MLB公式が特集「ニグロリーグに存在した二刀流のスターたち」 米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手は26日(日本時間27…
MLB公式が特集「ニグロリーグに存在した二刀流のスターたち」
米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平投手は26日(日本時間27日)、レンジャーズ戦に「2番・投手」で先発出場し、打っては3打数2安打2打点、投げては5回3安打4失点で、2018年5月20日以来となる白星を手にした。本塁打数リーグトップの選手が先発するのはベーブ・ルース以来100年ぶり。歴史に名を刻んだ形になったが、MLB公式サイトではルースから大谷の間に存在した“二刀流の偉人”を特集。3人の選手をピックアップしている。
打って投げてを文字通りやってのける大谷。伝説のルースの名を現代に甦らせたが、実はこの100年の間にも“リアル二刀流”をやってのけた選手たちがいたという。MLB公式サイトは「ニグロリーグに存在した二刀流のスターたち」と題した記事で、3人の“偉人”に脚光を浴びせている。
「エンゼルスのショウヘイ・オオタニが2021年、真の二刀流選手として活躍をしていることで、再びベーブ・ルースと比較されるようになった。だが、ルースとオオタニだけに線を引くことがニグロリーグで活躍した二刀流のトップ選手たちを無視してしまうことになる」
大リーグ機構(MLB)は昨年12月に1920~1948年に行われたニグロリーグ(黒人リーグ)の成績を、メジャーリーグの公式記録として加えることを発表。メジャーリーグでプレーが許されなかった黒人選手たちが残した記録が、MLBの公式記録として認められるようになった。
「ニグロリーグのチームは経済的な理由で18人から20人で構成されており、投打の両方の役割を担うことは普通のことだった」と記事では説明しており、同リーグでは二刀流は決して珍しいものではなかったようだ。
さらに「オオタニを祝福するのと同時に、ニグロリーグでも真の二刀流として活躍した素晴らしい3選手をここで紹介する」として特筆すべき成績を残した3選手にフォーカスしている。
まず1人目はブレット・ジョー・ローガン(本名:チャールズ・ウィルバー・ローガン)だ。ローガンはカンザスシティ・モナークスで15年プレーをし、228試合(先発167試合)に登板。130勝を挙げ、防御率は2.66だった。一方で野手としても728試合に出場し、打率.336、51本塁打、111盗塁という驚くべき数字を残している。
特に1924年シーズンには203投球回で18勝6敗、206打席に立って打率.386という驚異的な数字をマークし、チームに初のタイトルをもたらしたのだという。
「オオタニはレオン・デイ以来の最高の二刀流選手であると言うべきなのである」
続けて紹介しているのはマーティン・ディーゴだ。1922年から1945年のキャリアの間で、235イニング野手として内野と外野の全ポジションを守ったという。
また投手としても活躍し、カリビアンとメキシコのウィンターリーグで計973と2/3回を投げ、ニグロリーグでは459と1/3回を投げ、キャリア通算の防御率は3.28。一方打者としてはスイッチヒッターとしてOPS.916を残したという。
3人目はレオン・デイ。記事では「デイは最後の偉大な二刀流選手だった」と取り上げている。
1934年ボルチモア・ブラックソックスの内野手としてキャリアをスタートしたデイ。「戦争でニグロリーグが中断され、メキシコやキューバ、カナダなどで10年プレーした後に、ニグロリーグの舞台に戻ってきた。7回もニグロリーグのオールスターに登板し、1942年にはニグロリーグ記録となる18奪三振という記録的な投球も見せた」とその足跡を紹介。さらには「ショウヘイ・オオタニがベーブ・ルース以来の最高の二刀流選手だと言うよりも、レオン・デイ以来の最高の二刀流選手であると言うべきなのである」と締めくくっている。
大谷の歴史的偉業はルースだけでなく、ニグロリーグの名手たちをも現代に甦らせている。(THE ANSWER編集部)