コロナ禍でスポーツや音楽のイベントが次々と中止になり、業界の未来が見通せない状況の中、“百獣の王”が立ち上がった。 「大会がなかったら、ライブが開催できなかったら、アスリートやミュージシャンにとって今の時間は全…

コロナ禍でスポーツや音楽のイベントが次々と中止になり、業界の未来が見通せない状況の中、“百獣の王”が立ち上がった。

「大会がなかったら、ライブが開催できなかったら、アスリートやミュージシャンにとって今の時間は全く価値がないのか? そうじゃない、何か世の中に発信できることがあるはず。スポーツと音楽が一緒になって新しい形を探っていくことが、これからの時代に必要なんじゃないかと思ってスタートさせました」

熱く語るのは、陸上十種競技の元日本チャンピオンで現在はタレントとして活動する武井壮さんだ。自身が発起人となり、5月上旬にアスリートとミュージシャンが業界の垣根を超えて活躍の場をつくるプロジェクト「#スポーツを止めるな #音楽を止めるな」を始めた。Tiktokで楽曲『魔法の絨毯』がブレイクし若年層を中心に人気を集めるアーティスト・川崎鷹也さんとタッグを組み、幅広い分野へ活動を波及させていく。

|「真逆」の2人が生む化学反応

プロジェクトの第一弾として、川崎さんが作詞・作曲を手掛けたキャンペーンソングをラジオやS N S上で発表した。軽快なメロディに「お前の夢を語れよ」「武者震いと共に笑え」と力強い言葉が並ぶファイトソングだ。
作詞にあたり、武井さんが川崎さんの事務所に赴き伝えたい思いを語ったという。武井さんは「僕がスポーツを通して世の中に発信していきたいことはなんだろうとか、川崎君が歌を通してやっていきたい活動ってどんなことだろうとか、お互いに話しました」と曲が形になるまでの裏側を明かした。

スポーツと音楽の架け橋となるべくプロジェクトを始めた武井さんと川崎さんだが、2人の考え方は“真逆”だという。武井さんは「川崎君の歌っていうのは基本的に、愛する奥さんたったひとりに届けばいいって歌ったラブソングなんですよ。僕は逆に、スポーツはよりたくさんの人に見てもらってすごいなと感じてもらうことが価値だと思っている」と話す。

武井さんは、なぜ正反対の考えを持つ川崎さんにプロジェクトを依頼したのか?

「真逆のことを考えている2人だからこそ、良いコラボレーションが生まれる。そう思って今回オファーをさせていただきました。みんなに見てもらうことだけが価値じゃない、でも1人で楽しむことだけが価値でもない。その両方を含んだ新しい価値を発信していきたいと思います」と狙いを語る。

今後は川崎さんのキャンペーンソングを起点としてプロジェクトを展開。参加したアスリートたちが歌った動画をS N Sに投稿したり、動画を繋いでP Vを制作したりと魅力的な企画を予定している。「アスリートは歌手みたいにうまく歌えるわけじゃないけど、スポーツで積み上げた人間性だったり、人としての愛らしさだったりとかが歌に乗って届けばいい」。
また、スポーツ業界の外にも影響を広げていく考えで、「アーティストたちがこの曲を歌ってTiktokとかで配信してくれたら嬉しいし、いくらでも広げられると思っています。ドラマや映画などいろいろなコラボが考えられるので、様々な分野とこの曲で繋がって、試合会場にきてもらう、ライブ会場にきてもらう以外の価値を提供していきたいと思っています」と武井さんは展望を語る。

|僕らの“ワクチン”を作っていく

コロナ禍を巡る現在の状況について、武井さんは「スポーツにとっても音楽にとっても非常に難しい状況」としつつも「新しい形を見つけていかないといけない時代が来ているんだなって感じる」と冷静に受け止める。「試合会場やライブ会場以上に盛り上がることがないって言い切っちゃたら、多分この先はないと思うんですよ。だからこそ今こういう危機になって苦しんでいるのだとしたら、僕らの活動での“ワクチン”を作っていかないといけない。それはどんな形だろうと模索する一歩目として、スポーツとか音楽とかジャンルを分けずに、我々が世の中に届けることができるコンテンツを混ぜ合わせて組み合わせていきたい」

川崎さんが作詞したキャンペーンソングは、サビで「ひとり戦う戦士よ」とアスリートやミュージシャン、そしてコロナ禍の苦境の中でもがく人々に向けて呼びかける歌となっている。武井さんは「苦しい思いをしている人はたくさんいると思いますけど、それだけじゃない、まだまだ踏み出せる可能性はあるし新しい道もたくさんあるよっていうことを少しでも感じていただきたい」と今回のプロジェクトを通して世の中に伝えていきたいことを語っていた。

最後にファイティングポーズを取り、「ぜひこの曲を聴いて、『そうだ、僕も戦える戦士の1人なんだ』というのを感じていただけたら嬉しいです。みんなで戦っていきましょう!」と力強く呼びかけていた。

川崎さんが歌うキャンペーンソングのショートverをTikTokで先行配信中!
配信ページはこちら→https://www.tiktok.com/@takaya_kawasaki/video/6958735816071974146?lang=jaTik&is_copy_url=1&is_from_webapp=v1&fbclid=IwAR1Z6sg0-Z92fq5xJ3KeOlQm2ON2JtTCHruS6k5RoSbqcNcm2lnMcI-x1jo