■5月15日/J1第14節 鹿島アントラーズー横浜Fマリノス(カシマ) Jリーグの誕生日である5月15日に、横浜Fマリノ…
■5月15日/J1第14節 鹿島アントラーズー横浜Fマリノス(カシマ)
Jリーグの誕生日である5月15日に、横浜Fマリノスがカシマスタジアムのホームに乗り込んだ“オリジナル10対決”は派手な打ち合いとなった。白のユニフォームに身を包んだトリコロール軍団が先制したが、その後鹿島に5得点を奪われ大敗してしまったのだ。横浜Fマリノスはリーグ戦11試合無敗記録が途絶え、川崎フロンターレの背中が一歩遠のいてしまった。
《5月15日 マリノスの勝利から全てが始まった 勝利の歴史を刻み続けるぞ》
大挙してカシマスタジアムに駆け付けたトリコロールサポーターが掲げた横断幕は、自信に満ちあふれたものだった。1993年のこの日、マリノスは旧国立競技場でヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ1969)と対戦。記念すべきJリーグ第1号のゴールこそ譲ったものの、Jリーグ最初の勝利を手にしたのはトリコロールのユニフォームだった。
それから28年。今までJ2に降格経験のない“オリジナル10”はわずか2チームだけ。その2チームが、Jリーグ誕生の日にぶつかったのだ。両チームともに好調な中で迎えたゲームだった。片や11試合無敗の横浜Fマリノスと、相馬監督就任後の公式戦9試合で6勝3分と無敗で推移する鹿島アントラーズ。上位進出を狙ううえで、どちらも負けられない気持ちは同じだった。
■勝ち越すかに思われたが…
注目を浴びた一戦は、試合開始直後から激しい展開となった。互いに激しくプレスをかけてボールを奪いにかかり、中盤では激しいぶつかり合いが展開された。マリノスはサイドからFW前田大然やFWエウベルがドリブルで仕掛ければ、鹿島はサイドに人数を密集させてレーン移動のパスを織り交ぜながら前進しようとした。
そんな試合で先制したのはアウェイチームだった。マルコス・ジュニオールとのワンツーからDF町田浩樹を振り切って左サイドを突破したエウベルが中に高速クロス。これをFWオナイウ阿道が頭で合わせたのだ。直近3試合を完封していた鹿島のゴールをこじ開け、自分たちのペースに持ち込めるかと思われた。だから、前半終了間際にセットプレーからFW土居聖真に1点を返されても、トリコロールが勝ち越すかのは時間の問題に思われた。
ところが後半最初の10分で試合の趨勢は決まってしまった。鹿島アントラーズが開始30秒で逆転弾を奪うと、53分、55分と立て続けにマリノスが失点。58分にアンジェ・ポステコグルー監督が4枚替えを敢行。その甲斐もあって74分にオナイウがこの試合で2点目を決めて点差を縮めようとしたが、その3分後に鹿島がさらに追加点。90分に天野純がチーム3点目を奪ったが、焼け石に水だった。
■後半のアタマが試合の分岐点に
試合全体を眺めれば、後半のアタマが分岐点だったことになる。マリノスは同じく強いプレスをかける戦い方だったが、鹿島はマリノスのその戦い方を逆手に取った。後半開始から徹底的に裏を狙う戦い方に徹した。マリノスはその都度ピンチを迎えた。そして、失点はすべて裏を狙った攻撃から喫したのだ。
土居聖真が後半開始30秒で奪ったゴールは、白崎凌兵がボールを持つやマリノスのディフェンダーがボールを奪いにいく。その裏にできたスペースを土居が利用したものだ。土居のPK弾も、土居が出した裏へのスルーパスに松村優太が走り込んだところを、ティーラトンが倒してしまった。荒木遼太郎の得点も、その前にレオ・シルバがマリノスの左サイドの裏を突いたことが起点となっている。上田綺世の得点も、直接的には高丘陽平のトラップミスだが、そのボールはファン・アラーノが裏を狙って上田に出したものだった。
マリノスがボールホルダーに強くいくことを鹿島は逆手に取って、できたスペースにボールを出される、あるいは、スペースに選手をおびき寄せられてチャンスを作られた。アタッキングサッカーを標ぼうして3ゴール決めても、5失点しては勝てるはずもなかった。
カシマスタジアムで沈没したことで、高丘は「もう過去は変えられません。自分なりに反省して、この敗戦から学んでどう立ち直っていくか」と言葉を振り絞ったが、マリノスはその攻略法をさらけ出されてしまい、実は、難しい選択を迫られている。