「今はゲームが仕事にダイレクトにつながっている」と語るTBSの宇内アナウンサー「2連休に18時間ぶっ通しで戦っていました」 TBSアナウンサーの宇内梨沙さんは、自他ともに認める生粋のゲーマー。つまり"戦っていた"というのは、シューティングゲ…



「今はゲームが仕事にダイレクトにつながっている」と語るTBSの宇内アナウンサー

「2連休に18時間ぶっ通しで戦っていました」

 TBSアナウンサーの宇内梨沙さんは、自他ともに認める生粋のゲーマー。つまり"戦っていた"というのは、シューティングゲームをやっていたということだ。

 入社6年目を迎える宇内さんは、これまでに「ひるおび!」「CDTVライブ! ライブ!」などのテレビ番組のほか、ラジオ「アフアー6ジャンクション」、BS「Bizスクエア」など多くの番組に出演。その一方で昨年11月にYouTubeチャンネル『ゲーム実況はじめました。〜女子アナゲーマー宇内e〜』を開設し、eスポーツタイトルとしても人気のバトルロイヤルゲーム『Apex Legends(エーペックスレジェンズ)』など、ジャンルを問わずさまざまなゲームタイトルに挑戦中だ。感情を素直に表現しつつ、明朗快活にゲーム実況に取り組む姿勢が人気を博している。

 公私を問わずゲームの魅力を精力的に発信し続ける宇内さんのゲーム愛の源とは。これまでのゲームとの関わりから、宇内さんのゲーム観を探った。

――テレビゲームとの出会いはいつ頃でしたか。

 兄が2人いたこともあって、物心つく前からゲーム機が家にありました。「ゲームを始めてみたい」と意識せず、当たり前のように遊んでいましたね。

 ファミコンもありましたけど、その時一番遊んだのはやっぱりスーファミ(スーパーファミコン)です。『星のカービィ』とか『がんばれゴエモン』とか。『ボンバーマン』ではよく兄たちと対戦していました。

 ゲームボーイの『ポケモン 赤』が発売された時には、「自分一人でゲームをやってみたい!」と思って買ってもらいました。小学生になってからは放課後にゲームボーイと『ポケモン』を持って友だちと公園に集まって、遊具の周りに円を作って遊んでいました。鬼ごっこに飽きたらゲームをして、ゲームに飽きたら鬼ごっこに戻ってみたいな感じでした。

――兄妹同士の対戦プレーで喧嘩にはならなかったのでしょうか。

 一緒に遊ぶ兄が5歳上なんですが、30歳と35歳なら大して年の差は感じないけど、5歳と10歳だったら脳の成長もまったく違うじゃないですか。だから基本は私が負ける側。まったく勝てなかったので、負けることに対して嫌な気持ちにならず、喧嘩はしませんでしたね。

――1994年に初代PlayStationも発売されていましたよね。そちらもプレーはしましたか。

 家にあったのでプレーしました。ただ、まだ小さかったので、PlayStationのゲームは難しくてクリアできませんでしたね。だから自分でプレーはせず、兄が『バイオハザード』で遊んでいるのを横で見たりしていました。その頃から、誰かがゲームをしているところを見ること、今で言う「ゲーム配信」が私の中に根付いていきました。

 私が高校生ぐらいの時に「ニコニコ動画」がグッと盛り上がってきて、特にゲーム実況をずっと見漁っていました。今でも第一線で活躍されている方で言えば「キヨ。」さんや「ガッチマン」さんなど、ホラーゲームを中心に実況されている方の動画を見ていましたね。

――ゲーム実況にハマったのは、自分でプレーするよりも誰かがプレーしているところを見るほうが好きだからでしょうか。

 自分が買えなかったホラーゲームの物語を知りたかったというのが大きいですが、『バイオハザード』をプレーする兄の隣で一緒に楽しんだ気持ちを思い出しつつ、実況者さんの反応も楽しんでいました。あとニコニコ動画は視聴者のコメントが動画の上に流れるシステムなので、「私だけじゃなくて他の人も一緒に見ている!」という一体感がよかったです。

――ちなみに当時、周囲でゲームをプレーしている女性はいらっしゃいましたか。

 たまに誰かの家に集まってイベントっぽく遊ぶことはありましたけど、「一緒にこのゲームでガッツリ遊ぼう!」っていう女友達はいなかったですね。でも最近は『荒野行動』『PUBG MOBILE』(※)といったスマートフォン向けのゲームがあるので、そういうタイトルで女の子が遊んでいるのを見ると「女子もゲームで遊ぶ時代が来たんだ」と思います。

※『荒野行動』『PUBG MOBILE』ともスマートフォン向けのバトルロイヤルゲーム。最大100人のプレーヤーが島に降下し、最後の1人、もしくは1チームになるまで戦う。

――ご自身のゲーム遍歴を語るうえで欠かせない作品はありますか。

 印象深いのは『ファイナルファンタジーX(FF10)』ですね。今でも忘れられなくて、5分あれば思い出し泣きでスーッと涙を出せます(笑)。小さい頃にやっていたゲームはそれほど物語性があったわけではなかったので、『FF10』と出会った時の感動ははっきり覚えています。

 世界を救うためには犠牲が必要だったり、決して叶うことのない恋があったりして、「ゲームでこんなに物語が練り込まれているんだ」って感動しました。自分でコントローラーを握って物語を進める没入感を体感して、「ドラマや映画以上に深いエンタメに出会った」と思いました。発売から20年近く経った今でもオススメできる名作です。



――例えば3~4日間ほど連休があるとしたら、どのようなスケジュールでゲームをプレーしますか。

 この間ちょうど2連休の時に、『エーペックスレジェンズ』(※)を21時から始めて次の日の15時までぶっ通しでプレーしました(笑)。1人でやるゲームなら途中で止めていたんですけど、(オンラインの)フレンドから入れ替わり立ち替わり誘われて......。フレンドと遊ぶ、その人達がやめる、別のフレンドと遊ぶ、と繰り返して気づいたら18時間経っていました(笑)。もし3連休、4連休だとしても最後の日に少し休めたらいいので、最後の日以外はゲームに費やすと思いますね。

※PC、PlayStation4/5、Nintendo Switchなどさまざまなプラットフォームでプレーできるバトルロイヤルゲーム。全60人のプレーヤーが3人1組のチームを組み、最後の1チームになるまで戦い抜くモードが人気。国内人気が特に高く、日本のプレー人口は世界2位を誇る。

――すさまじいゲーム力ですね。ちなみにゲームプレーを通して「私、成長したな」と感じる瞬間はありましたか。

 小さい時は兄と一緒に協力プレーをするか、1人だと単純なゲームしかできませんでした。でも初めて自分で『バイオハザード4』をクリアした時は「私、すごく強くなったな」と思いました。昔なら絶対に1人じゃクリアできないからプレーを眺めていたようなゲームなのに、自分でエンディングまでいけるようになった。この成長はゲームを通して実感しましたね。

――ゲームがお仕事などに役立つことはありますか。

 アナウンサーは原稿読み・司会進行・リポートなどが基本なので、ゲームプレーが直接仕事のスキルアップなどに役立ったことはありません。でも最近になって、これまで培ってきたゲームに対する知識や愛情を生かせるようになりました。

 というのもここ数年、特にコロナ禍でゲームが「エンタメ」としてかなり評価され始めていますよね。そういう流れが来ているからこそ、ゲームと触れ合ってきた経験が生きてきているんです。TBS入社3年目ぐらいまでは「ゲームはあくまでプライベートのもの」という認識でしたし、まさか仕事にダイレクトにつながるとは思っていませんでした。今は素直に「やった!」と感じていますね。

――時代が変わりましたよね。もし履歴書を書くなら、趣味欄には最初にゲームを挙げますか。

 そうですね、映画鑑賞や読書なども趣味ですが、それは潔く消します。今書くなら「ゲーム」と「愛犬」に絞りますね(笑)。

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【Profile】
宇内梨沙(うない・りさ)
TBSアナウンサー。1991年9月21日生まれ、神奈川県出身。「ひるおび!」「CDTVライブ! ライブ!」などのテレビ番組のほか、ラジオ「アフアー6ジャンクション」、BS「Bizスクエア」などなどを担当。eスポーツ専門部署「TBS eスポーツ研究所」に所属し、2020年11月に、YouTubeチャンネル「ゲーム実況はじめました。〜女子アナゲーマー宇内e〜」を開設。数々のeスポーツタイトルに挑戦中。
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