5.4後楽園にてDDT UNIVERSAL王者 上野勇希に挑戦することが決まった高尾蒼馬。常にクールな高尾だが、記者会見では上野に対して缶チューハイをかけチャンピオンを侮辱する態度も見せた。現王者である上野を「弱いチャンピオン」と上から目線…

5.4後楽園にてDDT UNIVERSAL王者 上野勇希に挑戦することが決まった高尾蒼馬。常にクールな高尾だが、記者会見では上野に対して缶チューハイをかけチャンピオンを侮辱する態度も見せた。現王者である上野を「弱いチャンピオン」と上から目線の高尾。後編はデビューから今回の挑戦まで。

<前編はこちらから>

--上野戦に向けての会見で、お酒飲んでいましたよね。
高尾:お酒は基本、飲んでるよ。もちろん試合前には飲まないけど。

--ところで試合前のルーティーンはありますか?
高尾:海外から輸入したカフェインの入ったサプリを毎回飲んでいる。それくらいかな?

--遠藤選手もエナジードリンクを飲まれていると以前話してくれました。DAMNAITIONのメンバー皆さん飲んでいるのですか?
高尾:それはないかな。あと質問内容と少し違うけど、リングシューズは緩めに結ぶ。他の選手のことは分からないけど、脚が圧迫されるのが嫌なので。キツく結ぶと試合に集中できない。あと一度かかとにヒビが入っているので、かかとに厚いクッション材を入れてる。

--高尾選手は2009年4月にDDTに練習生として入団。デビュー戦が8月の両国国技館大会「両国ピーターパン」でした。デビューまでかなり早いですよね。
高尾:学生プロレスをやっていたことが、デビューまでの時期に多少関係しているのかも知れない。ただデビュー戦は、前日20分くらいしか寝られなかった。元々、夜型というのもあったけど…今考えると緊張していたのかも知れないな。

--デビュー2年目で、当時KO-D無差別王者の石川修司選手と戦いましたね。
高尾:体格も全然違うし、今だったらやりたくないな。とにかく巨人の頭突きがメチャクチャ痛かった。デビュー当時はガムシャラで視野が狭かったけど、今は周りが冷静に見えるようになってきた。だから巨人とはやりたくないな。

--この時期、「月刊若手通信」という若手選手による興行があり、他団体の選手と交流がありましたよね。
高尾:俺は、他団体に出場するのが好きなんだ。今でもたまに出るけど。緊張するけど楽しいかな。鈴木鼓太郎さんや田中稔さんとか、結構戦っている。1番戦いたかったCIMAさんと戦えたから満足かな。

あと鈴木鼓太郎さんを目標にしている部分はある。鼓太郎さんと最初に対戦した時の印象が強くて。左の頬をエルボーで打たれたんだけど、打たれてない右顎が痛んだ(苦笑)。
打たれた反対側がメチャクチャ痛む、痺れるような感覚。それが衝撃だった。それから「エルボーで推す」という新たなスタイルを模索しはじめたんだ。
身体の大きい選手でエルボーを使う人はいるけど、俺と同じような体格でエルボーをメインに使う選手がDDTのリングにいないのもあるしな。
DDTはプロレス団体の中でも、キャラクターが濃いレスラーが多い。常に自分の立ち位置を考え、そこに埋もれないようにしているよ。

--若手通信の時、彰人選手や平田一喜選手と一緒でしたよね。先日彰人選手が「高尾が来るならユニットとして『若手通信世代』を立ち上げたい」と話していました。
高尾:それはないな。今さら、そこ(若手通信世代)に行く必要はないよ。

--2012年に石井慧介選手や入江茂弘選手とチームドリフを結成しました。「DDTの序列を変えるため」に3人とも20代の選手でしたね。
高尾:(少し考えて…)その辺りの記憶がないな。あの頃はDDTより全日本プロレスの印象が強いから。

--高尾選手は、今も持っているKO-D6人タッグの初代王者。ベルトへの愛着も強いかと思いますが。
高尾:KO-D6人タッグに愛着か…今回で8回目かな。たしかに獲得してる。逆にベルト巻きすぎて愛着ないかな。「またベルト来た」みたいな。

--全日本プロレスの世界ジュニアヘビーのベルトはいかがですか?
高尾:あのベルト、今は新しくなってるんだよな。俺が持っている時は、以前のベルトで持ちにくかった。キャリーケースに入れたいけど入らない。試合後、ベルトを持って飲みに行くと落としたりするのが嫌で。タイトルマッチの時以外は持たないので、すぐに会社に渡したよ。

--現在、そのベルトをCIMA選手が巻いていますね。
高尾:そうか、それは感慨深いな。ただCIMAさんの持っているベルトは新しいベルトだから。きっと試合後、キャリーケースに入れて飲みに行っても大丈夫だ(笑)。

--その後、HARASHIMA選手のスマイルスカッシュに加入しました。
高尾:その辺りの記憶が1番薄いんだ。ほとんど覚えてないや。

--2018年にDAMNATIONに合流。これは…
高尾:佐々木大輔だな。最初は本当に嫌いだった。あの人とは遺恨も多かったから。でも「この人と組んだら面白いんじゃないか」と思いDAMNATIONに加入したんだ。

--それまでのユニットと比べてDAMNATIONはいかがですか。
高尾:ドリフは年齢が近いメンバーとのチーム。DAMNATIONは、年齢が異なる嫌われ者が集まったチームみたいな感じ。行く場所がない人たちの集まる場所みたいな。

--ところで今回行われる5.4後楽園。DDT UNIVERSAL王者の上野勇希選手に挑戦者として高尾選手が挑みます。4.11後楽園 The 37KAMIINAとの戦いは、これまでと違ったゴツゴツした印象を高尾選手から受けました。何か変えたことや変わったことはありますか?
高尾:トレーニングは変えてないから、変わったとすれば「意識」かな。怯むか怯まないか、やるかやられるか。まあ気づいている人もいるけど俺は感情の起伏が激しいので。それが上野相手に出ただけ。

--マイクパフォーマンスで自己主張する高尾選手に驚きました。
高尾:基本めんどくさがり屋なんで、マイクは喋りたくない。ただCIMAさんの時は、学生時代から憧れていたからテンションが上がったけど。
いつもDAMNATIONのメンバーがマイクで喋っている時、自分は関係ないから「長ぇな…早く終わらねぇかな」って思っている(笑)。

--5.4後楽園でDDT UNIVERSAL王座戦は、どのような戦いになりそうですか?
高尾:単純に叩き潰す、完膚なきまで。「やっぱり弱いチャンピオンだったな」と。ただそれだけ。これキチンと書いといて、「弱いチャンピオンからベルトを獲り、ストレス発散する」って。それ以上でもそれ以下でもない。

--ちなみに高尾選手がDDT UNIVERSAL王者になったら戦いたい選手はいますか?
高尾:それはCIMAさん。CIMAさんの持っている世界ジュニアのベルトとダブルタイトル戦だな。


<インフォメーション>
5.4後楽園ホール大会は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言発令に伴い中止。無観客大会を動画配信サービスWRESTLE UNIVERSEで生配信されます→https://www.ddtpro.com/universe
高尾蒼馬 Twitter→https://twitter.com/takaokun0804


取材・文/石川 裕也 編集/大楽 聡詞
写真提供/DDTプロレスリング