ビーチバレー坂口佳穂インタビュー(後編)4年に一度のオリンピックへの出場がかかる大事なシーズン。まして、自国開催のオリンピック出場を目指すとなると、そこに向かう選手たちの重圧や緊張感は半端ないだろう。だが、坂口佳穂(25歳/マイナビ)に気負…

ビーチバレー
坂口佳穂インタビュー(後編)

4年に一度のオリンピックへの出場がかかる大事なシーズン。まして、自国開催のオリンピック出場を目指すとなると、そこに向かう選手たちの重圧や緊張感は半端ないだろう。だが、坂口佳穂(25歳/マイナビ)に気負いはない。これまでの積み重ねの自信ゆえか、挑戦者の立場ゆえか、穏やかで自然体でいる。いつもと変わらぬ屈託のない笑顔を見せて、プライベートなことについても語ってくれた――。



――昨シーズンは、ワールドツアーはほぼ1年間大会がなく、国内もツアー1大会と小規模なトーナメントが行なわれただけでした。アスリートとして、試合のない一年間は、どんな思いを抱えていたのでしょう。

「試合がないというのはとても残念でした。でも、大変な状況のなか、1大会だけでも開催してもらったことは、すごくうれしかったです。試合があることが"当たり前ではない"ということを再認識しましたし。

 よくよく考えると、スポーツは人が生活していくなかで、なくても困らないものですし、私たちスポーツ選手は、応援されることによって成り立っている職業ですから、みなさんへの感謝の気持ちも改めて感じました。

 長く試合のなかった期間で、アスリートとして、この仕事を通じて『私ができることは何だろう?』と考えました。スポーツファンの中には、選手のプレーを見て『元気や勇気をもらった』という方々がたくさんいるので、私もそう感じてもらえるような選手になりたい、という思いを強くしました」

――坂口選手は、今年の3月に25歳になりました。ビーチバレーボール歴も8年目。心構えなど、変化はありますか。

「25歳!? いつの間にか25歳、という感じですね。思えば、私より若い選手もたくさん出てきましたし、もう中堅選手って言われるようになりました(笑)。25歳になって、『ああ、こうやって歳って重ねるんだな』と。

 特別に大きな変化はありませんが、周りからどう見られるかもそうですし、自分がどう周りを見るか、というのは変わってきました。25歳、楽しみですね」




――最近、よく料理をして楽しんでいるとうかがいました。得意料理があったりするのでしょうか。

「最近は何でも作るようになって、オートミールを大量に買い込んで、クッキーなどのお菓子を作っています。

 あと、誕生日プレゼントにフランスの『ストウブ』という鋳物ホーロー鍋をもらったんです。重い鍋で中に食材を入れて、フタをして火にかけると、蒸すことができて、簡単に無水料理ができるんですよ。

 先日は魚介類とトマトを入れて、魚介のトマト煮を作ったんですが、めちゃくちゃおいしくて感動しました! シメは、お米とチーズを入れてトマトリゾットにしました。魚介とか旨味が出るものをストウブに入れて調理すると何でもおいしいし、野菜だけでも野菜の本当の味がして、幸せになります」

――坂口選手は読書も趣味のひとつですが、最近読んで面白かった本などはありますか。

「垣谷美雨さんの小説『あなたの人生、片づけます』(双葉社)です。散らかった部屋の住人がなぜ片づけられないのかを、片づけ屋がその住人と一緒に、片づけではなく、心の問題に向き合う話なんです。いろいろと考えさせられました。

 帯に『これを読めば、きっとあなたも片づけたくなる』と書いてあって、『ホント?』と思って手にとりました。別に、私の部屋は汚くないですよ(笑)。でも、本を読み終わったあと、部屋の拭き掃除をしている自分がいましたね(笑)。 "部屋の乱れは心の乱れ"とよく言いますし、そのとおりだなと思って」

――ところで、昨年インタビューをさせていただいた時には、『カワイイ人を見るのが好き』とおしゃっていて、当時は女優の今田美桜さんがお気に入りということでしたが、最近はいかがですか。

「今田美桜さんは相変わらずカワイイですし、めちゃくちゃ好きです」

――昨年は(女性アイドルグループの)『IZ*ONE』にもハマッているとおっしゃっていましたが、その後にブレイクした『NiziU』に興味を抱いたりはしなかったのでしょうか。

「『IZ*ONE』を好きなのは、(村上)礼華のほうですね。私がメンバーの名前を覚えると、礼華が喜んでくれるので、私もよく見ていましたけど。

『NiziU』も好きでよく見ていましたが、私以上に、私の周りにいる人たちがハマっちゃって......。『みんなが好きなら、私はもういいや』って。私、あまのじゃくなんです(笑)。だけど、『NiziU』のことは好きですから、応援していますよ」

――他に、プライベートで新たに始めたことや、興味を持ったことなどはありますか。

「最近はなかなか行く機会がないのですが、コロナ禍になる前、ゴルフにハマりました。お父さんにラウンドに連れていってもらって、めちゃくちゃ面白くて、すぐにハマりました。それから、お休みの日はお父さんとゴルフに行っていましたね。でも、うまく打てなくて、下手なんですけど(苦笑)。

 ゴルフを始める前は、テレビでゴルフの試合中継やレッスン番組を見ても、特別な思いを抱くことはなかったのですが、ゴルフの難しさを知ってからは、プロのトーナメント中継を見ていて『この人たちスゴイ! マジでヤバい!!』って思うようになりました(笑)。

 そして先日、マスターズで松山(英樹)選手が優勝したじゃないですか。いやぁ~、ホントにすごいな、と。そのすごさも、以前だったら、わからなかったんでしょうね」

(おわり)



坂口佳穂(さかぐち・かほ)
1996年3月25日生まれ。宮崎県出身。武蔵野大卒。身長172cm。血液型A