オーストラリア・メルボルンで開催されている「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)は大会11日目、女子シングルス準決勝が行われる。ビーナス対ココ・バンダウェイ ノーシードのアメリカ人、25歳のココ・バンダウェイは、4回戦で昨年…

 オーストラリア・メルボルンで開催されている「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)は大会11日目、女子シングルス準決勝が行われる。

ビーナス対ココ・バンダウェイ

 ノーシードのアメリカ人、25歳のココ・バンダウェイは、4回戦で昨年大会の優勝者で世界1位のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)を、準々決勝で昨年全仏優勝者のガルビネ・ムグルッサ(スペイン)を圧倒した。次にバンダウェイは自らのテニスにインスピレーションを与えた選手のひとりである、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)と対戦する。

 バンダウェイは初のグランドスラム決勝進出を果たすために、子供時代の憧れを忘れて本能に置き換えなければならないと言った。

 「子供のときにプレーを観て、憧れながら育った選手と対戦するのは夢の実現よ。ビーナスのような並外れた選手、未来に名誉の殿堂入りする選手とプレーし、彼女と同じコートの上に立つ----私は以前に一度だけそれを経験したことがある」とバンダウェイは言った。「でもグランドスラム大会のこの段階でそれが実現するなんて、信じられない」。

 36歳のビーナスにとって、これは14年ぶりの全豪での準決勝進出だ。

 「こんなふうにここで年をスタートできるなんて本当に素晴らしいわ。私はより先までいきたい。準決勝進出だけでは満足できない。私はより先までいけるポジションにいることをうれしく思っているの」とビーナス。

 「私はテニスに与えられるものを、まだたくさん持っている。私の中には素晴らしいテニスをする力が大いにあると感じているの。だからそう感じている限り、人は続けるものよ。文字通り、私には失うものは何もないわ」

 ビーナスはバンダウェイと前回はローマのクレーコート上で対戦し、6-4 6-3で勝っている。

 「少なくともひとり、アメリカ人選手が決勝にいけるというのはアメリカのテニスにとって素晴らしいことだわ」とビーナス。「(バンダウェイは)もちろん彼女にとって初めての決勝に進みたいと願っているでしょう。でも私もここで2度目の決勝に進みたいと願っている。だから、お互いに激しく競い合う好試合になるでしょうね」。

セレナ対ルチッチ バローニ

 35歳と34歳が決勝の一席をめぐって対決することになった。セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)とミルヤナ・ルチッチ バローニ(クロアチア)が最後に対戦してから、本当に長い年月が流れた。そのためセレナは、それがいつだったかはっきり思い出せなかった。

 「本当に驚くべきことね。私はミルヤナを誇りに思うわ。私は10年前に彼女と対戦した…いえ、(ほどんど)20年前だったわね」とセレナ。「何が起ころうと34歳以上の選手がひとり、決勝に進出することになるわ」。

 1998年ウィンブルドン2回戦でふたりは対戦し、そのときはセレナが6-3 6-0で勝った。そこからふたりのキャリアは劇的なまでに違う方向へと進み、セレナは「22」のグランドスラム・シングルス・タイトルと賞金で富を、そして栄誉を積み上げた。反対にルチッチ バローニは個人的な問題から脱線し、2000年代の半ばに長いことテニスから離れることになった。

 ルチッチ バローニはいつの日か「本に書く」と誓った問題に対処しなければならず、2003年全米から2010年ウィンブルドン予選までグランドスラムでプレーしていなかった。

 左脚の故障に苦しむルチッチ バローニは3セットにおよんだ準決勝で昨年全米準優勝のカロリーナ・プリスコバ(チェコ)を倒すのに、持ち前の才能を活用した。この試合では両者がメディカルタイムアウトを必要としたが、ルチッチ バローニは試合後、自分のフィットネスがセレナとの準決勝で問題になるのでは?という懸念を否定した。

 「試合の途中で痛み始めたけど、問題ないと思う」とルチッチ バローニ。「もう少し余計にテープを巻くわ。これが私の体を維持してくれるように祈りましょう」。

 準決勝進出者のどちらもが30代で長いキャリアを持つことについて、ルチッチ バローニはこう言っている。

 「今や皆が強いわ。選手たちはよりハードに練習を積み、リカバリーもよりよくなってきている。それに経験もモノを言うのかもね」。(C)AP(テニスマガジン)