専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第296回 年が明けて緊急事態宣言が再発令され、さらに延長されたことによって、最近はゴルフの誘いがめっきり減りました。あまりに誘われないから、嫌われているのかと思いましたが、3月に…
専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第296回
年が明けて緊急事態宣言が再発令され、さらに延長されたことによって、最近はゴルフの誘いがめっきり減りました。あまりに誘われないから、嫌われているのかと思いましたが、3月には予定が入ったので、ひと安心です。
それで、家でゲームをやっているのも飽きてしまい、仕方がないので練習場にでも行くか、となった次第です。若い頃、ゴルフの練習は毎週やっていたので、今は「もういいや」と思っていましたが、いざ行ってみると案外楽しいじゃないですか。
というわけで、今回は練習場周りのお話をしたいと思います。まず、課題はこれです。
(1)飽きないようにするには
練習場は嫌いじゃないけど、同じパターンで打つので、どうしても飽きてしまいます。
そこで今回、いろんなゴルフ場に行くように、練習場も近所の知らないところを訪ねてみました。これが、案外面白かったのです。
ある練習場では、本格的なバンカーがありました。バンカー練習場は有料なので、使用料金を払えば貸し切り。混むことはありません。当然、ギャラリーもいない。つまり、下手なバンカーショットを思う存分打てて、いろいろと試行錯誤しながら練習できるというもの。これは、使えましたね。
そんなわけで、3カ所ほど練習場の行きつけを作って、ローテーションで回ることにしました。
そうなってくると、都会型練習場の象徴となる神宮外苑の練習場にも行ってみたくなりました。昔、千駄ヶ谷にオフィスがあった頃はよく顔を出していました。
練習場は2つあって、特に神宮第二球場を使った西練習場は野球のグラウンドめがけてボールを打つ、独特のスタイルとなっています。一塁側の打席からレフトスタンドに向かって打つような形になっていて、7番アイアンでもホームラン。プロの野球選手より、自分の打ったボールが飛ぶって、ある意味、自信がつきますよね。この飛距離のアドバンテージがゴルフの魅力なんだと、改めて認識したりもして。
今はどんな営業をしているのか、電話をしてみたら、なんと東京オリンピックのため、営業を休止しているとのこと。そういえば、国立競技場は隣じゃないですか。そのため、建前は資材置き場となって使用不可。おそらく、予備施設として、不測の事態に備えるのでしょう。
ちなみに、神宮第二球場は再建話も持ち上がっているようですが、オリンピックが終わらないことには、何も話が進まないようです。
それにしても、国家的プロジェクトのオリンピックのために、庶民の楽しみとなるスポーツ施設が休止となるのは理解に苦しみます。オリンピック期間中ならまだ理解できますが、延期しているイベントに、ゴルフ練習場を休ませる必要はないと思うのですが......。
とりあえず状況を見ながら、秋以降の再開を待ちましょうか。
(2)練習場の気軽さ
ゴルフのラウンドは一日仕事ですが、練習は短い時間で済むので、手間もかかりません。クラブ数本を入れたクラブケースを背負って、自転車に乗って行けばいいだけ。
私の場合、自宅から一番近いところは、自転車で5分のところにあります。1時間ちょっとあれば、移動時間を含めて練習が完了します。この手軽さがよろしいのです。
以前は車で移動して、大規模な練習場に行っていましたが、そうなると"半日仕事"になります。練習場に行ったついでに、洗車したり、スーパーに寄って頼まれた買い物をしたりと、面倒くさい用足しまでして、雑用に忙殺されていたのです。
家の近所の練習場だと、確かにネットまでの距離が短く、こじんまりしていますが、それでもショットの調整には十分です。
広い練習場のほうが「球筋が見られていい」という人もいますが、狭い練習場にもそれなりのメリットがあります。ボールの行方をさほど見ないから、ヘッドアップしないで済みます。遠くまで飛ばそうとしないので、力むこともありません。
自ずと短いクラブばかり練習しがちになりますが、それが結構、スイングを固める意味では好都合のようです。
(3)他のスポーツと比較すると
ゴルフの練習場は、コースに行く前にショットを調整するところ。あるいは、もっと意欲的に捉えると、スイングを完成させる場所、となります。
けど、アマチュアゴルフ人生を30年もやっていると、今さらスイングを変えようがなく、あくまで調整となります。
これは、ゴルフ以外のスポーツで例えるなら、野球のバッティングセンターに近い感じでしょうか。あと、テニスなら壁打ち、サッカーでも壁に向かって蹴るなどのひとり遊び、みたいなものですかね。
そこから練習の幅を広げる場合、ラリーをするスポーツ、例えば卓球やテニスなどは誰かがいたほうがよろしいでしょう。野球やサッカーも、人が増えれば、他にもいろいろな練習ができます。
その点、ゴルフの練習はひとりで完結します。練習場もひとりで楽しめますから、誰かを誘わなくてもいいので楽です。ゆえに、練習場は最高の環境と言えます。
コロナ禍にあって、再び練習場に通い出した人は結構いるんじゃないですか。illustration by Hattori Motonobu
(4)体調管理とモチベーション
体調管理にも練習場がひと役買っています。体の可動域のチェック、体の張り具合など、とにかくスイングすれば、体の調子がわかりますから。
練習内容はいたってシンプルで、短いクラブを中心に50球ほど打てばいい。フルショットはほとんどしません。9割ぐらいの力で、9番アイアンなら100ヤードぐらい飛べば十分です。
万振りして、たまにナイスショットが出る程度なら、8~9割の力でショットして、安定した球筋を維持したい。そのほうが、スコアメイクにつながります。
(5)在庫一掃からの再チャレンジ
ずいぶん前に自前クラブの在庫一掃をやったのですが、でもまだ3セット分ぐらい残っています。つまり、2軍、3軍のクラブですね。
それらも結構使えるけれど、ついつい気に入ったクラブばかりを贔屓してしまう。2軍、3軍に落ちた気に入らないクラブは、過去にそのクラブを使って、叩いた苦い経験があるからですな。
けど今は、ちょっと余裕があるので、そういった一度お蔵入りにしたクラブを引っ張り出して、また使ってみることに。買った時は相当気に入って購入したわけですからね。
そういうご寵愛期間を経て、お暇を出されているクラブ。今一度、再雇用のチャンスを与えてもよろしいのではないでしょうか。まさに将来自分がそういう目に会うかもしれないわけで、がんばっているクラブを大事にしなきゃ。そう思うこの頃です。
(6)最終的には?
練習場通いがいつまで続くかわかりませんが、月に2、3回、ふらっと寄ってスイング調整して、世間を見ればよろしいかと。
冷静に考えれば、1回の練習代が1000円ちょっとです。関東近郊のゴルフ場の、土日のプレー代の10分の1以下。月3回ラウンドするなら、月1回のラウンドにして練習を多くするほうが、時間も、コストも取れてよろしいです。
昔、ラウンド前後によく練習場に行ったなぁ~。そういうストイックな気持ちが、なぜかコロナ禍でよみがえってきました。
今年は80台連発の予感がします。お楽しみに。