デビスカップ・ワールドグループ1回戦「カナダ対イギリス」(2月3~5日/カナダ・オタワ/室内ハードコート)は驚くべき展開の末、カナダが勝負のかかった最終試合でイギリスに敗れた。自分のショットに失望した選手がスペアのボールを空に向かって打…

 デビスカップ・ワールドグループ1回戦「カナダ対イギリス」(2月3~5日/カナダ・オタワ/室内ハードコート)は驚くべき展開の末、カナダが勝負のかかった最終試合でイギリスに敗れた。自分のショットに失望した選手がスペアのボールを空に向かって打ち、それが主審の左目に当たったそのときに----。  勝負のかかった5番目の試合で、カイル・エドマンド(イギリス)がデニス・シャポバロフ(カナダ)を6-3 6-4 2-1で下し、イギリスが準々決勝に駒を進めた。

 試合は第3セットの途中で唐突に終わりを迎えた。17歳のシャポバロフが失格となったのである。シャポバロフがフラストレーションのあまりポケットからボールを取り出してそれを打ったとき、彼はエドマンドにサービスをブレークされたばかりのところだった。  シャポバロフが打ったボールはフランス人審判のアルノー・ガバスの顔に直接当たり、これによってシャポバロフは敗戦を言い渡された。ガバスの目は腫れ、彼はアイスを当てたが、そのときシャポバロフは事の顛末に打ちひしがれた様子でタオルで覆った頭を抱えていた。  この勝利でイギリスは4月5日から7日に行われる準々決勝に進み、フランスと対戦することが決まった。フランスは1回戦で日本を4勝1敗で破って勝ち上がっている。

 一方のカナダは、ワールドグループ残留をかけて9月にプレーオフを戦わなければならない。  この日曜日に行われた最初のシングルスでは、バセック・ポスピショル(カナダ)がダニエル・エバンズ(イギリス)を7-6(3) 6-4 3-6 7-6(5)で倒して勝負を2勝2敗にもち込んでいた。  勝負のかかった大事な試合をとんでもない形で落としたシャポバロフは、試合後の記者会見で、「まず主審、レフェリー、ITFオフィシャルの方々へのお詫びから始めたい」と言って皆に謝罪した。「許し難い行為をしてしまった。僕はチームと母国をこんな形で失望させてしまったことについて、自分を深く恥じている」と続け、「こんな真似をするのはこれで最後だ。僕はこの出来事から学ぶ」と約束した。  一方、いずれにせよ勝利に向けて突き進んでいた対戦相手のエドマンドは、「最初は何が起きたかよくわからなかった。僕は次の自分のサービスのことを考えていた。終わってからやっと状況を理解したが、こんな形で終わったのは残念だ。それでも勝ったことはやはりうれしい。非常に調子がよく、僕はいいプレーをしていた」と話した。(C)AP(テニスマガジン)