圧巻のブルペンだった。次々と捕手のミットに飛び込んでいくボール。心地よい捕球音が、ブルペン内に響き渡る。ボールを見ながら、何度も頷くコーチ陣がいた。ボールを投じていたのは昨季のドラフト1位・高橋純平、19歳。その変わり身ぶりに、目を見張った…

圧巻のブルペンだった。次々と捕手のミットに飛び込んでいくボール。心地よい捕球音が、ブルペン内に響き渡る。ボールを見ながら、何度も頷くコーチ陣がいた。ボールを投じていたのは昨季のドラフト1位・高橋純平、19歳。その変わり身ぶりに、目を見張った。

■制球に改善見えた53球…目を見張る変わり身の裏にある「屈伸」とは

 圧巻のブルペンだった。次々と捕手のミットに飛び込んでいくボール。心地よい捕球音が、ブルペン内に響き渡る。ボールを見ながら、何度も頷くコーチ陣がいた。ボールを投じていたのは昨季のドラフト1位・高橋純平、19歳。その変わり身ぶりに、目を見張った。

 宮崎キャンプ第2クール最終日となった9日、右腕は53球のピッチングを行った。そのボールは低く抑えられ、糸を引くような球筋を描いて、ミットへと到達していた。大きく外れるようなボールは数えるほどしかない。「今日は良かったです。つかみ始めました」。制球に課題を残していたはずの姿は感じられなかった。

 第2クール初日。今キャンプで初めてフリー打撃の打撃投手を務めた。最速154キロを誇る真っすぐで、松田宣浩、吉村裕基、福田秀平という1軍の実力者を押し込むなど、球威の強さを見せた。その一方で、松田に27球中11球、吉村に33球中13球、福田に23球中9球がボールとなり、特に高めへと抜けるボールが多かったのも事実だった。

 そこから、わずか2日。“変身”には、あるきっかけがあった。

 高橋本人が明かす。

■ボールが抜ける原因に…体の開きの早さを克服する練習とは

「左足が突っ張る前に、1つ屈伸を入れるようなイメージです。左足に重心が乗り切るようにする。それがちょっと(屈伸が)入ったかな」

 高卒2年目とあって、まだ下半身のパワーが足りない高橋。これまでは左足に重心が乗り切る前に、腰が回転。体が開くのが早く、ボールが抜ける原因の1つになっていたという。

 先に記したフリー打撃での登板後。高村祐投手コーチから、このポイントについて指摘、アドバイスを受けたという。

「キャッチボールとかでも少しやってみて、強化メニューにも取り入れるようにし出した」

 そして、この日のブルペン。左足がつき、一呼吸置くようにして、一気に腰が回転していた。「ちょっとできるようになった。低めにいくようになったのと、捕手の膝付近のボールが垂れなくなった」と、自身でも変化を感じ取った。

「つかんで忘れないように、投げ込みたい」と好感触を得た右腕。ドラ1ルーキーの田中正義が注目を集める今キャンプ。昨季のドラ1も、決して引けは取らない。

福谷佑介●文 text by Yusuke Fukutani