「代表のエースとして胸を張れるようなプレーヤーになりたい」。
チームが逆境に立たされた時にこそ頼られ、崩された状態でボールが集まってきても確実に得点を決める。
日本のエースになるためには、「しっかりと勝ちきれる選手になることが一番」と言い張り、一戦一戦において、自分たちの人生が変わってしまう可能性もあるので、「その一戦を無駄にはしたくないですし、その1点をも無駄にしたくない」と持論を述べる。
Vリーグ20-21シーズンの悔しさがあるからこそ、言葉からは重みを感じられる。日本を背負う21歳が見据えるのは世界の頂。若き“実力者”が今夏、日本を沸かす。

19-20シーズンは、チームをリーグ初優勝に導き、MVPにも輝いた。「連覇を」と臨んだ20-21シーズン。当然、対戦チームからは徹底的にマークを受けた。思うようなプレーができないことも影響し、チームを勝利に導けない苦しいシーズンとなったが、それ以上に「満員の会場でバレーボールをできないことの方が辛かった」と西田。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、ほとんどの試合で入場制限がかかり、無観客試合(リモートマッチ)も経験した。
会場が静かだと、チームメートの声はよく通るが「来てくださった方々の声援を聞きながら、バレーボールをしたいっていうのが率直な気持ちだった」と振り返る。大きな声援が受ければ受けるほど、気持ちが高まるいい、「ファンの応援が聞こえないと、高揚感を感じる機会が減った」と嘆く。

西田にとって少し物足りないシーズンだったかもしれないが、同じ日本代表としてともに汗を流す柳田との対戦は“熱かった”。4シーズンぶりにVリーグ復帰を果たした“盟友”の存在は大きく、「日本に帰ってきて1シーズン目にも関わらず、ここぞという場面で流れを変える影響力は素晴らしく、自分も見習いたい」と話す。

代表では心強いが、Vリーグでは敵同士。柳田との対決については、「僕はもう燃えましたね。(敵として戦うのは)初めてだったので、チームとしても個人としても負けたくなかったので、特に熱が入った試合だった」と語気を強めた。

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そんな2人が次に挑むのは東京五輪。目前に迫った夢舞台は“未知の世界”だ。西田は「全く想像がつかない世界」というが、「犠牲を払いながらもそこにトライしないといけないと思いますし、満足せずにそれ以上の結果をしっかり求めていきたいと思っています」と前を向く。
「勝ち続けるチームの一員として自分の役割を果たし、自信を持ってプレーすることが重要となってくる」とし、「チーム内の士気を上げられるよう引っ張っていきたい」と青写真を描く。

西田にとっての国際大会は2019年のワールドカップ以来、2年ぶりの舞台となる。当時は、持ち前の“超絶サーブ”で圧倒し、格上の対戦国を次々と撃破。一躍、世界に「西田有志」の名を知らしめた。大きな手応えを掴んだ大会でもあり、「(日本代表が)勝ちきれるチームってことは証明できた」と話す。
東京の地で目指すのは、もちろんメダル獲得だ。きっと、世界の猛者たちが目の前に立ちはだかるが、「(19年より)レベルアップした姿をプレーで見せたい」と意気込む。

男子日本代表は、大舞台に向けて最終調整に入る。5月1、2日は東京五輪テスト大会として行う中国戦、8、9日は紅白戦と連戦が続く。
まずは中国を圧倒し、紅白戦では絶対的エースとしての姿を見せたい。そして迎える五輪本番、爆発的なスピードで成長を続ける西田が、東京の地で再び世界に名前を轟かす。

〜西田選手のこだわりは入浴〜
試合後は疲労をとても感じるので疲労を残さないよう、43度のお風呂に1時間ほど入って筋肉を最大限に緩めています。上がった後は次の日に向けてしっかりと臨める準備をするため、ストレッチを30分から1時間行っています。
気分的にもリラックスできるので、ナイーブにならないように意識しています。

〜拝啓ファンの皆さまへ〜
コロナ禍の大変な中でも、応援に来てくださり、またいろいろなところから応援してくださるたくさんのファンの方のおかげで、今自分たちもこうしてバレーボールができています。自分たちが応援されている立場としては、試合に勝っていく姿、応援して良かったなと思われるような姿をしっかりみなさんにお届けしたいと思います。
そして、こういった状況下なので、体調を万全にした状態で過ごしてほしいです。これは、自分からみなさんにもお願いしたいことですし、体調が崩れてしまうと自分がやりたいこともできなくなってしまいます。
まずは自分の体調を整えてもらって、そこから力一杯の応援をしていただければ嬉しいです。