どこまで年齢に抗い続けるのだろう。スキージャンプの48歳・葛西紀明が国内大会で約1年ぶりとなる表彰台に上がった。3日の札幌五輪記念(宮の森ジャンプ競技場)に出場し、94メートル、98メートルを飛んで3位タイに入賞。「メッチャうれしい」と喜…

 どこまで年齢に抗い続けるのだろう。スキージャンプの48歳・葛西紀明が国内大会で約1年ぶりとなる表彰台に上がった。3日の札幌五輪記念(宮の森ジャンプ競技場)に出場し、94メートル、98メートルを飛んで3位タイに入賞。「メッチャうれしい」と喜びを爆発させた。

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 92年アルベールビルから18年平昌まで冬季五輪に8大会連続で出場し、世界中から「レジェンド」と称賛されている葛西。49歳シーズンとなる22年の北京五輪を目指すことをすでに明言している。現役にこだわり続ける理由は何なのだろうか。

 「いつまでやっているんだとか、若い選手に譲れとか言う人もいますが、僕の統計上、若い選手か、年をとった選手が頑張ると盛り上がる。腰や膝が痛くなったりすると、ちょっとジジイになったなっていうのは感じます。でも年齢を超えて挑戦する僕を見て『自分も頑張ろう』と思ってくださる方が多いようで、そんな方たちから僕自身も元気をいただいています。活躍することで、もっともっと元気にさせたいんです」。

 近年、高齢アスリートの奮闘が目立つ。大相撲では1月の初場所で現役最年長50歳の東序ノ口9枚目・華吹(はなかぜ、立浪部屋)が4勝3敗で勝ち越し。50歳以上の力士が勝ち越すのは116年ぶりの快挙だった。引退したが、バスケットボールでは20年にBリーグ・北海道の折茂武彦が49歳まで、プロ野球では15年に中日・山本昌投手が50歳までプレーし、いずれも最年長記録を打ち立てた。

 

 運動能力のピークは諸説あるが、20代といわれることが多い。加齢による衰えはどんな選手にも確実にやってくる。それでも若手に負けない武器を模索し、努力を続け、用具やトレーニングの進歩、競技環境や医療ケアの充実もあって、アスリートの選手寿命は飛躍的に延びている。

 

 

 なかでも別格の存在がサッカー界の「キング・カズ」こと三浦知良。J1横浜FCと2021年シーズンの契約を更新し、54歳でプロ36年目シーズンを迎えた。50歳を過ぎてトップリーグでプレーしている選手は世界的にも異例で、海外メディアにも驚きのニュースとして伝えられている。

 サッカーは競技の特性上、ピッチにいる限り走り続けなければならないストイックなスポーツ。カズは昨季リーグ戦4試合、計68分間の出場にとどまったが、体力的にとっくに峠を越えた今も現役にこだわり、第一線に立っている。原動力は何なのだろうか。

 「もちろん、若い人と比べて回復にかかる時間は長くなっています。大変なことは大変ですが、試合に出たいという情熱がある限り、現役を続けたいと思っています。昨シーズンは個人的には物足りないシーズンとなりましたが、サッカーに対する向上心は増すばかりです。今シーズンもより多くの試合に出場し、チームの勝利に貢献することを目標に日々取り組んでいきたいと思います」。

 身体の機能は衰えても、情熱やメンタルの強さは衰え知らず。一般的な50歳は筋力が低下し、体の節々が痛み、歩いてつまずいたり、物忘れなど、自身の衰えを感じる時期。いわゆる「初老」の兆候が見え始める同世代の人たちにとって、年齢に抗い、限界に挑戦するカズや葛西の姿がどれだけ勇気を与えていることだろうか。

 

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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