オーストラリア・メルボルンで開催されている「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)の大会10日目、男子シングルス準々決勝で、第9シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第3シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を6-4 7-6…
オーストラリア・メルボルンで開催されている「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)の大会10日目、男子シングルス準々決勝で、第9シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第3シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を6-4 7-6(7) 6-4のストレートで下し、準決勝に進出した。ナダルがグランドスラムでベスト4入りしたのは、2014年全仏オープン(優勝)以来のこと。
ナダルは金曜日に行われる準決勝で第15シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)と対戦する。ディミトロフは第11シードのダビド・ゴファン(ベルギー)を6-3 6-2 6-4で倒して勝ち上がった。
もうひとつの準決勝は木曜日に行われ、第4シードのスタン・ワウリンカ(スイス)と第17シードのロジャー・フェデラー(スイス)が対戦する。このスイス人対決は今回が22度目で、これまでのところ18勝3敗でフェデラーが大きくリードしている。
男子シングルスのベスト4は、3人が30歳過ぎとなった。25歳のディミトロフを除いて、ナダルが30歳、ワウリンカが31歳、フェデラーが35歳。これはオープン化後の記録で1968年全仏とタイとなる。
ちなみに女子のベスト4も、3人が30歳過ぎとなり、ウイリアムズ姉妹(アメリカ)のビーナスが36歳、セレナが35歳で、ミルヤナ・ルチッチ バローニ(クロアチア)が34歳。もうひとりのベスト4であるココ・バンダウェイ(アメリカ)が25歳だ。
ラオニッチを破ったナダルは、全豪で50勝目を挙げた。
ナダルの全豪でのベスト成績は2009年の優勝で、2012年と2014年に決勝で敗れている。昨年の全豪は1回戦でフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)にフルセットで敗れ、その後、全仏で3回戦を前に左手首の故障を理由に棄権した。そのケガはしばらく休養を強いるものとなり、ところどころでプレーしたものの、結局、一年を通して十分戦えない状況となった。シーズンも早めに切り上げている。
そしてナダルは今年のブリスベンで復活した。準々決勝でラオニッチにフルセットで敗れたが、それからおよそ3週間後の全豪準々決勝で再戦となった。
ナダルはラオニッチに対して、第2セットで合計6つのセットポイントをしのいでいる。その中には、13分かかったタイブレークでの3ポイントも含まれている。結局、ナダルはこの試合で一度も相手にブレークを許さなかった。
ウィナーの数はラオニッチより1本多く、40本奪い、アンフォーストエラーはラオニッチより11本少なく、21本にとどめた。何より、ビッグサーバーでありネットプレーを大きな武器として戦おうとしているラオニッチがネットで52本中27本(52%)獲得したのに対して、ナダルはネットで25本中22本(88%)を獲得。そこにナダルが得意のベースラインでのウィナー61本が加わり、31本と半分のラオニッチに大きく差をつけた。
3回戦でアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、4回戦でガエル・モンフィス(フランス)と難しい相手を破ってきたナダルは、このラオニッチ戦でさらに一段レベルを上げて見せた。
「この結果はとてもいいニュースだよ。なぜならそれは僕に競争力があり、よいプレーをしているということの証だから」とナダル。
ラオニッチは昨年の全豪で準決勝に進出し、アンディ・マレー(イギリス)と対戦した際、腰の故障に見舞われてセットカウント2-1とリードしながら、6-4 5-7 7-6(4) 4-6 2-6で敗れた。またウィンブルドンではグランドスラム初の決勝に進出したが、そこでもマレーにストレートで敗れている。
だが、ラオニッチはその躍進によって、ランキングをキャリア最高の3位としてシーズンを終えている。今月初めのブリスベンでは準々決勝でナダルと対戦し、フルセットの戦いの末に下していた。
「僕よりも彼がいいプレーをしただけ」と言ったラオニッチは、第2セット第5ゲームのあとでインジュリータイムをとり、内転筋の治療のためコートを離れている。
(テニスマガジン/Tennis Magazine)