オーストラリア・メルボルンで開催されている「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)の女子シングルス準々決勝で、第13シードのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)が第24シードのアナスタシア・パブリウチェンコワ(ロシア)を6-4 …
オーストラリア・メルボルンで開催されている「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)の女子シングルス準々決勝で、第13シードのビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)が第24シードのアナスタシア・パブリウチェンコワ(ロシア)を6-4 7-6(3)で下した。
ビーナスにとって21度目のグランドスラム準決勝進出。全豪では実に14年ぶりのこととなる。
一方、グランドスラム大会で初めて準決勝に進出したココ・バンダウェイ(アメリカ)は、グランドスラム大会で優勝経験を持つ選手を連続で破り、勝ち上がった。
ビーナスとバンダウェイ----このふたりの対決により、少なくともひとりのアメリカ人が全豪決勝に進出するということになる。
36歳のビーナスはパブリウチェンコワを破ったとき、(オープン化以降の時代で)全豪オープン準決勝に進出した最年長プレーヤーとなった。
ビーナスは、ここ全豪での勝ち上がりで大きな自信をつけているバンダウェイと戦うことになる。世界35位のバンダウェイは、準々決勝で昨年の全仏優勝者のガルビネ・ムグルッサ(スペイン)を6-4 6-0というスコアで破り、4回戦では同じく昨年の全豪と全米で優勝している世界1位のアンジェリック・ケルバー(ドイツ)を倒した。
バンダウェイは、対ムグルッサ戦の第1セットで、唯一のブレークポイントをセーブし、28分で終わった第2セットは、わずか10ポイントしか相手に与えなかった。31本のウィナーのうち14本が彼女のパワフルなフォアハンドからのものだ。
「第2セットに入るとノンストップの貨物列車のようだった」とバンダウェイ。「もう誰も止めることはできなかったのよ」。
ビーナスは2011年からグランドスラムで準々決勝に進出することができずにいたが、それは彼女が、エネルギーをしぼり取り、関節炎を生じるシェーグレン症候群と診断された時期と時を同じくする。
ビーナスは2015年にようやく全豪の準々決勝に進出し、2016年の全豪では1回戦で敗退したものの、病が改善されたこともあって、その後のウインブルドンで準決勝に進出。世界ランク17位で年を終えていた。
バンダウェイは、昨年1月の全豪と9月の全米で1回戦負けを喫していたが、今年の全豪ではケルバーとムグルッサを倒しただけでなく、1回戦では2015年全米準優勝者のロベルタ・ビンチ(イタリア)、3回戦では2014年のウィンブルドンで準優勝、全豪でベスト4のユージェニー・ブシャール(カナダ)にも勝っているのだ。
ビーナスは、この準々決勝の結果を「アメリカにとって素晴らしい勝利」と表現した。
「(バンダウェイは)もちろん彼女にとって初めてとなる決勝に進出したいと願っているでしょう」とビーナス。「私もここで2度目の決勝に進出したいと願っている。だから、お互いに激しく競い合う好試合になるでしょうね」。
ビーナスは、パブリウチェンコワとの準々決勝で4度サービスをブレークされたが、そのたびに反撃してブレークバックした。タイブレークでも彼女は一時1-3と劣勢に立たされたが、そこから最後の6ポイントを連取。パブリウチェンコワのダブルフォールトをもって試合に終止符が打たれた。
昨年ウィンブルドン準決勝に進出した際、ビーナスは1994年のマルチナ・ナブロチロワ(37歳と258日)に次いで年齢の高いグランドスラム準決勝進出者となっていた。
23度目のグランドスラム優勝を狙う妹セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が準々決勝に勝ち残っているため、全豪決勝がまたも姉妹対決となる展望もある。
しかしビーナスはネットの向こう側に誰がいるかは見ていない。チャンピオンを形成するのはそんな姿勢ではないと言いつつ、彼女は8度目のグランドスラム・タイトル獲得に気持ちを集中させている。
「信じるよう努めるわ」とビーナス。「特に今年、私はチャンピオンになりたい。私がコートに入るときのメンタリティは、『私はこれを勝ち取るに値する』というものなの」。(C)AP