「True Colors Festival」はパフォーミングアーツを通して、障がいや性、世代、言語、国籍を超え、誰もが楽しむための芸術祭。同イベントは昨年、コロナ禍で演目の中止や中断を余儀なくされたが、今年はバリアフリー・多言語対応のオンラ…

「True Colors Festival」はパフォーミングアーツを通して、障がいや性、世代、言語、国籍を超え、誰もが楽しむための芸術祭。同イベントは昨年、コロナ禍で演目の中止や中断を余儀なくされたが、今年はバリアフリー・多言語対応のオンライン配信にも取り組み、創り手と観客が一体となって楽しめる形を目指して再始動する。

アンバサダーには、最先端の義足で歩行するプロジェクトに取り組む乙武洋匡さん、“自分を肯定することの大切さ”を発信するりゅうちぇるさんが就任。


「パフォーミングアーツの魅力は“舞台と観客が一体になって空間を作り上げること”。壁を乗り越え、つながることの大切さを心から実感する時代になった今こそ、True Colors Festivalを多くの人に味わい、楽しんでいただきたいと思います」(乙武洋匡さん・写真左)

「素晴らしい色を持った方達がそれぞれの才能を表現しています。ときには一丸となって、僕たちと一緒にTrue Colors Festivalを盛り上げていきましょう!」(りゅうちぇるさん・写真右)

開催プログラムは随時発表されるが、現在決定しているのは下記の3演目。開催順に紹介する。


True Colors FASHION
ドキュメンタリー映像公開
「対話する衣服」 -6組の“当事者”との葛藤-

公開日:2021年3月5日(金)
公開サイト:True Colors Festival 公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/c/truecolorsfestival

気鋭のファッションデザイナーを輩出することで世界からも注目される、山縣良和・主宰の私塾「ここのがっこう」。そこから選抜された6人のデザイナーが「人の数と同じだけ心と身体がある」というコンセプトのもと、車椅子や義足を伴うなどさまざまな体型のモデルと組んで作品を作り上げる。その6組の対話と葛藤を記録したドキュメンタリー。

監督は“ろう”の写真家、齋藤陽道のドキュメンタリー『うたのはじまり』で評価される河合宏樹。完成した作品を紹介するクライマックスシーンでは、写真・構成を LILY SHU(リリー・シュウ) が、音楽を蓮沼執太が担当と、クリエイター陣も素晴らしい。

「多様性時代のファッションデザインとは?」をテーマにしたオンラインのTrue Colors FASHION メガ会議(3月5日19時〜)や、「対話する衣服」写真展(3月15日〜31日、渋谷スクランブルスクエア12F/Scene12)も開催されるので、興味のある方は詳細を公式サイト(https://truecolorsfestival.com/jp/)でチェック。


True Colors DIALOGUE
ママリアン・ダイビング・リフレックス/ダレン・オドネル
『私がこれまでに体験したセックスのすべて』

日時:2021年3月26日(金)~28日(日)@京都芸術センター 講堂(京都府京都市中京区)
日時:2021年4月8日(木)~11日(日)@スパイラルホール(東京都港区)
上演時間:約100分/言語:日本語上演、日・英字幕つき

ママリアン・ダイビング・リフレックスはカナダの気鋭の脚本家、ダレン・オドネルが設立したアート&リサーチ集団。参加型のプロジェクトで知られる。この作品も公募で集まった60歳以上のシニア5人が、ダレン・オドネルらと1か月間、ワークショップやインタビューを重ねて脚本を制作。生活や命に深く関わる大事な“性”を、笑って泣けるセックスと人生の物語に。学校では教えてくれない人生の教科書として、若者たちへエールを送るドキュメンタリー演劇に仕上げた。


True Colors CIRCUS
SLOW CIRCUS PROJECT
「T∞KYO∞(トーキョー)~虫のいい話」

日時:2021年4月25日(日)、26日(月)18:00開演
場所:池袋西口公園野外劇場グローバルリングシアター

アーティストとともにマイノリティの視点から社会課題を解決に導くNPO法人、SLOW LABEL(スローレーベル)。彼らのプロジェクトとしてスタートした、日本初のソーシャルサーカスカンパニーによる野外サーカス公演は必見! 


ソーシャルサーカスは、さまざまな事情で社会に出ることが難しいと感じる人たちに向けて、サーカス技術の練習や習得を通して、社会性やコミュニケーション力を育むプログラム。世界各地でマイノリティを支援するために活用されている。SLOW CIRCUS PROJECT(スローサーカスプロジェクト)は、2017年からシルク・ドゥ・ソレイユのサポートを受け、世界各地の同様の団体と連携しながら、障がい者とのパフォーマンス創作、ワークショップなどを行い日本での普及・実践に取り組んできた。

クリエイティブ・プロデュースは自らも障がいを抱えながら障がい福祉の世界で活躍し、東京2020開会式・閉会式4式典総合プランニングチーム・クリエイティブディレクターにも選出された栗栖良依(くりす よしえ)。構成・演出はサーカスアーティストとして世界で公演し、SLOW LABELのパフォーマンスプロジェクトに携わる金井ケイスケだけに、期待が高まる!

True Colors Festivalが目指すのは、誰もが居心地の良い社会の実現だ。身近な人と引き離されたコロナ禍で、人とつながること、ともに楽しむことの大切さが再認識された今、再始動したプロジェクトに参加して「つながって、乗り越える」ことを考えたい。