春のGIシリーズの谷間となる今週は、GIオークス(5月23日/東京・芝2400m)のトライアル戦、GIIフローラS(4…
春のGIシリーズの谷間となる今週は、GIオークス(5月23日/東京・芝2400m)のトライアル戦、GIIフローラS(4月25日/東京・芝2000m)が行なわれる。
昨年も、このレースを制したウインマリリンがオークスでも2着と健闘。本番につながるレースとして、注目の一戦であることは間違いない。
一方で、波乱の多いレースとしても知られる。過去の10年の結果を振り返ってみても、3連単では100万円超えが2回、10万円超えが4回と、高配当が続出。穴党垂涎のレースとなっている。
そんなレースのカギを握るのは、何より開幕週の東京競馬場の馬場状態だ。この点について、デイリー馬三郎の吉田順一記者はこう分析する。
「今週から開幕する第2回東京開催。雨の影響がなければ、例年はとにかくスピード重視の、時計が出やすい馬場になっています。そうした状況にあって、芝2000mのフローラSにおいては、上がりの速い競馬になりがち。前目の位置に構えて、そこから鋭い脚が使える、決め手上位の馬が優位と見ます」
その馬場状況を踏まえて、吉田記者は上位人気が予想される2頭についてはこう評価している。
「例年どおりの馬場であれば、血統背景や舞台適性も鑑みて、中心はオヌール(牝3歳)。ここは、同馬の相手探しの一戦になると踏んでいます。
もう1頭の人気馬ユーバーレーベン(牝3歳)も、長い直線の舞台ゆえ、最後は確実に伸びてくると思いますが、常に後方一手の立ち回り。コース取り次第ですが、スピード馬場にあって、先に抜け出した馬を捕え切れるかどうか......」
そこで、吉田記者は有力視するオヌールの相手候補の筆頭として、ジェニーアムレット(牝3歳)を推奨する。
「460kg前後のディープインパクト産駒で、つなぎが長めで、胴長+脚長のシルエット。ストライドを伸ばしてしっかりと走れる点から、素質の高さがうかがえます。デビュー2戦目となる前走の未勝利戦(2月6日/東京・芝2400m)では、終始レースの主導権を握る形で難なく勝利。長くいい脚を使って、最後は後続に4馬身差をつける完勝劇を演じました。
スタートではジャンプして後手を踏みましたが、すぐに立て直せたあたりは、すばらしいバネと体幹の強さが成せる業でしょう。また、3コーナー付近で勢いづいた馬にまくられるシーンもありましたが、その際にも折り合いに不安を見せなかった点は強調ポイントとなります。
血統背景、資質の高さ、先行力など、今回の舞台設定には絶好。気のいいタイプで、ローテーション的にも問題はなく、ここでも好勝負できると見ています」
吉田記者はもう1頭、1戦1勝のアンフィニドール(牝3歳)にも注目している。
「矢作芳人厩舎の管理馬は叩いてからよくなる馬が多いのですが、同馬はデビュー戦となる未勝利戦(3月20日/阪神・芝1800m)で、いきなり高いパフォーマンスを披露。それは、能力の高さの証明でしょう。
同レースでは、馬込みで我慢してあっさりと突き抜けていきました。その内容は非常に高く評価できます。抜け出してからモタれたように、まだ伸びしろを残している点も魅力です。長い直線では脚の使いどころがポイントになりますが、今回も前走のように追い出しを遅らせるぐらいでちょうどいい見立て。上積みも大きく、前進あるのみです」
アンフィニドールについては、日刊スポーツの木南友輔記者も「気になる存在」だという。
「お母さんのヤマノフェアリーはデニムアンドルビーの全妹。すぐに引退してしまいましたが、わずかに走ったレースの中でポテンシャルの高さをのぞかせていました。
その血を受け継いだアンフィニドール。初戦を前にしての追い切りがすばらしかったので、レースでどんな走りをするのか、楽しみにしていました。すると実際、すごい末脚を見せて、期待以上の時計をマーク。今回も軽視できません」

フローラSでの大駆けが期待されるパープルレディー
木南記者ももう1頭、アンフィニドール以上に注目している馬がいるという。
「パープルレディー(牝3歳)です。管理する奥村武調教師が同馬の距離適性をとにかく買っていて、上の兄たちも走っていたので、ずっと注目してきました。そして、前走の1勝クラス・ゆりかもめ賞(2月7日/東京・芝2400m)では牡馬を撃破。しかも、当時は調教で今ひとつ動き切れていなかったなかでの勝利ですから、なおさら期待が膨らみます。
ここに来て、調教でもだいぶ動けるようになっている印象。これなら、2000mの重賞で結果を出してオークスへ、というイメージも十分できます。
昨秋の第1回の5大登録では、オークスだけでなく、ダービーにも名前があった馬。昨年末、先頃ダービー参戦を表明したサトノレイナスと『一緒に(ダービーへ)どうですか?』なんて話を、奥村調教師とした記憶があります。
おそらく、同じ厩舎のクールキャット(牝3歳)のほうが人気すると思うので、ここはまさに"2頭出しは人気薄を狙え"の格言どおりの結果を期待したいところです」
オークス出走権を賭けた熾烈な争い。激戦必至のレースにあって、ここに挙げた3頭が波乱を演出する可能性は大いにある。