昨年7月、新型コロナウイルスの感染拡大でロックダウンに陥ったイタリアで、二人の少女とロジャー・フェデラー(スイス)が屋上…

昨年7月、新型コロナウイルスの感染拡大でロックダウンに陥ったイタリアで、二人の少女とロジャー・フェデラー(スイス)が屋上でラリーを繰り広げたことを覚えておいでだろうか?このほど、この「屋上テニス」がその年のスポーツシーンにおいて、最も感動的でユニークな瞬間を表彰する「ローレウス・スポーティング・モーメント賞」にノミネートされたという。ATP公式サイトが報じた。【動画】フェデラーが感動した二人の少女の屋上ラリー【実際の写真】ローレウス賞にノミネートされたフェデラーと少女たち

事の発端は昨年4月、女子ジュニア選手でもある二人の少女が撮影し、ネット上にアップした動画だ。見たところ20m以上の距離がある2つの建物の屋上にボールとラケットを持って一人ずつ少女が立ち、なんとそこからラリーをし始めたのだ。片方には転落防止の柵はなく、もう片方も柵はあるものの非常に低かったため、ミスをすると簡単に地上へボールが落ちてしまう状況だったが、二人は見事に10回以上のラリーを披露。ATPの公式Twitterがこの様子を動画で公開すると瞬く間にテニスファンの間でも拡散され、一日で800万回再生されるなど大きな話題となった。

その後、動画に感銘を受けたというフェデラーが、7月にパスタ会社の特別企画で二人の少女のもとをサプライズ訪問。かねてから「フェデラーの大ファン」と語っていた少女たちは、「まさか本人が登場するなんてそんなこと思ってもみなかった」と信じられない様子だったが、フェデラーから「一緒にテニスしようか」と誘われて快諾。少女たちが同じ建物の屋上に、フェデラーがもう一つの建物の屋上に立ち、三人は終始笑顔でラリーを続けた。ラリーを終えた後は一緒にパスタランチを楽しんだ。最後にはさらなるサプライズとしてフェデラーが「二人をラファ・ナダル・アカデミーのサマーキャンプに招待するよ」と発表。この一連の心温まるエピソードがスポーツ界でも高く評価され、2016年にスタートした「ローレウス・スポーティング・モーメント賞」の候補に挙がることとなった。

少女たちの一人である13歳のビットーリアは、「隔離期間中、私たちは屋根と屋根の間でラリーをやってみようと決めていたの」とコメント。もう一人の少女、11歳のカローラは「あの(屋上ラリーの)ビデオがこんなに流行るとは思ってもみなかった」と驚きを隠せなかった。

今年のローレウス賞には、ラファエル・ナダル(スペイン)、大坂なおみ(日本/日清食品)、ドミニク・ティーム(オーストリア)、イガ・シフィオンテク(ポーランド)もノミネートされている。

なお、フェデラーは先日、5月16日開催の「ATP250 ジュネーブ」と5月30日開幕の「全仏オープン」への参戦を表明。右膝の怪我からツアー復帰を果たした3月の「ATP250 ドーハ」以来、約2ヶ月ぶりの実戦となりそうだが、あの華麗で美しいプレーを楽しめる日が刻一刻と近付いてきている。

(テニスデイリー編集部)

※写真は南アフリカで行われたエキシビションマッチでのフェデラー

(Photo by Stringer/Anadolu Agency via Getty Images)