1番打者として打線を引っ張る2年生は幼稚舎から慶応育ち 東京六大学春季リーグ戦は25日、神宮球場で2試合を行い、第1試合では慶大が4-1で明大に勝利した。慶大は初回にプロ注目のスラッガー正木智也(4年)の中越え適時二塁打で2点を先制。先発し…

1番打者として打線を引っ張る2年生は幼稚舎から慶応育ち

 東京六大学春季リーグ戦は25日、神宮球場で2試合を行い、第1試合では慶大が4-1で明大に勝利した。慶大は初回にプロ注目のスラッガー正木智也(4年)の中越え適時二塁打で2点を先制。先発した増居翔太(3年)は制球に少し苦しんだが、粘りの投球で5回を1失点にまとめた。後を受けた森田晃介(4年)、橋本達弥(3年)も相手打線に得点を許さず、明大相手に2連勝を飾った。

 この試合で初回にいきなり左中間フェンス直撃の二塁打を放つなど、2安打2得点と打線を牽引したのが2年生の廣瀬隆太だった。幼稚舎から慶応育ちの“生粋の慶応ボーイ”。高校通算は41本と長打力が自慢の内野手だ。昨秋は1年生ながら主軸としてスタメンに名を連ね、10試合に出場して37打数13安打、打率.351、2本塁打6打点と活躍した。

 周囲からの期待は大きい。「9イニングなので、1打席でも多く回ったほうがいいという判断。力のあるバッターを1、2番に置きたい」という堀井哲也監督の考えで、今季は初戦から1番に座る。しかし、前日まで3試合で7三振と三振の多さが目立ち、連日、堀井監督からアドバイスを受けて修正を重ねてきた。

「スイングの軌道と、ボールの見方。ちょっとしたことなんですけど」

 指揮官からは「振らないよりは振っているほうがいい」と、三振を気にして消極的にならないようにと、打席での気持ちの持ち方にもアドバイスを受けた。この日は初回から見事に結果を出した。先制のホームを踏み、ベンチに戻ると監督に話かけた。

「よかったですか?」

「廣瀬から私に声をかけるなんてめったにない」と監督も驚いたという一言。「もちろん。あれでいい」と返した。主将の福井章吾も「ほんとに思い切りのいい。長打も打てて、2ストライクから粘り強いバッティングができる。チームに勢いをもたらしてくれるバッター」と信頼を寄せる。

「初回に自分が打って、仲間を勇気づけるというのが凄い大事」。まだ2年生ながらチームからの信頼は厚い。生粋の慶応ボーイが、チームを勢いづける。(上野明洸 / Akihiro Ueno)