30日に発表されたソフトバンクのキャンプの組み分け。主力組中心となるA組には、育成選手2人を含む若手が多数、名を連ねていた。その中でも注目すべきは、育成選手の吉本祥二投手、曽根海成内野手、そして、昨季途中に育成選手から支配下登録された石川柊…

30日に発表されたソフトバンクのキャンプの組み分け。主力組中心となるA組には、育成選手2人を含む若手が多数、名を連ねていた。その中でも注目すべきは、育成選手の吉本祥二投手、曽根海成内野手、そして、昨季途中に育成選手から支配下登録された石川柊太投手の3選手。彼らよりドラフト上位であったり、入団時から支配下の選手がいるにもかかわらず、A組に抜擢された3人。一体、どんな選手なのだろうか。

■育成からA組に2選手抜擢、昨季途中に支配下登録の右腕も期待大

 いささかの驚きを持ったファンもいたはずだ。2月1日からスタートするプロ野球の各球団がキャンプインする。それに先立ち、30日に発表されたソフトバンクのキャンプの組み分け。主力組中心となるA組には、育成選手2人を含む若手が多数、名を連ねていた。

 その中でも注目すべきは、育成選手の吉本祥二投手、曽根海成内野手、そして、昨季途中に育成選手から支配下登録された石川柊太投手の3選手。彼らよりドラフト上位であったり、入団時から支配下の選手がいるにもかかわらず、A組に抜擢された3人。一体、どんな選手なのだろうか。

 まず吉本だ。東京都の足立学園高出身の右腕。高校時代は甲子園出場経験こそないものの、188センチの長身から投げ下ろされる快速球を武器に「下町のダルビッシュ」の異名を取った。その潜在能力を高く評価され、2011年のドラフト2位で、ソフトバンクから指名を受けた。

 だが、入団後はコントロールに不安を残し、なかなか結果が出せず。3軍戦では登板していたものの、入団後2年間は2軍での登板もなし。14年にようやく1試合だけウエスタン・リーグでの登板機会を得たが、そのオフに戦力外通告を受けて、育成選手として再契約を結んだ。

■柳田も驚く最速154キロ右腕

 育成選手として再出発した15年以降、徐々に2軍での登板も増加。昨季は10試合に登板した。いまだにコントロールに不安は残しているが、その右腕から投じられる真っすぐは威力十分。最速154キロを誇り、昨春キャンプで打撃投手と登板した際には、そのスピードにあの柳田悠岐ですら驚いたほど。そのストレートで、ベース上で勝負出来るようになれば、大化けする可能性を感じさせる投手だ。

 もう1人、育成選手からA組に抜擢されたのが、曽根だ。京都国際高出身で、13年に育成ドラフト3巡目でソフトバンクに入団した21歳。身長175センチ、体重70キロと小柄ではあるが、楽しみな存在だ。

 昨季はウエスタン・リーグで育成選手ながら82試合に出場。201打数49安打、打率.244だったが、オフにウエスタン選抜として参加した台湾ウインターリーグでは打率.308をマークした。

 曽根の魅力は器用さと、そしてスピードにある。守備力もあり、バントなどの小技もこなすことが出来る。50メートル走は5秒台。体格は小柄だが、遠投115メートルという強肩で、体も強い。オフには遊撃手の大先輩にあたる今宮健太が北九州で行なった自主トレに志願して参加するなど、野球に取り組む貪欲さも光る。遊撃手だけでなく、二塁手などもこなすことが出来、内野のユーティリティーとして成長に期待したい選手である。

■昨季途中に支配下登録の石川は自己最速更新

 そして、石川だ。都立総合工科高から創価大へと進み、13年の育成ドラフト1巡目でソフトバンク入りした右腕。入団2年間はケガに悩まされ、目立った成績は残せなかったが、3年目の昨季、自己最速を更新する153キロをマーク。シーズン中に一気に支配下選手への階段を駆け上がった。

 支配下登録直後には1軍へと初昇格。1軍での登板機会がないまま、再降格とはなったが、首脳陣はその潜在能力を高く評価している。身長183センチの長身から投げ下ろされるストレートが最大の武器だ。

 ソフトバンクといえば、育成出身の千賀滉大が今春のWBCの侍ジャパンメンバーに選出された。育成出身の支配下選手が多いのも、チームの特徴だ。A組に抜擢された若き才能たち。その中から「第2、第3の千賀」は生まれるだろうか。