オーストラリア・メルボルンで開催されている「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、第9シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第15シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を6-3 5-7 7-…

 オーストラリア・メルボルンで開催されている「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、第9シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第15シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を6-3 5-7 7-6(5) 6-7(4) 6-4のフルセットで倒した。これでナダルは、“宿命”のライバルであるロジャー・フェデラー(スイス)と決勝で対戦することになった。

 セットカウント2-2となり、第5セットはいっそう緊迫した展開となる。セットを取り返して追いついたばかりのディミトロフは、第1ゲームのサービスでいきなりナダルにブレークポイントを握られた。しかし、このゲームは合計16ポイントをプレーして、そのうち4度のブレークのピンチをしのいでキープする粘り強さを見せた。

 続く第2ゲームではナダルが、第5ゲームではディミトロフがブレークポイントを逃れて、第8ゲームのナダルのサービスゲームで15-40と、ディミトロフに最大のブレークチャンスが訪れる。ナダルはここで、この日、目を見張る精度を見せたバックハンドのダウン・ザ・ラインと、2本のフォアボレーのウィナーにより逆転して、最後はディミトロフがサイドに走りながら打ったフォアハンドがネットにかかってキープした。

 両者がしぶとくサービスキープする中、大きく動いたのが第9ゲーム、ディミトロフのサービスで30-30のあと。ディミトロフがサイドに展開しようと打ったフォアハンドがコードボールとなり、サイドアウト。ブレークポイントを握ったナダルは、これまで以上に攻撃的なバックハンドのダウン・ザ・ラインを決めて、ついにディミトロフのサービスをブレークし、5-4とリードを奪った。

 そしてナダルのサービング・フォー・ザ・マッチとなり、ディミトロフは最後の最後まで抵抗をみせるも、ナダルがしっかりとサービスをキープして4時間56分の死闘に終止符を打った。

 試合後、コート上での勝利者インタビューでナダルは、「まずは、(コンディションを)うまく回復できるよう祈る」と笑顔で言った。

 インタビュアーのジム・クーリエが、決勝の相手であるフェデラーの名前を口にすると、興奮冷めやらぬ観客たちが、さらに大きな歓声を挙げた。

 そして、ナダルはこう言っている。 「フェデラーが昨年、僕のテニスアカデミーの催しに来てくれたとき、僕らはふたりとも故障していて、ここの決勝で会えるなんて想像もしていなかった。だからこれは僕らふたりにとって、本当に特別なことなんだよ」  ナダルのグランドスラム準決勝での勝利記録は、これで21勝3敗となった。全豪での決勝進出は3年ぶり4度目(2009、2012、2014、2017年)で、2009年に優勝している。

 グランドスラムでの決勝進出は21度目となり、優勝回数では歴代1位のロジャー・フェデラー(スイス)の17度に次ぐ14度、ピート・サンプラス(アメリカ)とタイ記録。

 ナダルのグランドスラムの最後の優勝は2014年の全仏オープンだ。

 ナダルとフェデラーの対戦成績は23勝11敗でナダルが大きくリードしている。最後の対戦は2015年のバーゼル決勝(室内ハードコート)で、6-3 5-7 6-3でフェデラーが勝利。また、グランドスラムでの最後の対戦は2014年の全豪オープン準決勝で、7-6(4) 6-3 6-3でナダルが勝っている。

 グランドスラム決勝でのナダルとフェデラーの対戦戦績は6勝2敗で、やはりナダルがリード。フェデラーは2007年のウィンブルドン以降、グランドスラムの決勝でナダルを破っていない。

(テニスマガジン/Tennis Magazine)