サウスポーでクレバーなテニスが魅力の中学3年生将来の活躍が期待される注目のジュ…
サウスポーでクレバーな
テニスが魅力の中学3年生
将来の活躍が期待される注目のジュニア選手を紹介するこのコーナー。5回目は、2019年全国選抜ジュニア12歳以下覇者で、世界で通用するプロテニスプレーヤーを目指す女子ジュニアのために富士薬品が最大3年間のサポートを行う「富士薬品セイムス ワールドチャレンジプログラム」TEAM2007のメンバーである辻岡史帆(つじおか・しほ/SYT月見野テニスクラブ)選手にインタビュー。どのようなきっかけでテニスを始め、日ごろはどのような練習を行っているのか。そして技術的にはどのような点を意識しているのか。日本テニス界のダイヤの原石に迫る!
【画像】辻岡史帆選手の写真をチェック
練習は毎日!「年上の人たちと
ラリーすることが多いです」
――どのようなきっかけでテニスを始めたのですか?
2歳上のお兄ちゃんと、いとこがテニスをやっていて、おもしろそうだなと思って、私も一緒にやってみようと始めました。4歳ぐらいの時だったと思います。実際にやってみて、とても楽しかったという記憶があります。ベビーの頃から水泳をやっていたのですが、あまりうまくならなかったので嫌になってやめちゃいました(笑) テニスは楽しかったので、これまで続けてきたという感じです。
――辻岡選手はサウスポーですが、きっかけは何かあったのでしょうか?
特に何かあったわけではなく、基本的に左利きで、小さい頃から自然に左でやっていました。ボールを蹴ったり投げたりするのも左で、自然にうまくできたので、テニスも左で打つようになった感じです。ただ、文字を書いたり、お箸を使ったりするのは右利きに直されました。
――テニスでは、左利きはアドバンテージがあると思いますが、その点についてはどう感じていますか?
正直に言うと、そこまで左利きに特徴があるとは思っていません(笑) 私としては、割と普通にやっているというような意識です。
――辻岡選手は1週間にどれくらい練習していますか?
テニスは毎日、練習しています。クラブでの練習が休みの日でも、自主練みたいに何かしらボールを打つようにしています。
――1日の練習時間は何時間ですか?
平日は1日3時間です。学校に行ったあとに練習します。土日は5時間ぐらい練習していて、たまに朝練をやったりすることがあります。
――どのような練習をしていますか?
基本的にラリーの練習が多いです。決まっている相手と練習するわけではありませんが、クラブで練習している大学生といった先輩や中島(泰祐)コーチなど、年上の人に相手をしてもらうことが多いです。そのラリーの中で、改善点や修正点などを教えてもらっています。
――今、いちばん重視して取り組んでいることは何ですか?
今は、できるだけ早いタイミングでボールを打つ練習をしています。ライジングのようなイメージで、高い打点で打つことを心がけています。早いタイミングで打つほうが、相手に取られにくいので、自分でポイントを決められることが多くなるからです。できるだけ早く攻撃できるように、早いタイミングでボールを捉えることを意識しています。
――辻岡選手は「全国選抜ジュニア」12歳以下で優勝するなど成績を残していますが、テニスを一生懸命やろうと思ったのはいつぐらいの時ですか?
「富士薬品セイムス ガールズカップ2018 決勝大会」で優勝してから、テニスを頑張っていこうと意識し始めました。当時は“優勝できたらいいな”くらいの感じで出場したので(笑)、その優勝後からテニスへ取り組む意識が変わりました。
スイングで気をつけていることは?
どんなギアを使っているのか!?
――得意なショットは何ですか?
以前はフォアハンドよりもバックハンドのほうが得意で、特にバックのクロスが好きでした。今でも好きで、バックのほうがカウンターを打ちやすいのですが、最近はフォアでの展開も増えてきたので、フォアのほうが自信がついてきたかなと思っています。
――フォアは意識的に練習しているのでしょうか?
そうですね。昔は、フォアでは回転をかけてほとんどつなぐショットを打っていたのですが、最近ではとにかく攻めようと思っています。自分の攻撃できるパターンで、スピン系のボールにフラットのボールも混ぜるようにして、できるだけ打ち込むようにしています。フォアで攻撃しようという時は、できるだけボールが落ちる前の高い打点で打つように心がけていますが、難しいなと感じています。今もあまりできていないです(笑) 早くボールに入れるように、フットワークをもう少しよくしたいです。

辻岡選手のフォアハンドの握り。それほど厚くは握っていないという
――先ほど好きだと言っていたバックでクロスに打つ時はどんなところを意識していますか?
できるだけ打点を前にしたい、ということです。後ろになると差し込まれてしまうので、その点は気をつけています。

辻岡選手のバックハンドの握り。上から見た写真
辻岡選手のバックハンドの握り。正面から見た写真
――ボレーはどうですか。試合でネットによく出ますか?
ストロークでの展開が多いのであまりボレーには出ないのですが、足の速い人と対戦すると、追いつかれないようにするためストロークを狙いすぎてしまうことがあります。その結果、アウトなどのミスが多くなるので、最近はボレーに出ようと思って、意識して練習しています。ボレーで気をつけていることは、ボレーを打ったあとの動きを早くすることです。相手から、もう一回ショットが返ってくることを想定して、次の準備をすることが大事だと思っています。
――サーブについては、どのようなことに気をつけていますか?
回転系のサーブは結構できるようになってきましたが、フラットでコースを打ち分けるのが安定しないので、そこを頑張りたいと思っています。意外と回転系のサーブは相手に読まれやすいので、フラットでコースを打ち分けることが大事だと考えています。回転系のサーブにフラット系も混ぜつつ、相手に慣れさせないことがポイントだと思っています。
――次に、使用しているギアについて教えてください。ラケットは何を使っていますか?
去年ぐらいに変えたのですが、今はヘッドの『SPEED(スピード) S』を使っています。ちょっと軽いので、少し重くカスタマイズしてもらっています。このラケットは飛びすぎず、私のスイングでしっかり回転がかかってコートに入ってくれるので、いいなと思っています。
――ストリングは何を張っていますか?
縦と横で違う種類のストリングを張っていますが、ともにゴーセンのモデルです。縦がポリの『G-TOUR1(ジーツアーワン)』、横はナイロンの『AK PRO CX(エーケープロ シーエックス)』です。テンションは縦が50.5ポンドで、横が47.5ポンドです。ストリングについては、昔から中島コーチに勧められたようにセッティングしていて、自分ではあまり気にしたことがありません(笑)
――シューズはミズノなんですね。
はい。以前は違うメーカーのシューズを履いていたのですが、足が痛くなっちゃって合わなかったのでミズノに変えました。今はそういうこともなく、快適です。
――ウエアはどこのブランドですか? 見たことのないロゴですが!?
ビディバドゥ(BIDI BADU)というドイツのメーカーのウエアです。お母さんがインターネットで見つけてきて、私も気に入ったので着ていたら、提供してもらえることになりました。ビディバドゥを着ているジュニアは見たことないですが、ほかの人が着ていないウエアのほうがいいなと思っています。もちろん、デザインや色みなどはかわいくて、とても気に入っています。
できるだけ早いタイミングで打ち込み
ウイナーを取りにいくテニスを目指す
――「富士薬品セイムス ワールドチャレンジプログラム」では海外遠征のサポートを受けていると思いますが、これまで海外へはどこに行きましたか?
海外遠征は2回行かせてもらいました。1回目はヨーロッパ遠征で、フランス、チェコ、クロアチアです。2回目はアメリカに行きました。遠征のための費用をほとんど出してもらえるので、とてもありがたかったですし、すごくいい経験ができました。
――いい経験とは具体的にどんなことですか?
海外のジュニアの人たちと対戦できたことです。とてもいい経験でした。球筋が全然違って、飛んでくるボールが速くて重かった。いきなり決められている、というような印象でした。海外の人たちはこういうボールを打つんだなと、すごく勉強になりましたし、私もこんなボールを打てるようになりたいと強く思いました。
――去年は新型コロナウイルスの影響で海外遠征に行くことができず、残念でしたね。
はい、とても残念です。プログラムは今年で最後になると思うので、今年行けるならまた行かせてもらいたいです。
――辻岡選手にとって、ライバルとして意識する選手はいますか?
特定の人はあまりいませんが、最近では、石井さやかちゃん(TEAM YONEZAWA)には勝ちたいなと思いました。この間の「MUFJ全国ジュニアトーナメント」(4月6日~10日/愛知県名古屋市・東山公園テニスセンター)では準々決勝でさやかちゃんと対戦したのですが、その時はとても調子がよく、勝てるかなと思ったんですけど、最後の最後で気持ちで負けてしまいました(※スコアは0-6, 6-3, 4-6。同大会で最終的に石井選手が優勝したが、その石井選手からセットを奪ったのは辻岡選手のみだった)。1セット目は”さやかちゃんのボールってこんなに速いの!?”と思って太刀打ちできませんでした。でも2セット目は、とにかく相手を振ろうと思って頑張ったら、うまくいきました。今度は勝ちたいなと思います。
――テニスで理想としている選手はいますか?
同じ左利きのペトラ・クビトワ(チェコ/世界ランキング10位)選手ですね。攻守どちらもできるイメージがあって、そういうような選手になりたいです。私の場合、試合の中で、攻撃か守りかどちらかに偏ってしまうことが多いので、クビトワ選手のように攻守のバランスがいい選手になりたいです。
――今年の目標を教えてください。
16歳以下の全国大会で優勝することです。夏に開催予定の「全日本ジュニア」は16歳以下に出場する予定なので、全国制覇を目指します。また、世界の情勢がどうなるかわかりませんが、もし可能であれば、富士薬品のサポートプログラムで海外遠征にも行きたいです。
――将来の夢は何ですか?
プロの選手には憧れていて、グランドスラムなどで活躍できる選手になりたいなと思っています。
――今後どんなテニスを目指したいですか?
私は意外とネガティブになってしまうので、ポイントを早く決めるためにできるだけ早いタイミングで打ち込んで、ウイナーで決めていきたい。そういうテニスを目指しています。
――辻岡選手は、5月13日から開催される「DUNLOP CUP全国選抜ジュニア選手権大会」(5月16日まで/千葉県柏市・吉田記念テニス研修センター[TTC])14歳以下で、第1シードとして出場しますね。最後に大会への意気込みをお願いします。
関東ジュニアでは、9位という不甲斐ない結果に終わってしまいました。それでも第1シードとして全国大会に出場できるので、対戦相手全員に真正面からぶつかっていきたい。1セットも取られないぐらいの勢いで、優勝したいと思っています。正直、第1シードで”勝たなきゃ”というプレッシャーはありますが…頑張ります!!
それぞれの質問に対し、的確に、そしてテキパキと答えてくれた辻岡選手。本日(5/13)開幕の「DUNLOP CUP全国選抜ジュニア選手権大会」ではどのような戦いを見せてくれるのか楽しみだ。
※4月下旬に取材
〈辻岡史帆選手使用ギア〉
ラケット ヘッド SPEED S
ストリング ゴーセン [縦]G-TOUR1 50.5ポンド、[横]AK PRO CX 47.5ポンド
シューズ ミズノ
ウエア ビディバドゥ