日本移籍で終わらせるつもりはない。

「ヤキニク最高!」とキャンプ地特産の石垣牛にすっかり魅了された様子だが、関係者によると体調管理の一環として、シーズン中には母国ドミニカ共和国の料理を作ってくれるシェフを呼び寄せる計画があるそうだ。

 開幕後にパラデスがどこまでチーム内で存在感を増すことができるか。2010年以来となる日本シリーズ優勝を目指す上でのキーパーソンとなりそうだ。

佐藤直子●文 text by Naoko Sato