女子日本代表若手の注目株、柳本あまね選手。「久しぶりの試合で、気持ちよく入れたが、プレー面では満足していない。シュートも入らず、課題がたくさん見つかった。スピードが持ち味なので、アーリーオフェンスで攻めていきたい」開幕が迫る東京パラリンピッ…

女子日本代表若手の注目株、柳本あまね選手。「久しぶりの試合で、気持ちよく入れたが、プレー面では満足していない。シュートも入らず、課題がたくさん見つかった。スピードが持ち味なので、アーリーオフェンスで攻めていきたい」

開幕が迫る東京パラリンピックに向けた強化の一環で、車いすバスケットボールの男女強化指定選手が参加して、「有明特別強化試合」が5月9日に開催され、全2試合が実施された。会場は東京パラの会場となる有明アリーナ(東京都江東区)で、本番前にゴールリングの固さや動線など、コート内外の環境を確認できる貴重な機会にもなり、「いいシミュレーションができた」と選手たちは口をそろえた。

緊急事態宣言下でもあり、取材陣にもPCR検査が求められるなど徹底したコロナ感染症対策が施された。試合も無観客開催となったが、観戦機会としてYouTubeでのライブ配信も行われた(▶︎アーカイブ動画はこちら:https://www.youtube.com/channel/UC19Oe6wsdfLww1byaawHy8A)。

第1試合は女子日本代表候補チームが男子強化指定選手も含まれたクラブチームの強豪、千葉ホークスと対戦した。女子日本代表にとって昨年2月の「国際親善女子車いすバスケットボール大阪大会(大阪カップ)」以来の本格的な対外試合となったが、高さやスピードのある海外勢を想定した千葉ホークスを相手に実戦感覚を取り戻し、チームの現在地を確認する機会でもあった。

試合は千葉に先制点を奪われるも、女子も北田千尋(カクテル)のリバウンドからのシュートや萩野真世(SCRATCH)のミドルシュートなどで食らいつき、前半は28-33で折り返す。だが、後半に入ると、高さのある相手守備に阻まれてパスミスも目立ち、少しずつ引き離され、45-64で敗れた。

女子チーム一の長身、北田千尋選手。「責任をもって、40分間安定して守り続け、ディフェンスリバウンドをしっかりとることを意識し、精度を高めたい」

岩佐義明ヘッドコーチ(HC)は、「速く高い相手だったが、(できれば)10点差に抑えたかった。中盤でのスピードが遅く、ターンオーバーも多く、修正点が多い」と振り返り、特に、2人のビッグマンがいる千葉ホークスに対して、「もっと積極的なプレスが必要だった。フィニッシュの精度も昔からの課題。練習では入るが、試合での確率を上げないと、勝ちゲームにはならない」と課題を挙げた。

一方、選手交代を積極的に行い、「ベンチスタートの選手も結果を出し、手ごたえはあった」とチーム力を振り返り、今後も男子選手の胸を借りながら、女子同士の紅白戦では培えない高さやスピードへの対応、試合勘などを養いたいと話した。

この4月から新たに共同キャプテンに就任した網本麻里選手(左から2人目)

また、藤井郁美(SCRATCH)キャプテンに加え、今年4月から新たに共同キャプテンに就任したという網本麻里(カクテル)キャプテンは、「前半は流れがよく、自分たちがやってきたことが見えたときは手ごたえがあった」と収穫を口にし、「流れが悪い時間をどれだけ短くできるかを意識し、チームとして40分間、しっかり戦えるようにしたい」と話した。

 

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