東京五輪代表を懸けた日本選手権1万m 東京五輪代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権女子1万メートルが3日、静岡・エコパスタジアムで行われた。39歳の福士加代子(ワコール)は34分00秒53で19位となり、完走した選手では最下位。5大会連続の五…

東京五輪代表を懸けた日本選手権1万m

 東京五輪代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権女子1万メートルが3日、静岡・エコパスタジアムで行われた。39歳の福士加代子(ワコール)は34分00秒53で19位となり、完走した選手では最下位。5大会連続の五輪出場決定はならなかった。20歳・廣中璃梨佳(日本郵政グループ)が31分11秒75で優勝、27歳の安藤友香(ワコール)も31分18秒18の2位で五輪代表に内定した。

 福士は序盤から先頭にはついていけず、1000メートル付近から最後尾となった。徐々に差をつけられて一人に。5000メートル付近では先頭の廣中に抜かれて周回遅れに。それでも最後まで走り切り、フィニッシュ後は両手を広げて拍手に応えた。

 レース後の会見では「感想は……ね。レースでは全然勝負にならなかったけど、見守られて完走できてよかった」と振り返った。大きな拍手をもらい「感動しちゃいましたね。嬉しくなって感動しました」と笑顔。何度も出場してきた日本選手権を終え「全部、経験しましたね。1等賞も2番、3番も周回遅れも。大きい大会でこんなにドベドベになるのも。そのあと拍手をもらうのも」と“福士節”だった。

 さらに「全然練習していない」と明かし「痛みもあるし、精神的なものもある」と説明。「1周しか持ちませんでした」と笑った。それでも「一丁前に勝ちたいと思っていた。一丁前に! その気持ちは変わらない」と振り返り、同じワコールの安藤友香が2位で五輪代表に内定し「うちのチームは凄いと思います」とコメント。次戦について問われると、「一礼して来たのでどっちでもいいように(挨拶)してきた」と煙に巻いた。

 五輪は04年アテネから4大会連続出場してきたレジェンド。東京五輪はマラソンで目指していたが、19年9月のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)7位、20年の名古屋ウィメンズは途中棄権で出場できず。今大会は1万メートルに挑んだが、2002年にマークした30分51秒81の自己ベストにも及ばなかった。「勝負には負けたけど、自分には勝った。(今後は)どっちでもいい。やりたくなったらやるかな。明日からは絶対走らない。夜鳴きそばをどれだけ食べようかという感じ」と話して会見を締めた。(THE ANSWER編集部)